奇数月末は『バスマガジン』誌の感想めいたものを書いてきましたが、季刊誌となってしまったので1月末の刊行は無し。とはいえ、長年の習慣で月末には何かしらの感想めいたものをブログに書いておきたい。ということで、バスに関する書籍を購入したら感想めいたものをわざわざブログに書いておくシリーズを更新です。
千葉交通 社番:H18-58.2024年10月記録(再掲)。
※本作に千葉交通復刻塗装車の写真はありませんのであしからず。この塗装の頃の写真がたくさん掲載されていますよというイメージ画像です。
本作は2025年4月に行われる京成グループのバス事業者統合で姿を消す千葉交通や千葉中央バスなど、1980年代には存在していた京成グループに属する事業者のバス車両写真をまとめています。
写真が掲載されている事業者は千葉交通・千葉中央バス(旧社名の東洋交通時代の写真含む)・千葉内陸バス・千葉海浜交通・新京成電鉄・船橋バス・成田空港交通・オリエンタルランド交通(現社名の東京ベイシティ交通時代の写真含む)となっており、1970~80年代に製造された車両の写真が中心となっています。
巻末には「2025年現在の各社を巡る」と題し、2025年1月2日に撮影した写真の掲載もあります。1月2日に撮影した写真が1月発売の書物に掲載されるこのスピード感!作り手の情熱を感じます。
本エントリ冒頭で並べた千葉交通復刻塗装車ですが、社番の頭にメーカーを表すというアルファベット「H」があります。本作には社番頭に「H」がある日野車の写真も多く掲載されているので、細かいところを復刻したことが分かります。そこまでするなら、側面後部裾に「Chiba Bus Lines」のロゴも復刻してほしかったと余計な注文までつけたくなってしまいますが。
頒布金額は若干高額ではありますが、新京成電鉄に在籍していた富士3Eボディの3扉車や千葉中央バスのMK116など、今まで見たことが無かった車両の写真を拝むことが出来たので、小生的には適正価格です。
一点だけ気になったのが成田空港交通の車両として掲載されている写真に、おそらく2010年に日の丸自動車興業へ事業譲渡されたエアポートバス株式会社の車両ではないかと思われるものがあること。もちろん小生の認識不足で成田空港交通が当時のエアポートバスの営業もしていたかもしれません。間違っていたらこの文章の部分は訂正させていただきます。
本作掲載範囲の時代の成田空港交通の車両といえば、当時の成田空港駅(現在の東成田駅)と空港ターミナル(現在の成田空港第一ターミナル)を結ぶシャトルバスというイメージですが、シャトルバス車両の掲載写真はありません。そもそも当時の成田空港は厳しい警備体制で、バスに限らず、気軽に写真を撮影できるような場所ではありませんでした。それが今では成田空港周辺で撮影されたリムジンバス車両はもちろん、インバウンド中心の貸切バス事業者の車両、周辺のホテル・駐車場送迎の車両などなど、たくさんの画像が残る時代になるのだから驚くばかりです。
さて2025年現在、一部の事業者では本作掲載写真の頃の塗装デザインを施した復刻塗装車が在籍しています。せっかくなので、ここで小生手持ち画像を何枚か並べておきます。
社番:1001.2018年4月記録。
社番:1003.2018年4月記録。
まずは東京ベイシティ交通に在籍する復刻塗装車。会社創立40周年記念として2017年導入車の複数台に創立当時のオリエンタルランド交通の塗装を施しました。側面窓下の部分が狭いのでデザインは同じですが帯と白色部のバランスがちょっと違うような。ノンステップ車にツーステップ車時代の塗装デザインを施すのは高度なデザインセンスとスキルが必要ということが分かりました。
社番:1302.2025年1月記録。
こちらは船橋新京成バスの会社設立20周年を迎える記念イベントとして、2023年に2台登場した新京成電鉄直営時代の塗装を復刻したレトロカラーバス。画像の車両はいわゆる「青バスカラー」と呼ばれる塗装デザインです。「青バスカラー」は特にバスに興味の無い人からすれば京成電鉄の路線バスカラーデザインとほぼ同じ、違いは真ん中の帯色だけと思うかもしれません。ただ、マニアからすればこのレトロカラーバスの本気さに圧倒されます。塗装だけ見ても側面最後部に中途半端にある朱色帯上の細い青色帯の再現度の高さをはじめ、車内前面には「ワンマン」表示灯を装備しているところなど見るところの多いこと多いこと。
ちなみにもう1台のレトロカラーバスは新京成電鉄が路線バス運行を開始した1949年頃に採用された「タクアンバス」と呼ばれるデザインとなっています。
社番:3503.2008年11月記録。
ちなみにバス分社化後に「青バスカラー」の車両が登場するのは実は2度目。2008年に京成バスが高塚梨香台線を松戸新京成バスに移管するのにあわせ、いすゞLRが複数台移籍しました。すぐ運用に入れるよう最小限の改造にとどめたためか、真ん中の帯部分だけ青バスカラー風にして登場しました。実際よく見ると、真ん中の朱色帯と細い青色の帯はカッティングシート素材を貼っただけでした。
社番:3501.2011年6月記録。
船橋新京成バスに登場した本格的なレトロカラーバスと比べると、松戸新京成バスに在籍したレトロカラーバスの簡易感たるや・・・。
神奈川バス資料保存会によれば京成電鉄直営時代の写真集が続刊となるようなので、こちらも注目です。本作掲載対象外の東洋バスや阪東自動車など千葉県内バス事業者の写真集の続刊も個人的に期待しております。
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