思えば1年前は平成最後の日々を送っていましたが、まさか令和2年の4月は緊急事態宣言下の生活となるとは。とにかくCOVID-19の感染防止ということは分かりますが、妙な正義を振りかざす方が見られるのは残念なことです。というわけで、月末恒例バス雑誌の感想という名の、相互監視社会。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル179号』です。
今号の特集は4月刊行号恒例となった「春のオムニバス」。3月から4月にかけて登場した新車両や新路線など「全13テーマを22ページにわたって 」紹介しています。
いつもであれば記事に登場した車両、今回であれば京王バス東に登場したアストロメガや都営バスが新たに23台導入したトヨタSORAなど比較的近場のものは現物を拝みにいくところですが、知事の言うところの「ステイホーム週間」期間中ですから記事を読むだけにとどめておきます。
事業者訪問は「中日臨海バス」。「
臨海部の工業地帯における従業員送迎を中心に事業展開してきた事業者 」で、三重支店・京浜支店・大阪堺支店の「
3支店で271台のバスを運行 」しています。バス事業の始まりが旅館の無料送迎バスの縁からなど、なかなか興味深いエピソードが満載です。記事では支店毎の状況を中心に、安全教育やドライバーの健康管理についても取り上げています。また、ウィラーとの合弁で設立した高速バス運行事業者の「ベイラインエクスプレス」の安全対策についても紹介。
いつもなら手持ち画像を並べていくところですが、前号の予告に紹介が無く、かつ小生的に全くなじみのない事業者&外出自粛ということで2013年に記録したものを1枚。
川崎230う15.2013年2月記録。
前中扉仕様の日野KVは川崎駅前で記録したもの。在籍車両一覧に上記の登録番号の車両は掲載無し。既に代替となったのかもしれません。
ちなみに側面窓の濃色ガラスは京浜支店の特別仕様のひとつでしたが、木目調床材などとあわせ「
近年の全社的な標準仕様 」となっているとのこと。
連載は、「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事などおなじみの長期連載。
また、次号で創刊30周年を迎えることから記念インタビュー記事の掲載をスタート。今号は第1弾として日野自動車の代表取締役にインタビューしています。
「バリアフリー対応バスの系譜をたどる」の第6回はここ10年間のシティバスの変化などとして、2010年代のモデルチェンジで本格採用となった車椅子乗降用の反転式スロープの話題や2015年7月に施行された2015年版標準仕様ノンステップバスの変更点について紹介しています。
社番:A8-834.2PG-MP38FK(18年車)。2019年1月に記録したものを再掲。
「2015年版標準仕様ノンステップバス」は、新たに「
ベビーカーを折り畳まず乗車できるスペース 」=フリースペースを設けることとなりました。「
フリースペースにはベビーカーを折り畳まず使用できることを示すピクトグラムを貼付する 」ことになり、前面の行先表示横にもこのピクトグラムが貼られるようになりました。
また近年の動向として、燃料電池バスや都営バスが導入したフルフラットバス、連接バスのバリアフリー状況もまとめています。記事の最後に「
シティバス編終わり 」とあるので、連載はまだまだ続くようです。
このほか、4月発売号恒例の「スーパーハイデッカー・低公害バス・ノンステップバス」の採用実績も掲載。2019年度に登場したスーパーハイデッカーはダブルデッカーのアストロメガを含んで87台。前年度の187台から100台の減少となりました。東日本震災の影響があった2012年度とほぼ同じ導入台数です。2020年度は間違いなくさらに落ち込むでしょうから、いよいよスーパーハイデッカーの存在が危ぶまれることになるかもしれません。
ノンステップバスは2019年度下半期(2019年9月~2020年3月)に登録された車両を掲載。『年鑑バスラマ 2019→2020』に掲載された2019年度上半期の一覧同様、「
三菱ふそうの車両は調査中で網羅はされていない 」とのこと。せっかく長く続けてきた集計ですから、なんとかリストを完成してほしいものです。
社番4931.2SG-HL2ANBP(19年車)。2020年2月記録。
ここでは2019年度下半期導入車から、相鉄バスに登場した日野ブルーリボンハイブリッド。相鉄バスがハイブリッド車をまとめて10台も導入するとは・・・。
次号予告は、創刊30周年記念号:記念インタビュー②、バス事業者訪問は北海道北見バスと網走バス、 ほかとのこと。 北海道の事業者訪問の取材が出来るような状況になっていることを祈るばかりです。
なお、本文中の「
斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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