バスに関する書籍を買ったら、感想めいたものをブログに書くシリーズ。おなじみのBJハンドブックシリーズからですが、そういえば前作の『名鉄バス』は書いていなかったような。手持ち画像確保だ何だと考えているだけで、名古屋方面に行かないまま・・・。
とりあえず今回は5月刊行の『BJハンドブックシリーズS98 小田急バス 立川バス』です。
社番:08-E9296.PKG-LV234L2(08年車)。2018年5月に記録。
BJハンドブックシリーズでは3作目となる小田急バスと立川バスのセット掲載。前作は2008年に刊行したR65ですから、刊行のタイミング的にはちょうど良いところでしょうか。
本作の掲載事業者はタイトルの小田急バスと立川バスに加え、分離子会社の小田急シティバス・シティバス立川となっており、2018年2月1日現在の在籍車両をもとに編集しています。
内容は、安定の車両編・歴史編・紀行編というおなじみの3部構成。「終点の構図」は小田急バスの向原。てっきり停留所名のインパクトから「上平尾区画整理」を予想してましたが、外れでした。紀行編は「武蔵野の冬景色」と題し、1日目に小田急バス・2日目に立川バス、それぞれの乗り歩きルポとなっています。
さて、BJハンドブックシリーズの肝といえる車両編の掲載写真ですが、本作も粗い&コントラストの調整がイマイチで側面窓の形状などがほとんど分からない写真も少なくありません。連載を担当している『バスマガジン』の事業者紹介の掲載写真にここまでひどいものは無いので、データのやり取りなのか紙質・印刷の問題でしょうか?そろそろなんとかしてほしいものです。
そんな車両編ですが、掲載の在籍車両リストを見ると前作時点での新車が中堅から古参格になろうかという状況。小田急バスは2010年にコミュニティバス車両などを除き全車ノンステップ化を達成。メーカーの販売モデルの整理もあり、車種の統一化が進んでいることを実感。
歴史編は前作掲載分をベースに、近年部分を中心に加筆・修正しまとめています。
感想めいたものはこのくらいにして、小生手持ち画像を中心に並べていきます。なお、本文中の「
斜字 」部分は本作からの引用部分、型式・年式は掲載の車両リストを参照しました。
<小田急バス>
社番:06-E9143.PJ-LV234L1(06年車)。2018年5月に記録。
まずは、「
一般路線車はいすゞ製が8割近くを占め、ノンステップバスに統一されている 」小田急バス。なかでも画像の06年式のPJ規制車なLVは80台近く在籍しています。小田急バスは年式により導入台数にだいぶバラつきがあり、将来的な代替がどのようになるのか気になるところです。
社番:16-F9374.QDG-LV290N1(16年車)。2018年5月に記録。
近年の導入車は東日本の事業者では珍しい後輪カバーを装備していますが、本文中にこれといった説明は見当たらず。本作は掲載写真をはじめ、いろいろひっかかるところが少なくありません。
社番:16-F6091.QKG-MP38FK(16年車)。2018年5月に記録。
「
一般路線車はいすゞ製が8割近くを占め 」ているとはいえ、三菱ふそう車もそれなりの台数が在籍しています。台数にここまで大きな差が出たのは、リコール問題からの買い控えや2000年代後半に販売したUDのOEM車な西工ボディのAAを採用しなかったため。
純正ボディのMPノンステップ車販売後は導入を再開しており、 現行マスクにモデルチェンジした車両も順当に登場しています。
社番:F1020.BKG-MS96JP(10年車)。2018年5月に記録。
小田急バスのシンボルマークといえる犬のマーク。「
貸切車と高速車 」の側面には立派な犬のレリーフを装備しています。画像の車両は町田営業所に所属する三菱ふそうMS空港高速車で、東京オリンピック・パラリンピック記念ナンバープレートを装着。貸切車、空港高速車、昼行高速車は「
96年に採用された小田急グループ貸切カラー 」を採用しています。
社番:2006.2RG-RU1ESDA(18年車)。2018年4月に記録。
高速車は長らく「
三菱製に統一されていたが、13年から日野製が加わった 」小田急バス。コンスタントに導入が続いており、画像の車両は小田急シティバスに今年登場した平成28年排出ガス規制(ポストポスト新長期規制)適合車なセレガ昼行高速車。いすゞで買っても同じボディになるのですが、そうしないところに何か深い理由があるのかも。
社番:5206.PJ-MS86JP(06年車)。2018年5月に記録。
貸切車は「
千位と百位で乗客定員を示す社番を付番 」を採用。もっとも、画像のエアロクィーンⅠな三菱ふそうMSは「
貸切転用高速車 」となっていますが。
<立川バス>
社番:J762.LKG-LV234L3(11年車)。2018年5月に記録。
続いては立川バスの車両画像。塗装デザインは小田急バスと基本的にほぼ同じものを採用していますが、かつては都内の事業者では珍しく前後扉仕様を採用しており、前後扉の小田急バス?と思っていた幼少の頃の思い出。近年は側面の行先表示を戸袋窓部に設置するなど、小田急バスと色は同じでも使い勝手にあわせた独自仕様を採用しています。
一般乗合車は画像のいすゞLVなどのノンステップ車を中心としながら、路線に合わせた車両も在籍しておりバラエティに富んでいます。
社番:J934.KL-MP37JK(03年車)。2018年5月に記録。
立川駅周辺の路線を担当する上水営業所にいすゞ車が多く配置されているため気付きにくいですが、実は在籍車両「
全体の5割が三菱車 」という立川バス。MPノンステップ車。
社番:J960.PJ-MP35JK(07年車)。2018年5月に記録。
立川バスではワンステップバスも在籍しており、画像の短尺車は「
道路条件の良くない路線に使用 」しています。
社番:H963.PKG-AA274KAN(08年車)。2018年5月に記録。
小田急バスは導入しなかったAAも、立川バスは07~10年にかけまとまった台数導入しています。そのうち画像の1台は2013年から「リラックマバス1号車(二代目)」となっています。「リラックマバス」はそれぞれ異なる車種にラッピングを施すというこだわりようで現在「
一般路線車4台、高速車1台が活躍中 」です。ちなみに前面部分は2017年秋頃から社章をデザインした姿に変わっています。
社番:J823.QKG-MP38FK(17年車)。2017年12月に記録。
掲載のリストによるとQKG規制車となっている画像の車両。登録番号からの推測や『バスラマインターナショナル』掲載の「ノンステップバス採用実績」から平成28年排出ガス規制(ポストポスト新長期規制)適合車ではないかと・・・。デンソークーラーであれば屋根状機器形状の変化で分かるのですが、立川バスは三菱重工クーラーを継続採用。はっきりしたことは車検証を見ないと分かりません。
社番:H782.2018年5月に記録。
本作は2018年2月1日現在の在籍車両をもとにしているため、年度末に登場した画像のいすゞLVは未掲載となっています。年度末に新車導入する事業者は少なくないだけに、刊行タイミングの決定には割り切りも必要ですね。
社番:J717.KC-LV380L(98年車)。2017年12月に記録したものを再掲。
立川バスといえば、マニア的に有名なのが富士7Eボディ架装のいすゞLVツーステップ車。登場から20年を迎えていることから、2000年刊行の『BJニューハンドブックシリーズNo.31 小田急バス・立川バス』にも掲載があることになります。BJハンドブックシリーズで過去3冊に掲載された車両は、ボンネットバスなどの動態保存車を除けば初でしょうか。いよいよ残り1台となり、「
今後の去就が注目されている 」状況となっています。
社番:2404.2TG-RU1ASDA(17年車)。2018年5月に記録。
高速バスは分離子会社のシティバス立川により羽田・成田への空港リムジンバスのほか、長野県飯田への昼行路線を運行中。高速車は三菱ふそう車の牙城となってきましたが、近年は小田急バス同様に日野セレガも導入しています。画像の車両は2017年に登場した日野セレガ高速車の新鋭車で、行先表示はカラーLEDを採用。
次回刊行はBJハンドブックシリーズ初登場となる「小湊バス 九十九里バス」。本作に続き資本関係のある2社がセットで取り上げられるようです。
九十九里鉄道のバスはBJエディターズが過去編集を担当した『僕たちの大好きな鉄バスたち』で取り上げられたくらいなので、正直意外な事業者選定。とりあえず小生は千葉駅前へ出かけることになりそうです。
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