2018年もいろいろありましたが、小生が振り返るのはちと早い。というわけで、月末恒例バス雑誌の感想という名の、平成最後の年末感。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル171号』です。
特集と銘打ったものは無い今号。事業者訪問と11月に開催した「第4回バステクin首都圏」の話題を中心とした様々なレポート記事が中心となっています。
レポートで気になった記事は、10月に開業した那覇バスターミナルについて。関係者へのインタビューのほか、地下駐機場にあるという旧ターミナルゆかりのベンチなどを紹介。開業したターミナルは実際に見てみないとなんともいえませんが、「従来のバス利用者向けのターミナルから人々の集う街 」に変貌したのは間違い有りません。ただ、マニア的には旧ターミナルのようにゆったりとバスを眺めることができなくなったことは残念です。
また、10月にヘッドライト周りをマイナーチェンジした三菱ふそうローザについてはトピックスで取り上げています。
事業者訪問は初登場となる「江ノ島電鉄・江ノ電バス横浜・江ノ電バス藤沢」。バス事業は数年前に分社した印象だったので、江ノ島電鉄が出てくることに違和感を覚えましたが、鉄道よりも「
バスが屋台骨 」となっているという事業構成から、「
本社機能は引き続き本体で、現業部門を藤沢と横浜の2社 」体制がとられていると知り納得。記事では分社した横浜と藤沢で制服が異なる点には触れられていませんが、内部ではいろいろとあるのでしょう。
記事では、一般路線バス、貸切、高速路線それぞれについて現況を詳しくまとめていますが、都市間高速バスに参入した経緯は特に書かれていなかったのが残念。車両アルバムは、保有台数にしてはバリエーション豊かな車種を7ページにびっちり紹介しています。また、過去の写真を中心とした「アーカイブス」も4ページにわたって掲載。例年であれば『年鑑バスラマ』の歴史編にまわされてしまいそうな分量です。
ここからは、いつものように手持ちの江ノ電バスの画像を並べていきます。交通安全の涎掛けが取り付けられる前にあわてて出かけたため、江ノ電バス藤沢の車両ばかりであることをあらかじめお断りしておきます。
社番:242.QKG-MP35FP(15年車)。2018年12月に記録。
江ノ電バスの社番は頭数字で営業所や用途をあらわし、頭数字「2」は江ノ電バス横浜の鎌倉営業所所属車両となります。
さて、メーカー別で最も多く在籍しているのが三菱ふそう車。「
2015年までは路線環境などに」応じてノンステップバスとワンステップバスを並行して採用 」してきた江ノ電バス。なかでも「
鎌倉営業所は戸塚駅などを発着する多客路線を多く抱えることから、ホイールベース6mの三菱ふそう長尺ワンステップバス 」が「
21台在籍しています 」。画像の現行マスクのMPは今のところP尺サイズ最終導入グループとなる15年導入車のうちの1台。
社番:151.KL-MP35JM(03年車)。2018年12月記録。
転属で横浜ナンバーから湘南ナンバーへ変更し、比較的新しい登録番号となっていますが、古参格となる03年導入のMPワンステップ車。江ノ電バスの社番は転属などによって変わり、ナンバープレートの変更も伴う転属となると相当詳しくなければ分かりません。
「
江ノ電バスでは2018年11月から2019年3月にかけて2018年度乗合新車の導入を進めており 」、KL規制車のMPワンステップ車は「
台数を減らしつつある 」とのこと。
社番:152.KL-UA452KAN(04年車)。2018年12月記録。
江ノ電のバスといえば、UD車を長らく愛用してきた事業者。UDが国内バス製造・販売から撤退した現在もまだまだ存在感があります。そんなUD車ですが、画像のUAワンステップ車は「
湘南に4台配置される 」だけの少数派。
社番:104.KL-RP252GAN(04年車)。2018年12月記録。
UAが少ないのは、2002年から2004年にかけて湘南ナンバーの営業所に「
大型9mクラスのワンステップバス 」をメインに導入したため。画像は西工ボディのRPですが、既に一部の車両が代替により姿を消しています。
ちなみに湘南営業所は藤沢・手広営業所の統合により誕生したこともあり、社番の頭数字「1・5・6・7・8・9」が在籍しています。
社番:108.PK-JP360NAN(06年車)。2018年12月記録。
大型9mサイズのRPに変わり、2005年から2008年には中型幅10.5mサイズノンステップ車を導入。画像の車両は「
2002~2006年式の一般路線車6台 」のみ在籍する「
江ノ電創業100周年を記念した記念デザイン車 」となっています。
社番:523.PDG-JP820NAN(08年車)。2018年12月記録。
08年導入のJPは三菱ふそうのエンジンを搭載したPDG規制車となります。
社番の頭数字「5」は旧手広営業所所属車両、湘南誕生後は「1」をメインにしているようなので、徐々に数を減らしている状況。
社番:543.KL-RP252GAN(02年車)。2018年12月記録。
江ノ電といえば富士重工ボディを愛用した事業者としても知られていますが、いよいよ「
2002年式3台 」のRPワンステップ車を残すのみ。「
2018年度新車の導入で去就が注目される 」ということですが、画像の車両は看板広告が取り外されており・・・という状態でした。ちなみに「
富士重工が最後に生産した路線バス 」は江ノ電バスが03年導入したRPですが、「
そのグループは既に引退している 」とのこと。江ノ電バスの代替は一概に年式順というわけではない模様。
社番:114.2DG-LV290N2(18年車)。2018年12月記録。
UDの国内バス製造販売撤退により、「
湘南営業所の新車は主にいすゞと日野が選ばれている 」状況。湘南営業所の新車は「路線環境や輸送量を踏まえてホイールベース5.3mの短尺車 」を採用しています。画像の車両は11月下旬に登場したばかりのいすゞLV。いすゞ車は江ノ電バスで最も少ない状況。
社番:132.QDG-KV290N1(17年車)。2018年12月記録。
いすゞ車よりほぼ倍の台数在籍している日野車ですが、「
大部分は小型車で大型車は6台のみ 」という状況。画像の車両はフルカラーLED行先表示を装備していますが、江ノ電バスは系統番号を採用していないため、波の絵をカラー表示。少々もったいない使い方です。
社番:911.SDG-HX9JLBE(15年車)。2018年12月記録。
「
狭隘路線や需要の比較的少ない路線に使用 」している小型車。湘南営業所の配置車両は社番頭数字「9」を採用。江ノ電バスグループで小型車31台中30台が「
ノンステップの日野ポンチョ・ロングAT車 」となっています。
社番:802.KL-MS86MS(01年車)。2018年12月記録。
社番:803.KL-MS86MS(01年車)。2018年12月記録。
空港リムジン車や都市間高速車、定期観光車の社番頭数字は「8」。
大船駅を経由し藤沢駅と羽田空港を結ぶ空港リムジンバスは経路に車高制限箇所が存在したため、ハイデッカー車の採用が長らく出来ませんでした。画像は2台在籍する01年導入の三菱ふそうエアロバス・スタンダードデッカーで、小田急グループ共通貸切塗装デザインとなっています。車高制限箇所は現在無くなった事もあり、「
近々引退が予定されている 」とのこと。前後で車両が異なり失礼します。
社番:806.PKG-RA274TAN(10年車)。2018年12月記録。
07~10年は「
路線系の6.5mシャーシーに西工E-Ⅱ型ボディを架装 」したタイプを空港リムジン車に採用。画像車両は最終導入となる10年車で、独特なヘッドライト周りが特徴。
なお、都市間高速車と空港リムジン車は現在緑メタリック/クリームを採用しています。
社番:821.PKG-RA274TAN改(07年車)。2018年12月記録。
鎌倉を巡る定期観光バス「しずか号」の専用車。「
路線系では最長尺のホイールベース6.5mシャーシーに、関東地方では珍しい西工E-Ⅲ型ボデーを組み合わせる 」ハイデッカー車です。
定期観光車はかつてマイクロバスも含め複数在籍していましたが、現在はこの車両のみ。
ちなみに純粋な貸切車の社番頭数字は「7」となっています。
連載は、「新 バスドライバーのひとりごと」と海外記事となっています。
次号予告は、バス事業者訪問が大阪シティバス、東京都交通局のスカニアフルフラットノンステップバス、貸切バスの安全装備、ほかとのこと。大阪市交通局の路線バスを引き継ぎ、日本有数のバス事業者となった大阪シティバスが登場。2019年はまず大阪に行くことになるのか・・・という独り言。
これまで12月に刊行してきた『年鑑バスラマ』が2019年版から1月末発売に変更。「
内容もますます充実 」とのことですから、歴史編のテコ入れを期待しております。
なお、本文中の「
斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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