インバウンドも徐々に復活し、平時の人出が戻ってきたように感じる今日この頃。といっても、新型コロナウィルスは無くなったわけではありませんし、第9波もジワリジワリとやってきているなんて言われると、少々身構えてしまいます。というわけで、月末恒例バス雑誌の感想という名の、手洗いうがいだけでも日々やっておこう。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル197号』です。
今号の特集は4月刊行号恒例となった「春のオムニバス」。新たに登場した電気バスやトヨタSORAの紹介から、リニア・鉄道館で開催している「国鉄バス第1号車のすべて」展についてやSUBARUビジターセンターに展示されることとなった日本最初のフレームレスリアーエンジンバス「ふじ号」といった歴史的なものまで、様々な話題を掲載しています。
小生手持ち画像を並べられそうな話題だったのが、「国内唯一のトレーラーバスが引退」。「
西東京バスがJR武蔵五日市駅ーつるつる温泉間で運行してきたトレーラーバス「機関車バス・青春号」が3月31日をもって引退した 」ことを取り上げています。今回引退したトレーラーバスの詳細だけでなく、1996年から2007年まで運行していた先代のトレーラーバスについても取り上げています。先代車両も解説することができるのは、30年の歴史と蓄積があるバスラマだからこそ。ネットで拾ってきただけでは書けない記事です。
社番:C20782.2023年2月記録。
今回「
車齢15年を超え、故障が多発するとともに部品調達もままならぬようになったため 」引退することになったトレーラーバスですが、「
トラクターは日野レンジャーBDG-FJ7JJWG改、トレーラーは日本フルハーフDFPBX-123Aで定員43人 」とのこと。トレーラー部分に車掌が乗務し、ツーマン運行を行っていました。運賃収受を行う車掌が乗務するツーマンバスに乗ったのは21世紀になってから初めて?最初で最後になりそうな予感がします。
「春のオムニバス」以外にも、レポート・トピックスで全国の様々なバスに関する話題を取り上げているほか、「電気バス採用15事業者にアンケートで聞く導入・実際の運用」記事や日本バス協会会長へのインタビュー記事も掲載しています。
事業者訪問は「知多乗合」と「西表島交通」。どちらも事業者訪問初登場ですが、小生手持ち画像の無い事業者でもあります。前号の予告で分かっていれば知多乗合だけでも行ったのに・・・。
「知多乗合」は「知多半島を基盤に乗合と貸切のバス事業を展開する 」名鉄グループの事業者で、今年創業80周年をむかえます。記事では、「近年は地方自治体から受託するコミュニティバスの運行が増え、輸送人員でも大きな比率を占めるようになった 」という現在の知多乗合についてまとめています。また、2022年に導入したBYD製電気バスについても「現在まで得ている印象 」という形で紹介しています。バスラマ事業者訪問では初登場の知多乗合ですが、今年刊行の『バスマガジン117号』事業者潜入レポートでも取り上げられたばかり。たまにある趣味誌カブりで、新鮮な気分で記事を読むことが出来なかったのが本当に残念です。
「西表島交通」はその名の通り沖縄県竹富町に属する西表島で営業しており、「
有償運行されるバスでは西表島交通が最南端かつ最西端 」となる事業者です。記事は西表島交通のバス事業をインタビューを基に紹介しただけという感じ。コロナ禍での苦労話や輸送人員などのデータなどが無く、ある意味、異色の事業者訪問といえるのかもしれません。かつて路線車は元事業者の色そのままな車両で運行していましたが、現在は自社発注車で揃えられ、今年3月にはBYD製電気バスK8も導入。ここまで大きく変わっているとは知りませんでした。
連載では、「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事など、おなじみのものが掲載。短期連載の「低公害バスの系譜をたどる」が都合により休載となっています。
次号予告は、2023バステクフォーラムの会場から、電気バス最新情報、バス事業者訪問 ほかとのこと。事業者訪問がどこなのか2号続けてヒ・ミ・ツですか・・・。直近号の傾向から、電気バス所有事業者のどこかではないかと推定。
なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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