バスに関する書籍を購入したら、感想めいたものをわざわざブログに書いておくシリーズ。
今回は神奈川バス資料保存会(協力 日本バス友の会)が製作・出版した同人誌から2冊、2026年1月刊行「町田多万夫ライブラリー カラー1970年代日本のバス ⑧山陽・山陰編(②鳥取・島根・山口)」と2026年2月刊行「町田多万夫ライブラリー カラー1970年代日本のバス ⑨四国編」についてです。
一畑バス 社番:8378.2023年5月記録(再掲)。
※本作に一畑バス復刻塗装車の写真はありません。この塗装の頃の写真がたくさん掲載されていますよというイメージ画像です。
ちなみに画像の車両は、一畑電気鉄道グループ開業100周年を記念して2012年に登場した「青バス」カラーの復刻塗装車です。側面には旧社紋のプレートを取り付けるなど、結構こだわっています。「青バス」塗装が従来の赤系統の塗装よりも評判が良く、2013年以降の新車も復刻塗装で登場。いつのまにか復刻塗装が一般乗合車の標準デザインとなり、赤系統の塗装が旧塗装となってしまいました。
「町田多万夫ライブラリー カラー1970年代日本のバス」は、1970年代に日本全国のバス事業者を訪ねた町田多万夫氏の撮影した写真全てを本にして公開するという壮大なシリーズ作品です。 山陽・山陰編(②鳥取・島根・山口)では鳥取県・島根県・山口県の事業者のバス写真をまとめています。巻末には別のアルバムに紛れていたという「近畿編追加分」の写真と、交通博物館展示品の国鉄バス模型や個人製作のバス模型写真も掲載しています。撮影した写真全てを本にして公開するのが目的とはいえ、バス模型の写真は掲載しなくても・・・。このあたりの妙に律儀なところが神奈川バス資料保存会製作本の魅力といえるのかもしれません。「近畿編追加分」は前作近畿編で1枚も掲載が無かった金剛自動車の写真が11枚もあるので、近畿編購入者は本作も購入必須です。
四国編はタイトルの通り、香川県・徳島県・高知県・愛媛県の事業者のバス写真を中心にまとめています。当時青ナンバーで運行していた愛媛県の離島の町営バス・村営バスを撮影した貴重な写真もあります。
この写真集に強く興味をもたれた方は、町田多万夫氏が創刊当初の『バスマガジン』誌で連載していた「愛しのバスたちよ」(※2003年刊行の2号から休載もありつつ2010年刊行41号まで掲載。全33回。)をあわせて読むことをお薦めします。
松江市交通局 島根230あ90.2023年5月記録(再掲)。
この連載では、松江市営バスが1970年代に採用していた塗装デザインについての話が書かれています。正史に残っていない(残せない?)話なので真偽のほどは確かではありませんが、当時の市営バスの方から聞いたという話ですからおそらく正しいのでしょう。なお画像は1970年代の松江市営バスの塗装デザインを復刻した車両です。連載記事によれば、窓下3本の白線は宍道湖に流れ込む3つの川をあらわしているデザインとのこと。
連載ではほかにも、鳥取県で撮影したフィルムをミスで無くしてしまった思い出などの撮影秘話、撮影当時の事業者の保有台数や状況が書かれているので、写真集をより立体的に楽しむことが出来るはずです。
前作
近畿編の感想めいたものでも書きましたが、「町田多万夫ライブラリー カラー1970年代日本のバス」シリーズの発行部数は少なく、予約開始後すぐに完売となります。小生が入手できたのは近畿編と今回取り上げた2冊の計3冊。同人誌なので増刷のハードルは高く、過去作をうっかり買い逃してしまったのは残念でなりません。
旧編集体制の『バスマガジン』誌は、バスに関するムック本を多数発売しており、その中に町田多万夫氏撮影写真の一部を掲載したバス本もありました。膨大なフィルムがあるのに掲載されたのはごく一部だったのが不満でしたが、本作の巻末に「
故町田さんのポジフィルムもビネガーシンドロームという高温多湿の日本では避けて通れない劣化現象が起きています 」とあるので、既に掲載可能なレベルのフィルムは少なかったのかもしれません。そんな状態のフィルムからこの写真集シリーズが生まれたのですから、製作者の努力と熱意に頭が下がります。