バスに関する書籍を買ったら感想めいたものをブログに書くシリーズ。
今回は9月下旬に刊行となった『BJハンドブックシリーズV104 阪急バス』です。もともと春頃の刊行がアナウンスされていましたが、新型コロナウィルス禍の影響で取材が出来ず、だいぶ遅くなったようです。
社番:717.PJ-LV234N1(06年車)。2020年10月記録。
BJハンドブックシリーズでは2009年に刊行したR68以来、2作目となる阪急バス。前作の時点で新車だった車両が、本作では古参格となっており、刊行のタイミングとしてはちょうど良いくらいといえそうです。バスを模した表紙には、前作で無かった阪急バスの社章もしっかり表現しており、瑣末なことではありますが大きな進化といえます。
掲載事業者はタイトルとなっている阪急バスに加え、貸切分社の阪急観光バスとグループ事業者の大阪空港交通の2社。2020年6月1日現在の在籍車両をもとに編集しています。ちなみに前作掲載の子会社、阪急田園バスは昨年阪急バス本体への吸収合併で姿を消しています。
内容は、車両編・歴史編・紀行編というおなじみの3部構成。「終点の構図」は京都府京都市西京区の「善峯寺」。紀行編は「阪急バスがつなぐ夏模様 5つの街の『西方見聞録』」と題し、池田・西宮・有馬・名塩・宝塚をめぐる乗り歩きルポとなっています。
車両編では、概要に書かれていますが「
かつて大半を占めていた三菱車の比率が高いものの、近年は一般路線用のいすゞ車、高速・貸切用の日野車が増えている 」という、現在の阪急バスの状況をまとめています。こんなことを書くのはどうかと思いますが、ここ数作の掲載写真は商業作品として論外な画質でしたが、本作は側面窓形状が分かるレベルになっています。
歴史編は前作掲載分をベースに、近年部分を加筆・修正しています。前作時点では子会社への管理受委託を熱心に行っている流れでしたが、それが一転して本体に統合となるのですから、時代の流れというか、未来がどうなるか分かりません。
さて、このエントリを書くため昨年から京セラドームでの野球観戦前にチマチマと阪急バスの画像を記録してきました。新型コロナウィルスの影響があったとはいえ、バスラマの事業者訪問と同じ時期に刊行されるとは思いませんでしたが。感想めいたものはこのくらいにして、小生手持ち画像を大量に並べていきます。なお、本文中の「
斜字 」部分は本作からの引用部分、型式・年式は掲載の現有車両一覧表を参照しました。
社番:2926.PKG-MP35UM(09年車)。2020年10月記録。
まずは記録できた大型乗合車をメーカー毎に並べていきます。
阪急バスで最も多く在籍し、社番2000・3000番台となる三菱ふそう車から、UD製エンジンを搭載したPKG規制車のMPノンステップ車。三菱ふそうはこの当時大型ノンステップ車をUDからのOEM車となるAAを販売していましたが、MFBM製ボディのノンステップ車を求める要望の高まりからワンステップバスの改造型式として製造を再開しました。このため、ノンステップ車ですがワンステップ車と同じ型式となっています。
ただ、阪急バスは西工ボディ架装の三菱ふそう車を愛用していたので、AAを導入しなかったのは不思議ですが。
社番:2954.PKG-MP35UM(10年車)。2020年10月記録。
こちらはPKG規制車のワンステップ車。阪急バスでは「
路線環境に合わせて中尺と短尺、ノンステップとワンステップを選択 」しています。 また、09年の途中から遮光性の高い着色ガラスを採用しています。
社番:3042.QKG-MP37FM(13年車)。2020年10月記録。
MP37のノンステップ車でQKG規制車は、12~14年にかけて導入。
現在の一般乗合車の塗装デザインは78年から採用しています。
社番:3190.2KG-MP38FK(18年車)。2019年9月記録。
ヘッドライト周りをモデルチェンジしたMPは14年後半から導入を開始し、いまや主力的存在となっています。画像の車両は京都ナンバーの短尺ノンステップ車。
社番:275.PJ-KV234N1(07年車)。2020年10月記録。
続いては社番100・200・1000番台の日野車から、採用事例に偏りが見られる西工ボディ架装のKV。阪急バスではKVを05年から導入していますが、07~08年にかけて西工ボディ架装車をまとまった台数導入しました。07年に導入した西工ボディ架装のKVは全車ワンステップ車で、クーラーはデンソーではなく、当時導入していたいすゞLVと同じくサーモキング製を搭載しています。
社番:1003.PKG-KV234N2(08年車)。2020年10月記録。
08年後半から再び純正ジェイバスボディ架装となります。1つ目ヘッドライトとなったPKG規制車のKVで、中尺ワンステップ車。
社番:1004.PKG-KV234N2(08年車)。2020年10月記録。
こちらは中尺ノンステップ車。
社番:1030.BJG-HU8JLFP(10年車)。2019年9月記録。
少ないながらも、「
断続的に導入している 」ハイブリッドノンステップバス。塗装はCNGバスなど低公害車で採用した白色ベースの専用デザインを採用しています。
社番:718.PJ-LV234N1(06年車)。2020年10月記録。
いすゞ車は社番600・700・7000番台を採用。07年あたりの導入車まで、西工ボディ架装をメインにしていました。ワンステップ車・ノンステップ車の両方を導入しており、画像は06年導入のワンステップ車です。
社番:762.PKG-LV234N2(08年車)。2020年10月記録。
08年以降はジェイバス純正ボディ架装車がメインとなります。中尺のワンステップ車。
社番:7069.QKG-LV234L3(15年車)。2019年9月記録。
こちらは短尺ノンステップ車。いすゞ車は11年以降導入台数が増えていきます。
社番:7093.QDG-LV290N1(17年車)。2019年9月記録。
現行ボディにモデルチェンジしたLVは16年から導入を開始。モデルチェンジによりN尺の車長は短い方になります。
社番:7111.2PG-LV290Q2(18年車)。2020年10月記録。
こちらは長いQ尺車。燃料タンクは基本的にメーカー標準の左側設置を採用していますが、画像の車両は右側燃料タンクを採用しています。
社番:495.PK-JP360NAN(07年車)。2020年7月記録に記録したものを再掲。
UD車の社番は400と4000番台。代替が進んでおり、在籍車両の半数近くが中型幅10.5mサイズのJPとなっています。画像は07年導入のノンステップ車で、加島線運行最終日の模様。
社番:706.PJ-LV234N1(06年車)。2020年10月記録。
特別塗装・ラッピング車も記録できたので、まとめて並べていきます。
「
創立85周年を記念して復刻された70年代以前の路線車カラー 」となっているLVワンステップ車。復刻塗装車は1台のみで、「
千里営業所の所管路線で活躍 」しています。
社番:3122.(06年車)。2020年10月記録。
こちらは2017年に登場した「阪急バス創立90周年記念ラッピングバス」。
往年の車両をイラストでデザインしていますが、マニアックな車両をチョイスしているところがポイントです。
社番:7141.2DG-LV290N3(20年車)。2020年10月記録。
2020年7月に登場したばかりのサッカーJリーグのガンバ大阪とホームタウンである吹田市がコラボレーションしたホームタウンデザインラッピングバス。扉側には吹田市イメージキャラクターの「すいたん」、運転席側にはガンバ大阪マスコットキャラクターの「ガンバボーイ」をデザイン。後面は市制施行80周年をPRしています。
20年に導入したばかりのLVがラッピングバスとなっています。ちなみに、「19年後期の新車から白色LED 」行先表示器を採用しています。
社番:1166.SKG-KR290J2(17年車)。2020年9月記録。
中型車は「狭隘・閑散路線用 」に導入しています。画像は17年導入の日野KR。
社番:2964.PDG-BE63DE(10年車)。2019年9月記録。
7mサイズの小型車は狭隘路線向けのほかコミュニティバス用途として在籍。画像は一般乗合車塗装デザインの三菱ふそうローザのショート車で、この日は長岡京駅とJR山崎を結ぶ狭隘路線の運用に入っていました。後面には交通バリアフリー法に適合するためリフトを装備しています。
社番:1102.SDG-HX9JLBE(13年車)。2020年9月記録。
こちらは2013年から運行を開始した「うめぐるバス」専用車となっているロングサイズの日野ポンチョ。
社番:1155.QRG-RU1ESBA(17年車)。2020年10月記録。
高速車はシートやトイレの有無など運用路線に合わせた仕様で導入しています。画像の日野セレガは大阪と有馬温泉を結ぶ有馬特急をメインにしているため、側面T窓+トイレ無しの4列シート車となっています。
社番:3111.QTG-MS96VP(16年車)。2018年8月に記録したものを再掲。
高速車にも復刻塗装車が在籍しています。2017年の阪急バス創立90周年にあわせ、「90周年記念車両」として登場した三菱ふそうMS。塗装は1981年の「
高速バス開業時のデザイン 」となっています。
大阪200か3380.QRG-MS96VP(12年車)。2020年10月記録。
最後に大阪国際空港(伊丹)へのリムジンバスを運行する大阪空港交通の車両画像を3台ほど。
2020年に「
貸切バス事業から撤退し、空港連絡乗合バスに専門化した 」大阪空港交通。4メーカーのハイデッカーが在籍し、そのほとんどがトイレ無し仕様となっています。
主力車といえるのがエアロエースな三菱ふそうMSで、ヘッドライト周りを黒色に縁取るのがこだわりポイントです。
大阪200か4340.QRG-RU1ESBA(17年車)。2020年10月記録。
こちらは日野セレガ。正面にはオーナメントランプに側面窓部までかかるJピラー、廉価仕様でないことが分かります。また、行先表示は「
17年式からカラーLED表示器を採用 」しています。
大阪200か4767.2TG-RU1ASDJ(19年車)。2020年10月記録。
いすゞ車は少数派。画像の19年導入車はAMTを採用しているほか、多客時を考慮した12列シートの60人乗りとなっています。
次回刊行は初代ハンドブックシリーズ以来、相当久しぶりの登場となる「岩手県交通」。新塗装をこの目で見ておきたいところですから、雪が降る前に岩手へ行かなくては。
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