月末はバス関連書籍の感想めいたものを書いている拙ブログ。奇数月末はバスマガジンの最新号について書いていますが、月内の更新は間に合わず。文句ばっかりで大したことは書いていませんが、いちおう読み込む時間が必要なので・・・。
ただ、月末はバス関連書籍の感想めいたものを書きたい!ということで、今回は2023年6月に神奈川バス資料保存会が製作出版した同人誌、「バス写真シリーズ26 呉羽初期量産型スケルトン車体のふそう大型路線バス」についてです。
沖22か2104.2008年4月に記録した画像を再掲。
非常に長ったらしいタイトルながら、「呉羽初期量産型スケルトン車体」がなんなのかイマイチ分からない本作。簡単にいえば「エアロスターK」と称されるボディを架装した車両の写真集ですが、「エアロスターK」命名前に製造した車両・エアロスターKへの橋渡しとなった初期スケルトンボディ架装車・同一ボディながらサイズなど様々な関係でエアロスターKと呼ばれないモデルの写真も多く掲載しているため、この「呉羽初期量産型スケルトン車体のふそう大型路線バス」というタイトルにしたとのこと。なんとも律儀です。
そんな律儀な方が編集しているので、掲載対象は日本全国の事業者(自家用車含む)自社発注車という括りで、日本全国北から南、導入車両が多い事業者の車両からレア的存在の車両まで多数の写真を掲載しています。さらに、当時のカタログやエアロスターKのミニカー・模型も掲載とバラエティに富んでいます。
特筆すべきは、後面側の写真もきちんと掲載していること。バス協テールあり、モノコック時代の観光バスモデルについていたような3連テールライトありと、今では考えられないくらい事業者毎の特徴的な仕様で製造していたことがよくわかります。掲載写真がここまで充実すると、ボディや写真掲載の車両についてもう少し詳しい解説が欲しいところですが、そもそも写真集と銘打っている本に文章を求めるのは間違っていますね。
豊富な掲載写真のなかから、わずかながら小生も画像をもっている車両を2台ほど。どちらも引退間近なころに記録したものなので、外観は掲載写真と多少異なっています。
車号:H212.2014年5月記録。
まずは北九州市交通局に在籍していた3扉車。導入間もない頃、スペースワールドの駐車場送迎車時代の貴重な写真が掲載されています。駐車場送迎バスだった期間は短かったことから、ネット等で見かける画像は競艇場の無料送迎バス転用後のものばかりという印象です。3扉車でしたが、小生が実際に乗車した2014年時点では、すでに後扉は使用できないようになっていました。
徳島22き120.2009年11月に記録したものを再掲。
こちらは鳴門市営バスに在籍していた前後扉仕様のエアロスターK。外観的に事業者オプション的な装備は古臭いバックカメラくらいで、カタログ掲載のオーソドックスな仕様で注文したかのようなエアロスターKでした。
2021年5月にぽると出版から刊行された
「バスラマエクスプレス16 三菱ふそうバス製造 70年の歩み」の感想めいたもので小生は、「今後呉羽ボディの車両を掘り下げた分厚い冊子が出来ることを楽しみにしたいところ」と書きましたが、本書はまさにそんな分厚い冊子です。正直結構な金額はしましたが、それだけの価値を感じることが出来た1冊でした。
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