バスマガジンの最新号で、のちのち調べるかもしれない事業者特集などを書き記しておく、それだけのために更新している小生的メモ帳更新。今回は7月27日刊行、いよいよ創刊20周年をむかえた『バスマガジン 120号』です。
まずは、前号の予告をチェック。前号の予告では、「 おじゃまします!!バス会社潜入レポート 『横浜市交通局』」、「帰ってきた!都道府県別地域別路線バス全方位レポート『大阪府Part2』」、「この真夏から雪対策ってマジ!?北の大地のバス会社では夏から始まる冬のルーティーンが命綱だ!!」、「西鉄しばりのページだと!?バス大国・九州北部からコロナ禍から立ち上がる活発なバスの動きをレポート」、「新連載!!中古バスを買いたい人は必見の情報!?リアルタイムで中古バスのトレンド、流通、物件を大追跡!!」、ほかとなっていました。
予告と実際に掲載された記事のタイトル・内容は正直だいぶ違うようなものもありましたが、今号は久しぶりに予告されたもの全てが掲載されました。予告詐欺ダメ!ゼッタイ!を合言葉に、次号もこの調子でよろしくお願いします(ナゾの上から目線)。
事業者潜入レポートは通算3度目の潜入となる横浜市交通局。前回は2015年1月刊行の69号で、ちょうど現在の編集体制となった1冊目だったりします。ただ、過去を振り返らない(振り返ることが出来ない?)バスマガジンなので、今回横浜市交通局の事業者潜入レポートが3度目であることなど一切書かれていません。
そんな事業者訪問レポートの執筆は今号もBJエディターズの加藤氏です。BJハンドブックシリーズの直近作は、2006年の『BJハンドブックシリーズ R59 横浜市交通局』。なんと、バスマガジンで2度目の事業者潜入レポートよりも古い!そもそも2度目の事業者潜入レポートの執筆にBJエディターズはタッチしていないで、ある意味新作といえるかもしれません。
記事は、一部路線の運行と営業所の管理受委託している外郭団体の「横浜交通開発」を含む2023年5月10日現在の在籍車両をもとに編集しています。沿線風景と車両紹介をカラー頁・白黒頁に営業所の外観写真と歴史編をまとめた、いつも通りの構成となっています。
局番:7-1856.2DG-LV290N2(18年車)。2023年7月に記録。
横浜市交通局は大型路線車を中心に、路線環境に合わせて中型・小型車も在籍しています。かつては営業所ごとに指定メーカーの車両を配置する方式でしたが、2004年度以降は入札による一括導入となっています。大型路線車は2011年度の三菱ふそう車導入を最後に、ジェイ・バス製ボディのいすゞ車・日野車を導入が続いています。結果的に在籍車両の車種の統一が急速に進んでいる状況です。画像は17年度導入のいすゞLV。局番は年度を基本にしているので、登録のタイミングにより年式とあわない車両が結構在籍しています。
局番:0-1747.PKG-LV234L2(10年車)。2023年7月に記録。
一般路線車の塗装は戦後間もない頃に採用したクリーム色に青帯というデザインをボディ形状や時代に合わせたリニューアルを続けています。現在は1996年度に大幅簡素化したものを「
2000年度から前面をY字型戻した 」デザインを採用しています。
画像は2010年度に導入したいすゞLVノンステップ車で、「
このグループまで後部の通風装置が角型 」のものを搭載していました。
局番:5-3421.QDG-KV290N1(16年車)。2023年7月に記録。
こちらはいわゆる黄玉塗装、「客船シャトル」カラーデザインをラッピングした日野KV。文字通り「客船シャトル」用途をメインとしているため貸切登録の車両が多いですが、画像の車両は「乗合」登録となっているレア車です。ただ、この日は行先表示を「貸切」にして送迎運用をこなしていましたが。
局番:4-3776.PB-HR7JHAE(05年車)。2023年7月に記録。
市内中心部に「みなとみらい21地区」や「中華街」といった有数の観光スポットを抱えていることから、観光路線も運行しています。なかでも観光路線の代表格といえるのが2005年3月から運行を開始した観光スポット周遊バス「あかいくつ」。画像の車両は「あかいくつ」運行開始にあわせて導入した日野HR9mサイズをベースにしたレトロ風改造車。天井は明かり窓を備えたダブルルーフ構造という、改造にとんでもない金額がかかったと思われる車両です。ただ、夏場は明かり窓構造が車内温度上昇の一因となっていますが。
局番:6-3499.QDG-KV290N1(16年車)。2023年7月に記録。
「あかいくつ」は人気路線となり専用車両を増車するとともに、9mサイズから大型化していきました。さすがに屋根のダブルルーフ構造は12年度導入のKVから「
平天井でダミーの明かり窓 」に変更しました。画像の車両は16年度に導入した日野KV。
局番:9-3513.KX525Z1(20年車)。2023年7月記録。
「2019年度に4台登場したブルーリボンハイブリッド連節バス 」。「2020年7月から横浜駅前~山下ふ頭間の主要な施設を結ぶ 」「BAYSIDE BLUE」専用車となっています。画像の車両は現在山下ふ頭で開催中の「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」ラッピング車となっています。
「帰ってきた 路線バス全方位レポート」は「大阪府PART2」。前シリーズは2004年の6号・7号、2回に分けての掲載でした。今回のPart2では「
府の北東部から南部にかけての地域を走る路線バス 」、つまり大阪府全域が対象で、PART1未掲載の事業者を取り上げています。
注目事業者の車両一覧表は、「近鉄バス」。2023年6月16日現在の一般乗合車&空港リムジン専用車を掲載しています。
社番:6765.2PG-KV290Q2(17年車)。2018年3月に記録したものを再掲。
今回掲載の「車両一覧」は、社番と登録番号どちらもある、活用可能なものとなっています。毎号これくらいの精度のある一覧表を掲載して欲しいものです。
「~各地へ旅立ったバスたち~移籍バスの行方を追跡」は第13回神奈川中央交通編(その5)中国・四国・九州北部。
社番:762.KL-MP337M(99年車)。2019年10月に記録したものを再掲。
中国地方に移籍した元神奈川中央交通の車両は、「
山陽エリアの路線事業者は時代は異なるものの、何かしら移籍している例が多く、大量に移籍したところは無いものの散らばっているのが特徴 」とのこと。
手持ち再掲画像から、広島バスに3台移籍した純正ボディの蓄圧式ハイブリッド車「MBECS」のうちの1台。前面運賃窓などは埋められていますが、シートモケットはそのままとなっています。
香川230あ1035.2018年8月に記録したものを再掲。
四国に移籍した元神奈川中央交通の車両では、「ワンステップが4台、ノンステップが1台移籍した 」ことでんバスが目立つ存在です。
前面の運賃支払い窓、側面の出入口表示幕など移籍時に撤去されることが多い神奈中独自仕様もそのままで運用中です。外観だけでなく、車内もカーテンが取り付けられたくらいでシート配置・モケットなど変更無し。さすがに広告会社アドベルのステッカーは剥がされていますが、それ以外差支えが無さそうなステッカーや表示類もそのままでした。
社番:F558.2018年9月に記録したものを再掲。
九州北部エリアでは「
長崎県への移籍例が特に多く 」、なかでも「
西肥自動車が佐世保市営の統合を経て50台を超す 」ほどとなっています。
西肥自動車に移籍した中型移籍車は、正面の運賃支払い窓を埋め、内装も一部シートを取り換えるなどだいぶ手を入れていますが、側面出入口表示は活用しているのが特徴です。「13台と大量に移籍し各地で見られるように。後にローカル地域に押し出され、佐賀や長崎(上五島)ナンバーになった車も多い 」とのこと。
社番:F643.2018年9月に記録したものを再掲。
掲載写真がありませんでしたが、西肥自動車には神奈中オリジナル仕様のM尺ノンステップ車も移籍しています。
「鈴木文彦が斬る、バスのいま」は「選択肢のない現在のバスモデル」と題し、新車販売しているバスモデルが減りすぎた現状を憂慮する内容です。現在販売しているバスモデルで、輸出しているのはトヨタコースターなどのマイクロバスくらい。ほとんどが日本国内向け専用車となっているため、高額な開発コストをペイしにくい状況となっています。筆者は購入補助金だけでなく、開発側にも補助することを提言していますが、解決策が正直無い難しい問題です。むしろ、1990年代まで4メーカーが様々なバスを製造していたことが奇跡だったのかもしれません。
そのほかの連載はあいかわらず広告臭がキツ過ぎるもの、今後調べることが無さそうなものばかりなので省略します。
次号予告は、「 おじゃまします!!バス会社潜入レポート 『神戸市交通局』」、「帰ってきた!都道府県別地域別路線バス全方位レポート『広島県』」、「メーカー既存の安全対策にプラスアルファを装備 ウチのバスはこんな後付けガジェットで安全性を高めてます!!」、「ワンステ、ツーステ、短尺、ナロー・・・刻々と進化を見せる電気バスの進化とニーズを追う」、「意外にもレアでは無かったあの装備!?その目的は?タイヤカバー付きバスのテクノロジー」、ほかとなっています。
なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧等を参照しています。
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