開催前は盛り上がらないのではといわれていた平昌オリンピックですが、終わってみれば日本はこれまでの冬季五輪史上最多のメダルを獲得。これで札幌開催に向けての招致活動が盛り上がるようなことになるのでしょうか。というわけで、月末恒例のバス雑誌の感想という名のモルゲッソヨ。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル 166号』です。
今号の特集は「2ペダルの最新観光車試乗」という括りのもと、「改めて、三菱ふそうエアロエースに乗る 20年ぶりのAMT観光バス」と「本命AT車登場!オノエンスター バスラマ初 中国製バスに乗る」の2本立て。エアロエース記事に改めてとあるのは、既に163号で試乗しているためです。今号では旧世代AMTの「
INOMATを搭載したエアロバス 」の試乗エピソードも持ってくるところにバスラマの蓄積を感じます。
社番:646-80151M06.2018年2月に記録。
MS06は小生の身近なところで東京空港交通に登場しているので、乗車する機会もそう遠くなさそうな印象。ちなみに東京空港交通はMS06の象徴といえる側面第一窓下のペットマークを装備していません。
オノエンスターに関しては「
国産観光バスが備える技術や仕様のすべてをカバーしているわけではない 」としながらも、中国製品に対するネガティブなイメージを「
払拭する時期なのではないだろうか 」と提言。ただ、いかんせん国内での採用事例が・・・。
このほか、2月刊行号での掲載が恒例となった、前年のバスラマ賞も発表されており、第21回のバスラマ賞は「新型トヨタコースター」とのこと。授賞式の模様や「
新しい製造工程 」などは次号で紹介するとのこと。
事業者訪問は97年刊行の44号以来2度目の登場となる「山梨交通」。いわゆる山交騒動以降、1960年から長らく国際興業グループに属する事業者でしたが、「
2014年の国際興業のグループ再編に際し、山梨交通は当時の経営陣による親会社所有分の株式買い取り(MBO)を実施し、再び独立系事業者となっている 」とのこと。とはいえ塗装は引き続き「
国際興業に準じたデザイン 」を採用しているため、正直独立系というイメージはありません。
記事では近年の取り組みのほか、現在バス業界最大の課題といえる乗務員不足についてなど、多岐にわたる話題をまとめています。
ここからは、いつものように手持ちの山梨交通のバス画像をいくつか並べていきます。今回の感想めいたものを書くため、久々に甲府へ出かけました。
社番:C646.U-LV224K改(93年車)。2018年2月に記録。
まずは1998年まで採用していた山梨交通オリジナル塗装デザインな純正ボディいすゞLV。「
1993年に全国の民営路線バスで初めて導入された車椅子用リフト付大型車 」の1台です。
社番:C746.PJ-LV234L1改(06年車)。2018年2月に記録。
本文に「
環境面に貢献できる低公害車の導入には積極的に取り組んできました 」とあるように、1998年から「
CNG車を率先して導入 」し「
最多の時期には34台」が在籍していた山梨交通。「
しかし燃料ボンベの使用年限規制(製造から15年) 」から結果的に「ディーゼル車よりも短い車齢15年未満での廃車 」となりました。画像の車両は「
1台のみ在籍する大型CNGノンステップバス 」。
社番:C841.SKG-LR290J2(16年車)。2018年2月に記録。
現行ボディのいすゞLRも在籍しています。一部の車両は東京オリンピック・パラリンピック記念ナンバープレートへの付け替えが行われており、画像の車両もそんな1台。
社番:C770.PDG-LR234J2(09年車)。2018年2月に記録。
不採算路線の廃止代替バスをはじめ、現在は「
山梨交通の一般路線車両の約半分の管理受託 」を行っている山交タウンコーチ。在籍車両は基本的に山梨交通と同じで社名表記が異なる程度。「
昨今のような乗務員不足の環境では別会社のデメリットが目立つように 」なってきたことから、「
バス事業に関しては再統合 」も検討しているとのこと。画像の車両は09年導入のいすゞLRノンステップ車で、塗装は国際興業で1990年代後半から短い間採用した若干丸みのある帯デザインで、山梨交通では本家国際興業より遅くまで採用していました。
社番:C705.KL-LV774R2(02年車)。2017年11月に記録。
続いて「バス事業の重要な柱 」という高速バスの車両から、いすゞガーラ自社発注車。かつて中央高速バスの主力であったスーパークルーザーは既に引退し、このあたりの車両が古参格となる模様。
社番:C765.PKG-RU1ESAJ(08年車)。2017年11月に記録。
モデルチェンジしたガーラは06年より導入開始。高速車の塗装は貸切車と共通で「
国際興業に準じた白地に紺のデザイン 」を採用しています。
社番:C811.KL-LV774R2(02年車)。2018年2月に記録。
高速車も「
近年、移籍車での代替が進められている 」山梨交通。画像のガーラは国際興業からの移籍車。国際興業高速バス塗装に加え、側面の独特な社名ロゴなどが特徴。
連載は、「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事のほか、前号からスタートした短期連載の「ここまで来たバスのAMT化」では日野自動車を取り上げています。
次号予告は、バス事業者訪問、ここまできたバスのAMT化②、2017年度スーパーハイデッカー・2017年度下期ノンステップバス採用実績、トヨタコースターの製造現場を訪ねて、詳細・オノエンスターはこんなバス ほかとのこと。事業者訪問は久しぶりに非公開。例年の傾向から降雪地域ではない事業者ということしか予想出来ず。公式ブログをチェックしなければ・・・。
なお、本文中の「
斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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