忍者ブログ

バスラマ 172号

プロ野球のキャンプが始まる2月、今年も秋まで勝敗結果に一喜一憂することになりそうです。
というわけで、月末恒例のバス雑誌の感想という名の順位予想。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル 172号』です。
  
特集と銘打ったものは無い今号のバスラマ。バラエティに富んだレポート・トピックス記事と、事業者訪問がメインとなっています。

巻頭は2月刊行号恒例となった前年の「バスラマ賞」発表と関連記事。2018年、第22回のバスラマ賞を受賞したのは「東京都交通局のフルフラットバス」。フルフラットバスの「企画から運行開始までの経緯 」をメインに今後の展開についてなど東京都交通局の担当者へのインタビューを基に幅広く紹介しています。東京都交通局ではフルフラットバスを29台輸入していますが、現時点で動いているのは「整備のため一時期運休 」していたこともあった1台のみ。「年度内の全車運行開始を目指して、各部の最終調整を進めている 」ということですが、「車体寸法が11mで、都営バスの標準である国産の短尺車よりも60cm近く長く、最小回転半径が大きくなるため、転回スペースなどを考慮する必要があります 」というコメントもあり、年度内の全車運行は難しそうな印象。 
 
三菱ふそうが2月21日に発表した「改良を加えたMS06シリーズ2019年モデル 」についても紹介しています。新たに採用した装備を中心にまとめた2ページの速報的記事で、「技術や試乗フィーリングなどは次号で詳解したい 」とのこと。ヘッドライト周りも変更していますが、実車を見てみないとなんとも・・・。

トピックス記事では西鉄高速車の新デザイン登場の話題も掲載。

3150 3150

社番:3150.QTG-MS96VP(17年車)。2019年1月記録。
今回の高速車の塗装変更は西日本鉄道創立110周年を記念して行われ、「デザインコンセプトは「HARMONY」 」。帯や色にいろいろな理由がこめられているデザインとなっており、「従来の2種類の高速バスのデザインを置き換え、将来的に九州内の全路線に波及する予定 」とのこと。新デザインの第一号車となったのが画像の車両で、「設立記念日の12月17日から福岡-熊本線で運行を開始 」しました。
事業者訪問は名鉄グループの豊橋鉄道からの事業分社「豊鉄バス/豊鉄観光バス」。愛知県豊橋市内をはじめとした東三河地区に展開している事業者で、前回の掲載は豊橋鉄道直営時代だった94年刊行の22号以来。バスラマでは25年ぶりとかなり久々の登場となりますが、趣味誌全体では2016年1月刊行の『バスマガジン 75号』で取り上げられています。
記事は豊鉄バスの現況を中心に、在籍車両アルバムなど手堅い造りでまとめています。

ここからは、いつものように手持ちの豊鉄バス画像をいくつか並べていきますが、前号予告では大阪シティバスとなっていたので、あわてて豊橋へ出かけました。バスマガジンに続いてバスラマも掲載事業者が変更になるとは・・・。

 

車番:152.KC-MP747K(99年車)。2019年2月記録。
在籍車両は「三菱ふそうで統一 」している豊鉄バス。一般乗合車は「需要環境を反映してダウンサイジングが目立ってきた 」状況です。
まずは古参格となるKC規制車のMPノンステップ車。中扉はグライドスライド、「リヤタイヤハウス上部にはオリジナルの後向きシートを装備する 」など初期ノンステップ車という仕様となっています。
ちなみに車番の100の位は1989年から2007年まで和暦、2008年以降は「西暦末尾 」となっています。頭数字が同じ場合、「2~3桁目は重複を避けるためナンバリング 」しています。

 

車番:387.QKG-MP35FM(13年車)。2019年2月記録。
大型車は05年以降ワンステップを導入しており、M尺車がメイン。「また2007年以降は希望ナンバー制を活用して登録番号と車番と一致させて 」います。
一般乗合車の塗装は「緑の濃淡でエコを謳うグリーンバスカラーが標準 」のデザインです。



車番:434.QKG-MP35FM(14年車)。2019年2月記録。
渥美半島の菜の花をイメージした全面ラッピングバス「菜の花号」は「豊橋ー伊良湖岬などの渥美半島幹線で運行 」しています。



車番:831.2KG-MP35FM(18年車)。2019年2月記録。
18年導入車は白色LEDを装備しています。現在MPはデンソー製クーラーの採用が主流となっていますが、豊鉄バスは三菱重工製クーラーを引き続き採用しています。



社番:833.2KG-MP35FK(18年車)。2019年2月記録。
18年はK尺のMPも導入。近年の新車導入により「機動性と収容力などで使い勝手がよい車両として愛用 」していた「大型車幅で短尺のMM」は姿を消しました。
 
 

社番:554.KK-MJ27HL(03年車)。2019年2月記録。
中型車はノンステップ車をメインに導入。三菱ふそうは中型ノンステップ車を当初横置きエンジンのMJで販売していたこともあり、豊鉄バスではそれなりの台数が在籍しています。

 

社番:666.KK-MK27HM(04年車)。2019年2月記録。
中型幅10.5mサイズのノンステップバスは名鉄バスからの移籍車。塗装は名鉄時代のままで運行中。



社番:851.PA-MK25FJ(06年車)。2019年2月記録。
同じく名鉄共通デザイン塗装のMKは生え抜きのワンステップ車。この頃「グループ会社での仕様の標準化とコストダウンをねらって名鉄カラー 」を採用した車両が登場しました。
名鉄カラーの車両は現在「フルラッピング車両が多く、赤白塗装は目立たなくなってきた 」状況です。
 


社番:861.PA-MK27FH(06年車)。2019年2月記録。
先ほど並べた名鉄カラーで登場したMKと同時期導入のノンステップ車。すぐに豊鉄オリジナル塗装のグリーンバスに戻ったことが分かります。
現在三菱ふそうは中型乗合車モデルを販売していませんので、今後は他メーカーの車両を導入することになるのか気になるところ。


 
豊橋200か320.2019年2月記録。
豊橋鉄道グループのバス事業者には「中小型貸切車を保有し、一部のコミュニティバスの運行 」も担う豊鉄ミディもありますが、本文中の説明だけで巻末の「在籍車両一覧」に掲載はありません。せっかくなので1台画像を並べておきます。
一部の路線を豊鉄ミディが担当している田原市コミュニティバス「ぐるりんバス」の日野HXロング車。

連載は、「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事などおなじみのものに加え、今号から2つの新連載が始まりました。
1つ目は「バリアフリー対応バスの普及発展に向けた情報提供にしたい 」ということでスタートする「バリアフリー対応バスの系譜をたどる」と題した短期連載。第1回はシティバスの乗降性改善1として、1970年代以降「2ステップ時代の低床化」の動きや「事業者が特注したノンステップバスとワンステップバス 」、「大都市公営バスのバリアフリー対応 」として登場した「都市型超低床バス」などを取り上げています。
「都市型超低床バス」は、東京都交通局が「独自の基準によるワンステップバスの開発を大型4社に依頼 」によって誕生したモデルです。のちに三菱ふそう・いすゞ・日野3社が市販化しましたが、「2ステップバスと比較して700~800万円高と非常に高額 」のため販売台数は限られました。しかも言いだしっぺの「東京都自身の採用台数が限られた上、1996年にはコスト高を理由に採用を終えてしまった 」こともあり、「メーカーは受注台数が見込めなくなり順次販売を中止した 」いきさつがあります。フルフラットバスが都市型超低床バスの二の舞とならないことを祈るばかりです。



熊本22か3016.2018年6月記録。
画像は熊本都市バスに在籍する日野の都市型超低床バスモデルで、当時の熊本市交通局が導入した車両。登場からだいぶ年数が経ったことから、都市型超低床バスの現役車両は残り僅かとなっています。

2つ目の新連載は、「私の知っているバス達」。日経新聞好評連載「私の履歴書」のバスラマ版といえる内容で、過去にメーカーや事業者の担当者による連載は書籍化もされています。今回からは編集長自らが筆をとり、ボンネットバスの思い出を秘蔵写真とともにまとめています。今後バスラマ誕生物語となっていくのか、非常に楽しみな連載です。

次号予告は、バス事業者訪問が関東バス、三菱ふそう新型エアロエースに乗る、岩手県交通の電気バス、バリアフリー対応バスの系譜をたどる②、 ほかとのこと。4月刊行号は昨年・一昨年と「春のオムニバス」と題した特集が続いていますが今年はどうなるでしょうか。また、関東バスの事業者訪問も相当久々となります。

なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

トラックバック

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
2
3 4 5 6 7 9
10 11 12 14 15 16
17 18 19 20 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最新コメント

[06/29 むちやま]
[05/11 えど]
[03/25 えど]
[03/12 えど]
[01/04 えど]

最新トラックバック

プロフィール

HN:
Mrジョソ
性別:
男性
職業:
会社員
趣味:
むかし話とバスでしょうか
自己紹介:
1つ目のブログを超える
辺境のブログ。

画像を大きめにした(だけ)の一方通行ブログ。

バーコード

ブログ内検索

P R