多くのバス路線が発着している阪急塚口駅。駅の北側からは伊丹市営バス、南側からは阪神バスの尼崎市内線と阪急バスが発着しています。駅の北側は商店などが密集しており、よくこんな狭隘な道路に満員の市営バスが走っているもんだと驚きます。
一方南側は立派なロータリーのある駅前広場となっており、ロータリーの中央部に設けられたバス駐車スペースには阪神バスの車両が複数待機しています。
今年は何回か阪急塚口駅前へ行く機会があり、待機中の阪神バス車両画像を撮りためることが出来ました。ということで、阪急塚口駅前で記録出来た阪神バス(尼崎市内線)の車両画像を2回に分けて更新していきます。今回のその1では、記録出来た尼崎市営バスから引き継いだ車両の画像を並べていきます。
なお、型式・年式は「尼崎市交通局/尼崎運輸事業振興 在籍車両一覧」『バスラマインターナショナル 145号』(2014),ぽると出版 を参照しました。
社番:110.PKG-MP37UK改(09年車)。
阪神バスが現在「尼崎市内線」として運行している路線は、かつて尼崎市交通局が営業していました。尼崎市交通局は市内主要駅を結ぶ幹線と、住宅地や工業地帯などを結ぶ地域線と運行本数に応じた路線網を展開していました。しかし長期にわたる輸送人員減少により経営状況は悪化し、尼崎市交通局が設立に関わった尼崎運輸事業振興に路線委託を行うなど経営改善に取り組みました。残念ながら様々な取り組みも、さらなる輸送人員の落ち込みで、尼崎市は市営バスの運行から撤退を決定。尼崎市交通局は2016年3月いっぱいで営業を終了し、阪神バスへ路線移譲しました。阪神バスは尼崎市交通局時代のサービスを引き続き利用できるよう、移譲路線を「尼崎市内線」と区分して営業しています。
尼崎市交通局が保有していた車両は阪神バスに引き継がれ、社名表記を変更・追加した程度で運行しています。社番の変更無し、「虹バス」塗装もそのまま、側面中央には当時の尼崎市交通局キャラクター「あまっこ」も貼られています。社番を変更しなかったため、既存の阪神バスと異なる付番法則の車両が混在する状況となっています。
まずは、尼崎市交通局では100番台だった三菱ふそう車から、09年に22台導入したMPノンステップ車。UD製MD92エンジンを搭載したMT車で、三菱ふそうの公式リリース前に約100台製造した先行販売グループとなります。
社番:123.PKG-MP37UK改(09年車)。
せっかくなので09年導入の三菱ふそうMPをもう1台。いまでこそ見慣れた中扉の前後で窓の下辺の高さが異なる特徴的な外観ですが、登場時はあまり例の無い造りのためマニアから色々と言われたものでした。
ちなみに前中扉間をはじめ複数個所にあるピクトグラム風のマークは、尼崎市交通局が「人にやさしいバス」をイメージして作成したシンボルマークです。