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年鑑バスラマ1999→2000

今年のゴールデンウィークはステイホーム週間。家にいろということで、ブログ更新にはもってこいですが、出かけられないから更新するネタが無い。いえいえ家にもネタはあります。
ということで、1つ目のブログでいつぞやに更新した「バス雑誌感想アーカイブス」シリーズが復活。 雑誌や書籍刊行時点でのバスに関する話題や取り巻く状況・環境を知ることで現在が見えてくる!という建前(小生の勝手な思い込みとも言う)のもと、小生所有のバス雑誌等々の感想っぽいものを書いていく戯言集。今回は1999年12月刊行の『年鑑バスラマ1999→2000』をプレイバック。

構成は、巻頭カラー頁の1999年国内バスハイライト、バスラマ賞発表、特集、国内バスカタログ、そして歴史編に巻末の資料編というラインナップです。基本的な構成は現在の『年鑑バスラマ』と同じですが、この頃はバスラマ賞の発表と特集記事も掲載していました。
  
そのバスラマ賞ですが、1998年より運行を開始した「京成電鉄の連接バス」が受賞。


社番:4816.B10M(98年車)。2007年3月記録。
幕張新都心の大量輸送で脚光を浴びた連接バスですが、関係省庁などとの調整や許認可はなかなかのハードルとなった模様。京成の連接バスがしばらくの間唯一の存在となっていました。

特集は「新たな期待が寄せられる小型バスの世界」。1999年3月に金沢市で小型ノンステップバスによる「金沢ふらっとバス」が運行を開始したことにあわせた特集で、「海外を含めた小型バスの活躍、輸送特性、今後の可能性 」についてまとめています。



金沢230あ295.クセニツCITYⅢ.2009年3月記録。
「金沢ふらっとバス」の運行に合わせて登場したのが、小型ノンステップバス「クセニツ」。「クセニツはオーストリアのボデーメーカー 」で、「客席床面のすべてをノンステップとしている 」のが特徴。金沢市での活躍をうけ、クセニツはコミュニティバスとして全国各地に導入されることとなりました。華々しく登場したものの、その後・・・。
年鑑の核となるのが「国内バスカタログ」。掲載対象は「1999年12月中旬現在、日本国内で販売されるバス 」となっており、本作では「国産64種類(OEM販売車4車種ならびに、シャーシーあるいはボデーのみ国産のもの4車種を含む) 」に加え「“ファンタスティックバス”2車種と輸入車1車種」を紹介しています。ちなみに「シャーシーあるいはボデーのみ国産のもの4車種 」は、ニッサンディーゼル製のバスシャーシーに海外製ボディを組み合わせたユーロツアーとヨンケーレ2階建てバス、ボデーのみ国産は富士重工が販売していたFHI-ボルボの観光車アステローペと連接バスをあらわします。最新の『年鑑バスラマ 2019→2020』掲載モデルが「国産バス15シリーズ、輸入車12車型 」ですから、約20年間で国内バス製造がいかに縮小したかを実感します。さて、1999年の大きな動きとなったのが、車両総重量3.5トン超~12トン未満の「小型バス、中型バス全車、および9m車の一部が、10年規制適合の新型車(KK-)に切り替わったこと 」です。この切り替えにあわせ、複数メーカーで大幅なモデルチェンジが行われました。

1999年2月に日産シビリアンがフルモデルチェンジを発表。「大型観光バスをイメージして曲面を多用したデザイン 」で、他社販売の競合モデルに先駆け「ハイルーフ・標準ルーフの区別をなくしたこと 」が特徴。引き続き、いすゞジャーニーとしてOEM供給も行っています。

1999年3月に登場したのが「日野メルファ9」。レインボーの観光・自家用系をフルモデルチェンジ。フロントマスクをはじめ「全体のスタイリングは前年に登場した小型バス・メルファ7と共通で、セレガの流れをくむフロント周りやブリスターフェンダーなどが特徴 」となっています。



沖縄200か201.2010年4月記録。
20年以上続くロングライフモデルとなったメルファ9ですが、KK規制車では最上位グレードとしてオートエアコンを装備した高床タイプもラインナップしていました。製造台数が限られたことからラインナップからは姿を消してしまいましたが、画像のとおり堂々としたフォルムを見てしまうと、現在販売中の観光タイプが名ばかりという感じがしてなりません。
 なお、今回並べている画像の車両が必ずしも99年製造でないことをご了承願います。

1999年6月には、いすゞが中型車のフルモデルチェンジを発表。路線車は「エルガミオ」のネーミングで、「“ラウンディッシュキューブフォルム”と称されるスタイリングは縦置きの4灯式ヘッドランプが大きな特徴 」となっています。


大分200か12.KK-LR233J1改(99年車)。2013年4月記録。
低床化を前面に押し出した商品展開 」となったのも大きな特徴。画像の車両はエルガミオのノンステップ車の第一グループとなった大分交通導入車。ノンステップ車ですが車椅子対応のスロープは装備していないという、なんとも微妙な仕様というのが初期車ならでは。


熊本200か141.KK-LR233E1。2017年3月記録。
7mワンステップ車もラインナップ。「エンジン横置き+アングルドライブを採用し、機動性と床面積の確保を両立 」しました。結果的に短期間の製造で終了してしまったのが惜しまれます。

 
奈良200か389.KK-LR233J1。2015年9月に記録。
観光・自家用モデルはガーラミオにモデルチェンジ。「フロント・リヤを中心に大型観光車ガーラと共通イメージのスタイリング 」が特徴。画像は奈良交通で定期観光車で使用していた側面固定窓仕様のいすゞガーラミオで、CNG車というクセの強い車両です。

そして本作刊行ギリギリのタイミング、12月に登場したのが日野レインボーHR。「7m車・9m車・10.5m車が設定され、特に7m車はクラス初のノンステップ化を図ったのが特徴 」です。
                                                                                                                       



佐賀200か569.KK-HR1JKEE。2018年11月に記録したものを再掲。
9m車は販売開始時点で「ホイールベースを4.6mと長く設定することなどにより、クラス最大のノンステップフロア面積 」を確保しました。
画像は当時の祐徳バスに在籍していた中扉グライドスライドドア仕様で初期車感がある日野HR9mサイズ移籍車。後面の行先表示は「ノンステップバス」幕で固定していますが、移籍元からの名残といわれています。


社番:M49910.KL-JP252NAN改(99年車)。2012年8月記録。
中型車幅で大型車並み10.5mサイズの低床車として「独自のポジション築いてきた 」日産ディーゼルJPにノンステップ車が改造扱いでラインナップに登場。なお、JPのボデーは他モデルに先んじて西日本車体工業製に統一されました。

ちなみに平成11年排出ガス規制適合のKL規制車は2000年からとなりますが、「12トン超であっても12トン未満とエンジンを共用する車種の一部で規制適合 」したことも99年の特徴といえます。


社番:99011.KL-LT233J1(99年車)。2018年5月に記録したものを再掲。
このため大型幅の9m車となる、いすゞLTはKL規制車ながらキュービックボディを架装ということになりました。大型車は翌年エルガにモデルチェンジしたので、レアな存在です。


神戸200か365.KC-LV832L(99年車)。2008年2月記録。
レアな存在といえば、フロント1枚ガラス+オーバーラップワイパーが標準のキュービックボディに「前面2枚ガラスタイプに改めた仕様が用意 」されたのも1999年。翌年のエルガへのモデルチェンジを前に登場させたところがポイント。マニアからはいち早くこのタイプを導入した事業者にちなみ、東武顔、伊丹顔とも呼ばれています。画像は伊丹市営バスに登場したLVノンステップ車で、市営バス創業50周年を記念した復刻塗装バスとなっていました。

歴史編は「超デラックス観光バスとその時代 ー1970年代、利用者に夢と希望を与えてくれた観光バス達ー」。1970年代の観光バスを取り巻く状況や、車両のボデーバリエーションや仕様などを紹介しています。

年によって当たり・ハズレがあるように感じるのが『年鑑バスラマ』の醍醐味ですが、近年刊行作に比べると読み応えに格段の差があるような・・・。もちろん、これは私感ですのであしからず。

なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、画像の型式は掲載の「国内バスカタログ」と「ノンステップバス導入状況」を参照しました。
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