バスに関する書籍を買ったら感想めいたものをブログに書くシリーズ。
今回は6月に刊行の『BJハンドブックシリーズV109 東急バス』についてです。6月に購入したものの、ブログに感想めいたものを書くまでだいぶ間が開きました。
社番:E1741.2DG-LV290N2(18年車)。2021年11月記録。
BJエディターズのHPでは東急バスの刊行を随分前から予告していましたが、「109」に刊行するためだったのか!と今更気がつきました。東急バスがBJハンドブックスシリーズで取り上げられたのは本作で3冊目となります。前作はRシリーズ時代の2010年に刊行したR69なので、前作時点で比較的新しい車両が本作でそこそこの古参格車となっています。
掲載事業者はタイトルとなっている東急バスと子会社の東急トランセの2社で、2022年2月1日現在の在籍車両をもとに編集しています
さて、内容ですが、車両編・歴史編・紀行編という安定・おなじみの3部構成となっており、「終点の構図」は東京都大田区の「洗足池」です。
車両編では、「1営業所2メーカーが主力車種となるように配置 」している東急バスの現有車両を紹介しています。
歴史編は前作掲載分をベースに、近年部分を加筆・修正しています。前作時点で収益性の低さから都市間夜行高速バスは撤退・貸切バスは最小限という状況だったのが、「2010年代には積極的な高速バス展開 」を行い都市間夜行高速バスも復活、貸切バスも「東急トランセにおいて積極的な営業を行う 」までになるとは思いませんでした。
紀行編は「春色PARK&MUSEUM」と題し、1日目に東京都内、2日目に神奈川県内の公園や博物館をめぐる乗り歩きルポです。
感想めいたものはこのくらいにして、昨年くらいからチマチマと確保してきた東急バス・東急トランセの手持ち画像を並べていきます。
なお、本文中の「斜字 」部分は本作からの引用部分、型式・年式は掲載の現有車両一覧表を参照しました。
社番:NJ1978.2PG-MP38FK(19年車)。2022年7月記録。
「
2022年2月1日現在の保有車両数は、乗合911台(高速55台含む)、貸切37台、特定17台で、計965台 となっている 」東急バス。現在一般乗合車の主力となっているのが、短尺ノンステップバスです。画像の車両は主力車種のひとつとなる、現行販売モデルの三菱ふそうMP短尺ノンステップ車です。
社番:NJ1868.2PG-MP38FM(18年車)。2022年7月記録。
近年は多客路線向けに多少長い尺のノンステップ車も導入しています。画像の車両は三菱ふそうMPのM尺ノンステップ車。側面行先表示うしろの窓の横幅がK尺よりも長いので、上部開閉出来るようになっています。
さて、東急バス乗合車の塗装は銀地に赤帯という、もはや伝統といってもよいデザインです。裾部と窓上にも帯を追加するようになったのは1980年代に導入した特別仕様車からで、「
98年からノンステップバスに青色のアクセントを追加 」しています。
社番:NJ8784.PKG-MP35UK(07年車)。2022年7月記録。
社番:NJ8783.PKG-MP35UK(07年車)。2022年7月記録。
ノンステップ車と並行してワンステップ車も導入している東急バス。ワンステップ車は神奈川県内の営業所に多く配置しています。画像は07年導入の三菱ふそうMPワンステップ車で、三菱重工製クーラーを搭載しています。上下で車両が異なり失礼します。
ちなみに東急バスの一般乗合車の社番ですが、営業所を表すアルファベット+「
0番台と1000番台で、08年度以降は百位が購入年度の下1桁 」となっています。かつては「
百位と年度がずれていたが、購入車両が多かった05・06年度に6600・7700番台を併用、07年度に8700番台を使用して調整 」したことで非常に分かりやすくなりました。
社番:NJ887.PKG-MP35UK(08年車)。2022年7月記録。
三菱ふそうMPは08年導入車からデンソー製クーラー搭載に変更しました。
社番:NJ1575.QKG-MP35FK(16年車)。2022年7月記録。
こちらはヘッドライト周りをモデルチェンジした三菱ふそうMPワンステップ車。
近年導入のワンステップ車は裾部と窓上の赤帯を省略し、1970年代以降の標準的なツーステップ車塗装デザインに戻りました。
社番:NJ1776.2PG-MP35FM(18年車)。2022年7月記録。
東急バスは運用路線にあわせた仕様の車両を導入しており、「神奈川県内の通勤通学路線では中尺・長尺で中扉4枚折戸のワンステップバスが活躍 」しています。大規模住宅団地と駅を結ぶ路線がメインの虹が丘営業所は中扉4枚折戸仕様のワンステップバスを多く配置しています。画像は三菱ふそうMPでは中尺にあたる中扉4枚折戸のワンステップ車です。
社番:NJ8754.PJ-LV234L1(07年車)。2022年7月記録。
続いて、いすゞ車から短尺のLVワンステップ車。現在いすゞの在籍車両は全車デンソー製クーラーを搭載しています。
社番:NJ868.PKG-LV234Q2(08年車)。2022年7月記録。
08年にまとまった台数が登場した中扉4枚折戸仕様の長尺ワンステップ車。長さに迫力があります。
社番:NJ1553.QPG-LV234Q3(15年車)。2022年7月記録。
同じくいすゞLV長尺ワンステップ車ですが、こちらは裾部と窓上の赤帯を省略するようになってから登場したグループです。ジェイバス製大型路線モデルは16年のモデルチェンジでノンステップ車に集約したため、ワンステップ車の導入は15年までとなります。
社番:NJ1651.QDG-LV290N1(16年車)。2022年7月記録。
モデルチェンジ後のノンステップ車がこちら。東急バスはATを採用しています。
モデルチェンジ後のジェイバス製いすゞLV/日野KVは現在の東急バスの乗合車を代表する車種となっています。
社番:AO1131.LKG-KV234L3(11年車)。2021年11月記録。
こちらは日野KVの短尺ワンステップ車。
社番:TA1917.2SG-HL2ANBP(20年車)。2021年11月記録。
ハイブリッド車は1994年から導入しており、現在は日野ブルーリボンハイブリッドの導入が続いています。画像の日野ブルーリボンハイブリッドは高津営業所配置の東急トランセ委託車両。東急トランセ所属車両だけでなく委託車両も正面・側面にトランセのロゴステッカーを貼っています。
社番:M724.PKG-RA274KAN(07年車)。2022年8月記録。
UD車は国内のバス製造・販売から撤退した10年まで導入していました。最終導入車も既に10年以上経過しており、在籍車両は少なくなる一方です。
西工ボディのノンステップ車は前面ナンバープレートを標準より下に取り付けているのが東急バスの特徴的な仕様です。ナンバーを下に着ける事でつくったスペースに「ノンステップバス」のステッカーを貼るのですが、画像の車両は貼るのをやめてしまった模様。
社番:S8749.PDG-KR234J2(07年車)。2022年5月記録。
中型車は狭隘路線を中心に活躍中。東急バスの狭隘路線には、道路事情さえ許せば大型車で運行したいような繁忙路線も少なくないため、都内の営業所にも結構な台数の中型車を配置しています。画像の日野KRノンステップ車正面に掲げられた「のりかえよう、モバイルヘ。」バスマスクは、パスモ加盟事業者が2022年から一斉に装着した代物。このバスマスクを装着した車両が車両編掲載写真に含まれているのが仕方ないとはいえ、本作の残念なところともいえます。まあ、取材だから外してくれ!とはさすがに言えないでしょうが。
社番:A1126.PDG-KR234J2(11年車)。2022年8月記録。
2011年に東急バス20周年を記念して、歴代デザインを施した復刻塗装車が登場しました。画像の日野KRノンステップ車の塗装は1960年代以前の貸切カラーです。
社番:M1610.SDG-KR290J2(17年車)。2022年8月記録。
現在販売している中型路線バスモデルはいすゞLR/日野KRだけということもあり、コンスタントな増備が続いています。
社番:SI6702.SDG-HX9JLBE(17年車)。2022年8月記録。
小型車の社番は頭数字6を基本としています。画像の日野HXは東急トランセ籍の代官山循環線専用車です。代官山循環線は東急トランセ発祥路線で、専用車の塗装は「
初代車両の三菱ローザから踏襲したワインレッドのデザイン 」を採用しています。
社番:A6804.2DG-HX9JHCE(19年車)。2022年8月記録。
東急バスはコミュニティバスの運行も行っています。渋谷区のコミュニティバス「ハチ公バス」は、夕やけこやけルートと神宮の杜ルートの運行を担当しています。画像の赤色ラッピングの日野HXショート車は、夕やけこやけルート専用車です。
社番:NI1181.LKG-MP35FP(11年車)。2022年5月記録。
「
長尺ワンステップバスには観光マスクとハイバックシートを備えた「ロマンス車」が在籍 」しています。画像の三菱ふそうMPワンステップロマンス車は、「
緑色の高速カラー 」の通勤高速バス塗装となっています。通勤高速バスは「TOKYU E-Liner」の名称で虹が丘営業所から渋谷駅を結びましたが、いわゆるコロナ禍の新しい生活様式となった在宅ワーク・リモート出勤の定着にともない2022年7月31日をもって深夜急行バスともども路線廃止となってしまいました。なお、画像は溝の口駅~新横浜駅直行バスの運用に入っていたところを記録したものです。
社番:NI3730.QRG-RU1ESBJ(17年車)。2022年5月記録。
4桁社番の頭数字3は高速車となります。画像は羽田空港連絡バス向けに導入した、いすゞガーラ。高速車は長らく「三菱・日野製ハイデッカーが採用されてきたが、16年にはいすゞガーラが登場 」しました。
次回刊行は「神奈川中央交通」。2020年に刊行した『バスマガジン 100号』のバス会社潜入レポートで先行掲載しているので、車両編の写真は一部同じものとなるのでしょうか。
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