偶数月の月末はバスラマの感想めいたものを書いていますが、28日までしかない2月に月内更新するのは出来ませんでした。ただ、月末は感想めいたものを書いておきたい!ということで、バスに関する書籍を買ったら、感想めいたものをブログに書くシリーズです。
今回は2月5日刊行の『年鑑バスラマ 2022→2023』についてです。
構成は、巻頭カラー頁に国内バスハイライト、メインとなる「国内バスカタログ」、そして「海外バスカタログ」、歴史編、巻末の資料編となっています。おなじみのラインナップが安心感を生みます。
さて、本作の「国内バスカタログ」掲載モデルは「国産バス13シリーズ、輸入車15車型 」となっています。掲載モデルのほとんどが、オートライト等を新たに装備した2022年後半発表モデルとなっています。そんな国産バスカタログ掲載モデルに大きな影響を与えたのが、2022年3月に発覚した日野自動車のエンジン認証不正問題。一部のエンジンに「エンジン性能を偽る不正行為 」や「燃費性能の諸元値を満たさない 」ことが発覚したことをうけ、「国土交通省は3月下旬以降、該当エンジンの型式指定取り消し 」を行いました。この結果、日野製エンジンを搭載した多くのバスモデルが販売停止となり、本作掲載モデルの一部は「販売中断中」と記載する異常事態となっています。
異常事態の国産バス掲載モデルに対し、輸入車は新たにEVモーターズ・ジャパンの大型路線バスと中型観光バスモデルが加わりました。電気バスはBYD、オノエンスター、アルファバス、EVモーターズ・ジャパン、複数のブランドが販売競争を行っています。登録台数では先陣を切ったBYDが一歩リードしている状況ですが、はたして2023年はどうなるでしょうか。中国製電気バスモデルに六価クロムを使用した部品があることが分かり、運行を見合わせる事例が出ているのが気がかりなところです。とはいえ、電気バス導入の流れに変わりはないでしょうから、複数モデルの競争状態はまだまだ続きそうです。万が一日本市場から撤退してしまうような負け組メーカーの車両を購入していたら、今後のメンテナンス等に深刻な影響を受けること必至。電気バスの導入事業者はメーカー選定にも頭を悩ませていると思われます。
資料編では、「ブランド別国内バス販売台数」のリストにご注目。コロナ禍前に比べれば大きく落ち込んだ状況に変わりありませんが、三菱ふそうといすゞは前年を上回る販売台数となり、明るい兆しが見えてきています。
社番:X52202.2TG-MS06GP(22年車)。2022年10月記録。
12mサイズの日野セレガ・いすゞガーラは販売を中断しているため、現状購入可能なのは三菱ふそうMS一択。画像は京王バスが導入した2022年新車のMSで、折戸仕様を採用した1台です。
社番:M12228.2023年2月記録。
コロナ禍で新車導入が見送られていた路線車も、多くの事業者で導入再開の動きが見られています。導入を再開した路線車は、コロナ禍であらためて注目された「車内換気」を考慮し換気扇の増設などを行った事業者も少なくありません。仕様の簡素化でコストカットに熱心な印象の京王バスも、2022年に導入したいすゞLVは換気扇を新たに中央部にも装備。前・中・後の3ヶ所設置、かつての相鉄のバスのような仕様で登場しました。
社番:M12228.2023年2月記録。
運転席側の窓もメーカー標準の中央部固定窓から、全て上部開閉可能な仕様に変更しました。車内換気は従来の装備でも十分といわれていましたが、利用者からの厳しい目線に対応したということなんでしょう。
三菱ふそうといすゞが販売台数を伸ばす一方で、多くのモデルが販売中断となった日野は当然前年割れ、日野製エンジンを搭載していたトヨタコースターも販売中断で前年割れ。コースター販売中断の影響が大きく、結果的に2022年の国内バス販売台数は最悪と思われた2021年よりも減ってしまいました。
また「ブランド別国内バス販売台数」リストには、UDトラックスが2022年にバスを1台販売していることが書かれています。トラックシャーシーの特装車と思われますが、どんな形状のバスを販売したのか非常に気になるところです。
「海外バスカタログ」は海外の最新鋭バスモデルの一部を国内バスカタログのフォーマットで紹介。今号では路線車7モデルと観光車2モデルを掲載しています。