BJハンドブックシリーズ X118

バスに関する書籍を購入したら感想めいたものをブログに書いておくシリーズ。
今回は今年7月に刊行した『BJハンドブックシリーズX118 三重交通』を、今更ですが更新です。


社番:3322.PA-LR234J1改(04年車)。2025年7月記録。

BJハンドブックシリーズでは久々の登場となった三重交通。 前作はニューハンドブックス時代の2001年刊行『BJニューハンドブックスNo.35 三重交通』です。BJハンドブックシリーズは京浜急行バスや西武バスなど15年以内のサイクルで刊行する事業者が多いイメージですが、今回の三重交通をはじめ西日本JRバス・中国JRバス、岩手県交通、北陸鉄道、しずてつジャストラインなど2冊目刊行まで20年以上費やした事業者も少なくありません。あらためてBJハンドブックシリーズの歴史の長さを実感します。ちなみに『バスマガジン』の「事業者潜入レポート」では2017年の86号で三重交通を取り上げていますが、この回の執筆担当は珍しくBJエディターズではありませんでした。
本作の掲載事業者はタイトルとなっている「三重交通」のほか、「三交伊勢志摩交通」、「三重急行自動車」、「八風バス」の3社で、2025年2月28日現在の在籍車両をもとに編集しています。なお、三重交通の持株会社となる三重交通ホールディングスには名阪近鉄バスも子会社として存在していますが、さすがに掲載対象にはなりませんでした。
本作は、車両編・歴史編・紀行編というBJハンドブックシリーズでは安定・おなじみの3部構成となっています。「終点の構図」は三重県北牟婁郡紀北町の「島勝」です。
   
車両編は「現有車両のアルバム」・「現有車両一覧表」・「現有車両車種別解説」を掲載。2025年2月28日現在の在籍車両がもととなっていますが、「本作取材前の3月下旬に20台余りの廃車が出ている 」ため、KC規制車のツーステップ車や初期ノンステップ車の掲載写真はナンバープレートも外れ社名表記も無くなった状態です。そんな状態でも、資料として掲載しておきたかったのかもしれません。掲載の車両リストの一部に廃車が出ているとはいえ、20年以上前に刊行した前作の掲載車両が最古参車クラスとして残っていることに驚きます。
歴史編は、前作刊行から20年以上あるので近年部分を大幅に追加しています。このため前作の近年部分記述の一部は修正や削除をしている所もあります。
紀行編は「三重交通を乗り継いで お伊勢参りと二見・鳥羽の海へ」。今回はバスタ新宿から夜行高速バスでスタートし、三重交通のフリー切符「伊勢鳥羽みちくさきっぷ1DAY」を利用し伊勢市駅から伊勢神宮、二見浦、鳥羽の観光スポットを楽しむ乗り歩きルポとなっています。
感想めいたものはこのくらいにして、ここからはこのエントリ作成のため7月に記録した三重交通の一般乗合車の画像を並べていきます。
なお、本文中の「斜字 」部分は本作からの引用部分、型式・年式は掲載の「現有車両一覧表」を参照しました。


社番:1198.2KG-LV290N4(23年車)。2025年7月記録。
三重交通バスグループの事業者4社を合わせた2025年2月28日現在の車両数は乗合695台(高速車121台含む)、貸切140台、計835台である。メーカー別では、いすゞ558台、日野156台、三菱ふそう103台、トヨタ10台、日産4台、BYDおよびEVモーターズ・ジャパン各2台 」です。グループにディーラーを擁していることもあり、「いすゞ車が6割以上を占めて 」います。
一般路線車の塗装は白地に濃緑色帯のデザインです。1953年に貸切車で採用したものが一般路線車にも波及し、「三重県民に親しまれてきた伝統あるデザイン 」といえます。
まずは、いすゞ大型車から導入が続いている2KG規制車でトランスミッションはAMTのLV。画像のN尺車のほか、名古屋通勤圏となる桑名営業所には長いQ尺車も導入しています。


社番:1051.KL-LV280L1改(03年車)。2025年7月記録。
98年に初めてノンステップバスが登場 」した三重交通。当初は標準カラーに赤色帯を加えた程度でしたが、「2001年に導入されたノンステップバスで、クリーム地に緑と赤の斜めラインが入った新カラー 」が登場しました。画像はこの新カラーで登場したKL規制車のいすゞLVノンステップ車の1台、ラッピング広告車となっているので側面のデザインが隠れてしまっていますが、正面だけ見ても従来の塗装デザインとは全く異なることが分かります。
全く異なることが仇になったのか、「伝統のカラーを重んじる声も強まり、2007年ころ以降の新車は元の三重交通カラーに戻され 」ました。


社番:3838.KL-LT233J2(04年車)。2025年7月記録。
三重交通の大型路線車といえば、2004年まで9mサイズのLTも並行して導入していました。LTは現在2001~2004年導入車が在籍しており、画像はデンソー製冷房を装備したLTワンステップ車です。


社番:3048.SKG-LR290J1(14年車)。2025年7月記録。
狭隘路線や地方路線 」をメインに幅広く活躍している中型車。交通バリアフリー法施行後はワンステップ車を導入し、ノンステップ車の導入は2006年から。画像は2014年に導入したLRノンステップ車。


社番:3043.SKG-LR290J1(14年車)。2025年7月記録。
こちらは三重交通の現業職募集のラッピング広告車となっているLRノンステップ車。等身の高い男性ドライバーのイラストが描かれていますが、これが三重交通の公式キャラクター「鈴鹿翔琉」とのこと。ちなみに女性ドライバーの公式キャラクター「神都あかり」のイラストは画像を記録できませんでした。


社番:3918.KK-LR233E1(00年車)。2025年7月記録。
ごく短期間の製造・販売だった7mサイズのLRワンステップ車も在籍しています。画像は桑名営業所に1台のみ配置の車両です。


社番:6022.PKG-KV234N2(10年車)。2025年7月記録。
三重交通では、いすゞ車に次ぐ台数を誇る日野車ですが、7mサイズの小型路線車と12mサイズの高速・貸切車が中心で、大型乗合車は20台も満たない少数派です。画像のPKG規制車でN尺のKVノンステップ車は2010年に導入した四日市営業所配置の3台のみとなっています。


社番:6913.BDG-HR7JPBE(10年車)。2025年7月記録。
2000年代前半に比較的安価なノンステップバスとして中型幅10.5mサイズのモデルが全国的に普及しましたが、三重交通は全国的に導入事例がかなり少なくなった2010年に4台を初導入しました。四日市営業所配置車両の2台はヘッドライト上のパネルに銀色のモール的な装飾があります。ちなみに10.5mサイズの日野HRはのちに東京都交通局からの移籍車を1台導入しましたが、本作のリストに掲載が無いことから既に姿を消したようです。


社番:2358.KL-MP37JK(03年車)。2025年7月記録。
近年は東京都交通局からの移籍車も導入している三重交通。日野HR10.5mサイズに続き、三菱ふそうMPノンステップ車が5台登場しました。三重交通で少数派の三菱ふそう車ですが、大型路線車はさらにレアな存在です。東京都交通局から移籍したMPノンステップ車は5台とも桑名営業所配置となっています。


社番:1045.PJ-LV234L1(05年車)。2025年7月記録。
東京都交通局からは、いすゞLVノンステップ車も移籍しています。こちらは今のところ全車四日市営業所配置となっています。

<八風バス>

社番:1254.KL-LV280L1(05年車)。2025年7月記録。
最後に八風バス在籍車両から1台。八風バスは桑名駅から志知・桑名西高校への志知線を中心とした路線バスと東員町コミュニティバス「オレンジバス」南北線の受託運行、貸切バス事業を行う小規模な事業者です。地場有力者の出資により1952年に創業した事業者で、名鉄資本が入ったり、いろいろあって1958年から三重交通傘下として営業しています。
路線車は八風バス自社導入したオリジナルカラーの車両のほか、画像の車両のように三重交通からのグループ間転籍車も在籍しています。画像のいすゞLVワンステップ車は三重交通カラーで、違いは正面の八風バスマークと側面社名表記くらいしかありません。


次回刊行は「京都市交通局 高槻市交通部」。京都府と大阪府の公営バス2事業者をセットで取り上げるようです。高槻市交通部はBJハンドブックシリーズで初登場です。京都も高槻もここ数年行っていないので手持ち画像を確保しなければ。万博が終わってからですかね。

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