新型コロナウィルス感染拡大により開幕が延期となり、無観客試合で始まった今年のプロ野球。いろいろありましたが、パシフィックリーグの優勝は福岡ソフトバンクホークスとなりました。2位の千葉ロッテが猛追したときもありましたが、マジックが点灯してからはあっという間でした。選手層だけでなく、チーム力の差が違いますね。日本シリーズで優勝が続いていていますが、パシフィックリーグ優勝は3年ぶりというのが不思議ですが。千葉ロッテの大失速で、CS出場をかけた2位争いがどうなるか注目です。というわけで、月末恒例バス雑誌の感想という名の、消化試合。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル182号』です。
今号の特集は、「新型コロナウイルスCOVID-19のバスへの影響Ⅱ」。タイトルにⅡとあるように、内容は180号掲載の続編です。事業形態ごとに「緊急事態宣言が解除されて以降の利用動向を調査 」したものをまとめたものを中心に、事業者の取り組みについて取材記事、さらには車が動かないからこそ行われた特徴的なイベントも紹介しています。小生的に気になったのは名鉄バスについての取材記事で、「
新車導入計画も変更せざるを得ず、バスメーカーの生産計画にも影響が及んでいます。業界では車両代替の計画が変更になり、大手事業者の中古車による代替を前提にしていた事業者からは車両調達ができずに延命せざるを得ないなど、困惑する声も聞こえているようです 」という部分。今年前半の利用状況をみれば、やはり新車導入など設備投資にまわせる余裕は無さそうです。記事を読む限り、バス業界が継続的に新車代替を進められるようになるのは相当時間がかかりそうです。
10月から第1次プレ運行を開始した「東京BRT」ついての話題はレポートで紹介しています。「
東京BRTは都内臨海地区の輸送を目的に計画された新しいバスシステムで、公共交通優先システムPTPS、バスレーン、連節バスなどによる速達性・定時性や高い輸送力を特徴 」としています。第1次プレ運行では、新橋を経由し虎ノ門ヒルズと新設した晴海BRTターミナル間を結んでいます。
現状は都内では珍しい連節バスも運行している快速バスという程度ですが、東京オリンピック・パラリンピック開催終了後にプレ運行を拡大し、「
2022年度以降に予定される本格運行では、銀座・東京駅などへの延伸も検討されている 」とのこと。
記事では運行開始に先立ち、都知事による行政視察が行われた9月24日の模様を中心に、運行初日の写真も掲載しています。
江東210あ1007.2PG-LV290Q3(20年車)。2020年10月記録。
運行主体として東京BRTが設立されていますが、プレ運行の現段階は親会社の京成バスが担当しています。ハイブリッド連節バス1台、燃料電池バス5台、そして画像のディーゼルバスが3台の計9台で10月のプレ運行をスタートしています。行先表示器はフルカラーLED式を採用しており、日本語/英語を常時交互表示しているのが特徴です。
創刊30周年記念インタビュー第4弾は大阪バスの代表取締役が登場。グループ名称を東京バスグループと改めたものの、現在は都内2社に沖縄の拠点と北海道が東京バスグループ、ほかは大阪バスグループと呼ぶようなっていたのは知りませんでした。
このほか、10月刊行号恒例となった「最新バス機器・用品ガイド」の掲載もあります。昨年まで影も形も無かった飛沫感染対策用品が掲載されるようになろうとは・・・。
事業者訪問は02年刊行74号以来、通算3度目の訪問となる横浜市交通局。記事は02年以降の動きを中心に、近年の取り組みについてまとめています。02年以降「
最も大きな動き 」として記事で取り上げられているのが「
2007年度の路線再編成を中心とした経営合理化 」について。路線再編により不採算ながら特徴的だった路線の廃止や民営バス事業者への委譲が行われました。「
様々な施策が奏功し、市営バス事業は2010年度から黒字に転換し、以降2019年度まで黒字を維持 」しているのはさすがといえます。「この8年間の輸送人員はほぼ横ばい 」ということから、02年以前はどんだけ余裕のある経営をしていたんだという気もしないわけではありません。
ということで、ここからは小生手持ちの横浜市交通局のバス車両画像を並べていきます。なお、記載している年式は巻末掲載の「在籍車両一覧」の購入年度を参照しておりますので、実際の登録年と相違あることをあらかじめおことわりしておきます。
車番:8-1898.2DG-LV290N2(18年度)。2020年2月記録。
さて、横浜市交通局では「
2004年度以降は基本的に、競争入札に基づいて採用車種が決められている 」こともあり、「
現在の在籍車の過半数はジェイ・バス製の日野といすゞで占められる 」状況です。
まずは4桁車番の頭数字「1」のいすゞ車は322台在籍。画像は18年度導入のLV。一般乗合車の塗装は古くからベージュに青系帯のデザインを採用していますが、現在の青色は「
1996年度から採用 」。
車番:1-2710.LKG-MP37FK(11年度)。2020年2月記録。
車番頭数字「2」の三菱ふそう車は現在61台在籍。うち60台が11年度に導入したMPとなっています。ちなみに残り1台は病院の特定輸送で使われるマイクロバスです。
車番:7-4622.PKG-RA274KAN(07年度)。2020年2月記録。
車番:7-4627.PKG-RA274KAN(07年度)。2020年2月記録。
上下で車両が異なり失礼しますが、車番頭数字「4」のUD車。横浜市交通局に在籍するのは07年度に導入したRAだけ、いまや29台のみの少数派となりました。テールライトはシビリアンと同じものを搭載しています。なお、子会社で磯子営業所と緑営業所の管理を受託する横浜交通開発には交通局から転籍した03年度導入のUAノンステップ車が在籍しています。
車号:4-1793.QPG-LV234Q3(14年度)。2020年2月記録。
「元々収容力に富む中間尺車や長尺車が少なからず在籍 」してきた横浜市交通局。短尺ノンステップ車が主力となった現在も、いすゞLVの長尺ワンステップ車が27在籍しています。画像は今のところワンステップ車最終導入となっている14年度車です。
車号:1-1755.LDG-LV234L3改(11年度)。2020年2月記録。
「
1990年代後半から、環境保全の旗手として採用が続いたCNGバス 」。現在は「
公共の天然ガススタンドを併設する浅間町営業所 」に11台在籍しています。画像は11年度に導入したいすゞLVのCNG車10台のうちの1台。
車号:9-3523.2SG-HL2ANBP(19年度)。2020年2月記録。
現在の低公害車となっているのが、ハイブリッド車。1990年代前半は各メーカーが製造したハイブリッド車を導入し、蓄圧式のいすゞCHASSEなども在籍していました。現在のハイブリッドノンステップ車を導入開始したのは05年度からで、画像を並べた現行モデルのブルーリボンハイブリッドは20台が在籍しています。
車号:9-6301.ZBC-MUM1NAE(19年度)。2020年8月記録。
トヨタの燃料電池バスSORAは「
2019年に1台、試験的に導入し、観光路線などで使用 」しています。「
使用路線は主に「ピアライン」だが、そのほかの路線に使用されることもある 」ということで、画像は通常連節バスで運行している「BAYSIDE BLUE」の運用に入っているときのもの。
車号:3-3393.SKG-KR290J1(13年度)。2020年10月記録。
狭隘路線をメインとしている中型車。中型車は古くからATを採用してきた横浜市交通局ですが、画像の13年度導入の日野KRは珍しくMT車です。
車号:9-3530.2DG-HX9JLCE(19年度)。2020年2月記録。
1990年代に交通不便地域の解消すべく、7mサイズの小型車を活用した路線が開業。7mサイズの小型車は専用塗装となっており、現在のデザインは95年度に導入した日野RXから採用しています。現在在籍している小型車は日野HXのロングサイズのみとなっており、画像は19年度の導入車。この導入により、最初期に導入した07年度車のHXを代替しました。
車号:4-3775.PB-HR7JHAE(04年度)。2020年10月記録。
車号:4-3774.PB-HR7JHAE(04年度)。2020年8月記録。
市内中心部には「みなとみらい21地区」や「中華街」といった有数の観光スポットを抱えていることから、観光路線も運行しています。観光路線の「代表格は、2005年3月に運行を開始したオリジナルスタイルの観光スポット周遊バス「あかいくつ」 」です。運行開始にあわせて導入した日野HRは、天井を「
外観そのままにダブルルーフ構造と明かり窓を備える本格派 」となっています。在籍車両では最古参格となる04年度導入車となりますが、お金のかかった特殊車両ですから、まだまだ活躍を続けるものと推測。
車号:2-3363.QPG-KV234L3(12年度)。2020年10月記録。
「あかいくつ」は人気路線となり、専用車両を増車し、さらに大型車も導入。後面側からの画像だけとなりますが、「あかいくつ」の「
最初の大型車で先代KVがベース 」の12年度車。なお、「あかいくつ」増備車の「ダブルルーフはダミー 」となっています。また、「あかいくつ」専用車の登録番号は「
全車が2009年の開港150周年を示す「150」を取得 」しています。
車号:6-3454.QDG-KV290N1(16年度)。2020年10月記録。
「
白地に水玉模様のラッピング 」は、桜木町駅と新港ふ頭客船ターミナルや横浜ハンマーヘッドを結ぶ「ピアライン」で使われる日野KV。同じ水玉模様デザインで色違いの黄色の車両も在籍しており、そちらは貸切登録車となっています。
車号:9-3514.KX525Z1(19年度)。2020年8月記録。
今年7月から運行を開始した「BAYSIDE BLUE」専用車として4台が在籍している日野ハイブリッド連節バス。「
一般路線用では初の国産ハイブリッド連節バスで 」、「
海と空をイメージするマットメタリックブルーのラッピング 」となっています。
連載は、「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事などおなじみの長期連載を掲載。
表紙のサムネイルに特集など掲載内容を簡潔にまとめた「バスラマインターナショナルの軌跡」<その2>では2007年発行の101号から2020年の179号までを紹介。びっしり並んだ表紙の写真を見返してみると、表紙のデザインフォーマットが119号までと・120~164号・165~169号で変わっていることに今さら気づきました。
次号予告は、第6回バステクin首都圏会場レポート、いま注目のバスの感染症対策③、バリアフリー対応バスの系譜をたどる(最終回)、バス用最新無線システム、バス事業者訪問ほかとなっています。次号の事業者訪問先は秘密ですか・・・。手持ち画像確保にあわせてGoToしたいので公式ブログで早めに発表してほしいものです。
なお、本文中の「
斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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