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バスラマ 178号

新型コロナウィルスの感染事例が全国的な広がりをみせ、これまでマラソンや集客イベントなどの自粛・取りやめが相次ぎ、サッカーJリーグは試合延期を決定。26日には「今後2週間の中止、延期、規模縮小などの対応を要請」した首相表明からの「小・中・高の春休みまでの休校要請」。春節のインバウンド旅行者が激減し、国内旅行者も取りやめ、さらには外出も控える流れとあってバス業界は相当大きなダメージを受けそうな予感。いったいどうなるのでしょうか。というわけで、月末恒例バス雑誌の感想という名の、オリンピック前に冷や水。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル178号』です。

巻頭は2月刊行号恒例となった前年の「バスラマ賞」の発表。2019年、第23回のバスラマ賞を受賞したのは「国産ハイブリッド連接バスの開発」と「IKEBUSの運行」。その国産ハイブリッド連接バスの1号車が横浜市交通局に納車されたことを速報的にまとめています。

特集は「2020 電気バス最新動向」と題し、西鉄に登場した大型電気バスなど電気バスの話題をひとまとめ。バスラマ賞を受賞した「IKEBUS」の記事もあり、区役所の地下にあるという車庫を訪問。「ワイパーの電力消費量が意外と大きく、雨に日には注意する 」といった、実際に運行を開始してから分かったことなども書かれています。
 


2020年2月記録。
小生もやっと乗車しましたが、静かなモーター音はさすが電気バス。とはいえ、時速19kmのスピードですからBルートの池袋大橋走行時はバスを先頭に数珠繋ぎとなっていましたが・・・。また、歩行者の非常に多い繁華街の循環バスのため、ドライバーさんの疲労度は相当なものではないかと思ったり。
 
日本全国各地のバスの話題を取り上げたレポート・トピックス記事の中で、小生的に気になったのが「熊本桜町バスターミナルとSAKURA MACHI Kumamoto」。「オープンから約半年の経過を待って現地を訪問 」した記事になりますが、施設概要をコンパクトにまとめています。オープン当初、出入口などの表示不足が指摘されましたが、「運営に当たる九州産交ランドマークによれば案内表示の改善は常時行っており、利便性を向上したいとしている 」とのこと。

交通センター今昔交通センター今昔

上が2015年6月、下が2019年11月にだいたい同じ場所で記録したもの。
小生は旧交通センター時代、乗り場ホームの移動は地下を主に使用していたこともあり、桜町バスターミナルも同じように地下へ下がってしまいますが、遠回りしてしまうこともしばしば。  
  
このほか、前号から引き続きベルギーの首都ブリュッセルで行われたバスワールド2019の展示から「各種サイズの電気バス、観光系の新型車、コンポーネントの中から、目を引くもの 」を紹介しています。
事業者訪問は03年刊行79号以来、通算3度目の訪問となる京都市交通局。「懸命の努力の結果、長年の赤字体質から脱して前向きの施策に転じ 」、「インバウンド旅客の急増による路線バスの混雑が話題を集めている 」までになった現在の京都市バスを掘り下げています。
記事では「観光のお客様と地元のお客様の、それぞれの需要 」に対し、どのような施策を行っているのかを中心に紹介しています。 
 
ということで、ここからは小生手持ちの京都市交通局のバス車両画像を並べていきます。本エントリで画像を並べるため、2月に京都へ出かけました。京都へは手持ちバス画像確保のためにしか出かけていませんね。市バス画像の確保を目的に出かけたのは、2015年末に刊行された今は無き『BUS Life Vol.3』のため以来でしょうか。
 
 

京都200か879.KL-LV280N1改(05年式)。2020年2月記録。
4メーカーの車種が在籍している京都市交通局。「近年は競争入札により導入車種が決まる 」こともあり、「車種別比率はいすゞ約45%、日野約27%、三菱ふそう約19%、日産ディーゼル約9% 」と偏りがあります。
まずは多数を占めるいすゞ車から、05年導入のN尺ノンステップ車。フルフラットノンステップ車をメインに採用してきたため、V8エンジン搭載のノンステップ車は05年導入車のみとなっています。
前面「左側視野拡大窓は京都市バスの特徴 」で、「純正ボデー・西工製を問わず、特別仕様 」となっています。



京都200か907.KL-HU2PMEE(05年式)。2020年2月記録。

 

京都200か901.KL-HU2PMEE(05年式)。2020年2月記録。
日野ブルーリボンシティのノンステップ車も在籍しており、「2002~2005年式計58台が第一線で稼動 」しています。後期導入車は外部からのドア開閉スイッチを設置するため、画像の車両のように視野確認窓の一部をカットした特別仕様となっています。



京都200か1516.PJ-KV234N1(07年車)。2020年2月記録。
いすゞ車と判別が難しいPJ規制車の日野KV。画像の純正ボディ車はデンソークーラーを装備。



京都200か1547.PJ-KV234N1(07年車)。2020年2月記録。
西工ボディ架装車も並行導入しており、こちらはサーモキングクーラーを装備。「いすゞLVと共通のシャーシーを持つ日野KVに、西工が架装した例は全国的にも珍しい 」とのこと。



京都200か1789.PDG-LV234L2(08年車)。2020年2月記録。



京都200か1969.PDG-LV234L2(08年車)。2020年2月記録。
在籍車両のほとんどがノンステップ車となっている京都市バスですが、烏丸には画像のいすゞLVのほか、日野KVのL尺ワンステップ車も少数在籍しています。
ちなみにノンステップ車でも、「烏丸、西賀茂など道路環境に制約のある営業所にはホイールベース4.8mクラスも採用 」しています。

 

京都200か2033.PDG-RA273MAN(09年車)。2020年2月記録。



京都200か2045.PDG-RA273MAN(09年車)。2020年2月記録。
2003~2009年式の大型ノンステップバス75台が在籍 」するだけとなったUD車。画像のM尺車のほか、短いK尺車も在籍。



京都200か1800.PDG-LV234N2改(08年車)。2020年2月記録。
公営バスですから環境対策もぬかりなし、「CNGバスは現在2006~2009年式12台が稼動するが、数年後には全車引退が見込まれる 」とのこと。タンクの検査期限があるので仕方ないとはいえ、高額車両が早々に引退するのはなんともいえません。ちなみに一般的な京都市バス車両の「使用年限は最長18年 」とのこと。



京都200か2653.LNG-HU8JMGP(13年車)。2020年2月記録。
2010年代前半に計59台が採用されたブルーリボンシティハイブリッド 」は、「機構上ATを搭載できない 」ため「京都市バスでは少数派のMT車 」となっています。
京都市バスは「表示レイアウトなどの多様性が高い多色刷りフィルムを用いた方向幕を長らく採用 」しており、「2014年には、多くの市バスが走る南北方向の6つの主要道路に応じて、各々異なる色のラインカラーを設定 」したことから、「フィルム式方向幕に戻された 」車両も見られました。
そんな中、画像の車両は「従来型(アンバー色)のLED式行先表示器 」を装備したままとなっています。



京都200か3676.2DG-LV290N2(19年車)。2020年2月記録。
モデルチェンジしたいすゞLVは2016年以降導入が続いています。
2019年導入車から「カラーLED式行先表示器を採用し、既存車にも装着を進めている 」状況。



京都200か3337.QDG-LV290N1(17年車)。2020年2月記録。
観光客対策として「2005年から100号系統の運行 」を開始。目立つ全面ラッピング車のほか、標準塗装車も「前面に「観光系統/SIGHTSEEING LINE」のマークを掲示 」しています。
京都駅と銀閣寺を結ぶ画像の100号系統は、混雑緩和に「一定の効果があったことから、2019年3月から同系統で前乗り先払いを開始 」しています。



京都200か3682.2DG-LV290N2(19年車)。2020年2月記録。
こちらは2019年に2台導入した「中扉以降の段上げ部の左側に大型の手荷物スペースを設置 」した車両。「京都市バスの車両アルバム」誌面に写真が掲載されていますので、ここでは後面側の画像を並べておきます。



京都200か3789.2020年2月記録。
2月時点で2020年導入車両も運行に入っていました。画像は三菱ふそうMPノンステップ車。08年に導入したAA以降、しばらく導入が無かった三菱ふそう車ですが、「烏丸には車庫の構造などを踏まえ、いすゞよりもホイールベースの短い 」という理由から16年以降MPの導入が続いています。



京都200か951.PA-LR234J1改(05年車)。2020年2月記録。
中型車・小型車は閑散路線や狭隘路線などに使用 」。中型車は画像の2005年に導入したPA規制のいすゞLRを最後に、「近年の新車導入はない 」状況。


 
京都200か3129.SDG-HX9JLBE(15年車)。2020年2月記録。
 

  
京都200か3124.SDG-HX9JLBE(15年車)。2020年2月記録。
2015年に開業した「京都岡崎ループ」は「1978年に全線廃止された市電をイメージした 」外装デザインを採用しています。「ワンマン車を示す朱帯を巻いた一般車両 」をモチーフとした画像の車両のほか、「1961年まで堀川線を運行したオープンデッキの“N電”をモチーフ 」にした赤系カラーの車両も在籍しています。


 
京都200か1513.PJ-KV234N1(07年車)。2020年2月記録。
特別塗装といえば、こんな車両も。市営交通100周年を記念し、2012年に登場した「デコレーションバス」。外装デザインは5種類あり、画像の車両は「竹取物語の「京・まち・むすめ」がモチーフ 」とのこと。「デコレーションバス」は「車内に沿線の小学生の絵などを掲示する「京ちゃんバス」 」となっています。  
  
連載は、「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事などおなじみの長期連載を掲載。
短期連載では編集長自らが筆をとった「私の知っているバス達」が最終回を迎え、「バスラマ創刊以降の数々の巡り会いから印象に残るいくつかをご紹介 」しています。

175号以来の掲載となった「バリアフリー対応バスの系譜をたどる」の第5回はメーカー再編に伴う車種の変動などとして、2000年代以降のバスメーカーの再編・富士重工と西日本車体という国内大手バスボデーメーカーの消滅などの話題を中心に、2006年3月に改定された2005年版標準仕様ノンステップバスの変更点について紹介しています。



熊本200か1155.2019年11月記録。
メーカー再編の流れで日野といすゞは製造部門をジェイ・バスに統合。「2004年からは同じ車型を両社が各々のブランドで販売するシステムが構築され 」、モデルの集約・削減が行われました。画像の車両はその一例、いすゞエルガJとして販売された10.5mサイズのHR。熊本都市バスに在籍する車両で、立川バスからの移籍車。中型幅10.5mサイズのノンステップバス需要が急減した結果、いすゞでの販売実績は僅かに終わりました。
 
次号予告は、春のオムニバス2020:2020年春に登場する話題のバスをご紹介、新型電気バス、バス事業者訪問ほかとのこと。 
「春のオムニバス」記事は4月刊行号恒例となったようです。 次の事業者訪問はまだ調整中の模様。手持ち画像がある事業者だと良いのですが。
 
なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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