北京での冬季五輪やら、ロシアのウクライナ侵攻など、様々なことが立て続けに起こった2月下旬。世界情勢の先行きが非常にきになるなか、小生はブログの更新もせず休日はスタンプを押していました。JR東日本が2月から期間限定で開催している「あの日を追いかけて JR東日本 懐かしの駅 スタンプラリー」をうっかり始めてしまい、小山や木更津、土浦に小田原など合計50駅をまわりました。今回のスタンプラリーで復刻した「わたしの旅」のスタンプの図柄は、小学生時代に押したことがあるものもあり、すっかりとりつかれてしまいました。
というわけで、月末までに更新できなかったバス雑誌の感想という名の、あの頃の記憶。偶数月の刊行はバスラマこと、『バスラマインターナショナル190号』です。
特集は「国内バス事業者の「電気バス」に関する意識調査」。バスラマ編集部が2021年12月時点で電気バスを保有していない全国31事業社局に行った電気バスに関するアンケートを基にまとめています。電気バスに関する記事が年々増えているバスラマですが、実際に電気バスを保有している事業者はまだまだ僅かです。電気バスを保有していない事業者が大多数ですから、現時点での電気バスへの意識調査のデータはのちのち貴重なものになるのではないかと思います。電気バスが普及していく未来となるのか、それ以外の燃料のバスが普及するのかでも、調査結果は変わっていくでしょうから、単発の特集で終わらず同じアンケート調査を継続的に行ってほしいものです。
レポート・トピックスは今号も全国の様々なバスに関する話題を取り上げていますが、この中で小生手持ち画像を並べられそうなのが「京王バスがFCバスで運行する渋谷ー新橋線に乗る」。京王バスが2021年10月から運行を開始した渋谷ー新橋線の特徴や沿線風景をまとめた乗車レポとなっています。渋谷と新橋を新宿を経由して結ぶ路線ですが、「
新宿エリアと都心の間の停留所は四谷一丁目だけでほぼノンストップ、かつ往路と復路でルートが異なることが特徴 」です。
社番:D22002.2022年2月記録。
系統番号は「
インバウンド旅客にもわかりやすくしたから 」という3桁数字というのも特徴の1つ。運行回数はいまのところ1日3回。マニア的に乗って楽しい路線ですが、写真映えする新宿→新橋間はほぼ逆光なので沿線風景とバスを絡めて撮影するのは難しい感じです。
事業者訪問は2003年に刊行した75号以来、通算3度目の訪問となる「名古屋市交通局」。ちょうど誕生100周年を迎える名古屋市交通局の市営バスについて、2003年以降の動きや近年の取り組み、コロナ禍の影響などをまとめています。惜しむらくは、現在車両の代替サイクルを18年間にしていることのメリット・デメリットについての言及が無かったことでしょうか。
車両アルバムでは「2007年度から2011年度にかけては多くの車両を更新した関係で、この期間の車両が全体の半数以上を占めている 」結果、「車両仕様の均質化が進んでいる 」現在の名古屋市営バス在籍車両を詳しく紹介しています。
局番:NS204.PKG-LV234N2(09年車)。2020年1月記録。
いすゞ車はPJ規制の06年車からEDSSを装備した21年導入車まで、在籍車両の半数以上を占めています。画像はMTを採用したPKG規制車のいすゞLV。
局番:NS214.LKG-LV234N3(10年車)。2020年1月記録。
10穴ホイールとなったLKG規制車のいすゞLV。先ほど書きましたが、このあたりの年式の車両がとにかく多いです。
局番:NH170.PJ-KV234N1(07年車)。2020年1月記録。
日野車はいすゞ車に次ぐ在籍台数を誇ります。PJ規制車の日野KVは「110台が一括採用 」された大所帯で、アリソン製トルコンATを採用しています。
局番:NH238.PKG-KV234N2(10年車)。2020年1月記録。
平成17年規制車から1つ目ヘッドライトに変更。名古屋市営バスは初期のフルフラットノンステップバスを導入したあたりからトルコンATを積極的に導入していましたが、「
運行コスト削減の観点から2008年以降、MTに変更 」。画像の車両はMT車となります。「
入札条件がMTになった関係 」で、大型路線モデルがAT車のみとなった三菱ふそう車の導入は途絶えることに・・・。
局番:NSF11.2020年1月記録。
アーカイブスでは1970~80年代に撮影された写真を掲載していますが、ここでは前回の事業者訪問後に導入し今回の事業者訪問の前に姿を消した車両から1台。7mサイズの三菱ふそうMJノンステップ車で、地域巡回系統が運用の中心となっていました。地域巡回系統は「
従来は需要に応じて小型バスも運行していましたが、現在は後継車がなくなり中型バスで運行 」しているとのこと。
前号から短期連載としてスタートした「低公害バスの系譜をたどる」は、ハイブリッドバス(2)として「2000年代の一時期販売された大型ハイブリッドバスや小型ハイブリッドバス、ハイブリッドバスの試作車など 」を紹介。
社番:NH5933.BJG-MP37TM(09年車)。2011年2月記録。
今回取り上げられたモデルで、一番多く販売されたのが画像の三菱ふそうエアロスターエコハイブリッドですが、それでも「
総販売台数は38台 」。画像の車両は羽田空港ターミナル連絡バス専用車として、羽田京急バスに複数台在籍していたうちの1台。
三菱ふそうエアロスターエコハイブリッドは「バッテリーの寿命や交換コストなどの課題から、比較的早期に引退した車両が少なくない 」と、後世に残る形できちんと書いているのはさすがバスラマです。羽田空港ターミナル連絡バスで使われていた専用車も、割と早くに姿を消してしまいました。
同じく短期連載の「あの頃のバス 渡邊嘉也さんの写真帖から」は、1970年代後半に撮影した九州産業交通などのボンネットバスと、1980年代初めに撮影した吉野大峰ケーブル自動車に在籍していたキャブオーバーバスの写真を掲載。
「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事などの長期連載ももちろん掲載しています。
次号予告は、バス事業者訪問:東洋バス/千葉シーサイドバス ほか、2022春のオムニバス、低公害バスの系譜③ ほかとのこと。
事業者訪問の東洋バスが楽しみですね。近場のバス事業者ですから、次こそ手持ち画像を多く並べなければと思っています。
なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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