バスラマ 212号

プロ野球の日本シリーズは福岡ソフトバンクホークスの優勝で幕を閉じ、日本の憲政史上初となる女性総理大臣が就任しアメリカのトランプ大統領と会談するなど政治の話題、連日相次ぐ熊被害のニュースという感じだった今年の10月。暑さからようやく解放されましたが、いきなり冬が来たような寒さの日もあって体のバランス崩れまくりです。秋が短すぎるというより、夏が長すぎです。ということで、偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル212号』の感想めいたものを更新です。
特集は2つ。1つは10月刊行号恒例の「最新バス機器・用品ガイド」と、特集と事業者訪問が合体した「旭川電気軌道 100周年」記事です。「旭川電気軌道 100周年」記事は、冒頭に社長へのインタビュー記事からはじまる力の入れようです。通常の事業者訪問に加え、旭川電気軌道100周年記念事業の一環として9月19・20日に開催した「バステクスペシャルin旭川」のイベントも紹介しています。

レポート・トピックスでは、偏光サングラスの装着事例や東京都交通局有明営業所に水素ステーションが開設されたことなど、全国の様々なバスに関する話題を取り上げています。掲載記事に関連するような手持ち画像を1枚は並べておきたいということで、今回は「各地の新車から」で掲載された中から再掲の1枚。

沖縄230え711.2PG-MP38FM(25年車)。2025年7月記録(再掲)。
東陽バスが沖縄バスの子会社となったことで、新車は三菱ふそう車を導入することになった模様。一般乗合車にM尺のMPノンステップ車が登場しました。泡瀬営業所配置で「泡瀬東線などに使用されている 」とのこと。

事業者訪問は1996年刊行の27号以来、2度目の登場となる「旭川電気軌道」。先述したように特集と合体し、車両アルバムや懐かしい在籍車両の写真を掲載したアーカイブスを通常号より増ページで紹介しています。ただ、車両アルバムは移籍導入車を中心に掲載が無い型式もあり、在籍車両に関してはバスマガジン誌125号掲載のバス会社潜入レポートの方が詳しいといえます。
また、富良野エリアの地域分社で、いわゆる第三セクター企業となる「ふらのバス」は今回対象外となっているほか、今年2月に北海道北見バス、札幌観光バス、ジェイ・ウィル・パートナーズを新スポンサーに迎えると発表したことについて一切記事に書かれていないことも気になりました。今回の事業者訪問記事に関しては、増ページしている割には・・・というのが正直な感想です。


旭川22か1130.KC-MP747M(97年車)。2025年6月記録。
2025年10月1日現在、乗合車143台、貸切車17台の計160台」が在籍している旭川電気軌道。「車種別比率は三菱ふそう約65%、日産ディーゼル(日デ)/UDトラックス約14%、日野約13%、いすゞ約7%で、ほかにトヨタが2台 」となっています。
一般乗合車で特筆すべきは、「1997年に、国産ノンステップバスの発売と同時に三菱ふそうMPを10台一括採用 」したことです。既に9台は引退しましたが、画像の1台は今なお現役で運用に入っています。前方に搭載した三菱重工製クーラーにグライドスライドな中扉や車内後方の対面シートなど、初期三菱「ノーステップバス」らしい仕様を今に伝える貴重な存在です。
ちなみに旭川電気軌道のノンステップバスは1997年から銀色地の「アーバス」塗装を標準採用しています。


旭川22か1221.KC-MP747M(98年車)。2025年6月記録。
翌1998年もMPノンステップバスを10台導入。この年から側面窓に断熱に優れ曇りにくいペアガラスを採用し、旭川電気軌道オリジナル仕様を確立しました。なお1998年導入車は掲載の在籍車両一覧によれば6台在籍しています。


旭川230あ2002.QKG-MP37FM(13年車)。2025年6月記録。
2010年代以降の新規登録車は移籍車が主体で、新造車は2013~2016年にかけて採用されたワンステップ車1台、ノンステップ車14台 」となっています。また側面窓のペアガラスの採用を中止し、標準的な寒冷地向け装備となりました。画像は2013年に2台導入した三菱ふそうMPノンステップ車。
また、2013年以降の導入車はナンバープレートを用途等で区分した希望番号を採用しています。2000番台の車両は「一般路線、旭岳線・旭川空港線のうちの前中扉車 」となります。

旭川230あ2004.QKG-MP38FM(14年車)。2025年6月記録。
2014年導入車は「旭川電軌90周年記念 」として、かつての塗装デザインを施して登場しました。画像の車両は「1968年に吸収合併した旭川バスの標準塗装。3軸バスと共通のデザインで、3軸バスの銀/紺色に対して、2軸車は銀/ピンク 」となっています。


旭川230あ2007.QKG-MP38FM(14年車)。2025年6月記録。
ツーステップ車に塗られてきた先代デザインも復刻塗装車のひとつとして登場しました。のちにワンステップの移籍車にもこの塗装デザインを施すことになり、ツーステップ車の引退で消えゆくデザインから現役デザインとして復活しました。


旭川230あ6004.KL-LV280N1(04年車)。2025年6月記録。
希望番号6000番台は「一般路線の移籍車 」となります。旭川電気軌道は1980年代から一般乗合車に移籍車を導入していましたが、1997年からのノンステップ車導入開始で新車にスイッチ。移籍車導入はほぼストップしていました。新車導入したノンステップ車も経年車となった2010年代、さらに古い生え抜きのツーステップ車も在籍していることから、移籍車導入を再開。再開第一陣の中心となったのが神奈川中央交通からワンステップ車で、まとまった台数が登場しました。画像のいすゞLVもその1台。移籍車導入再開第一陣の車両は大幅な塗装変更を行わず、旭川電気軌道が運行する「たいせつ号」のPRなど、全面ラッピングで登場しています。


旭川230あ7734.KL-MS86MP(01年車)。2025年6月記録。
希望番号7700番台は「貸切ハイデッカー、貸切→旭川空港線の用途変更車 」となります。画像の直結冷房3本トランク仕様の三菱ふそうMSは東京空港交通からの移籍車です。旭川電気軌道移籍当初は貸切車となっていたようですが、現在は旭川空港線で活躍中です。
貸切ハイデッカー、都市間路線車、旭川空港線用前扉車などは白地に金・銀の雪の結晶模様 」を配した塗装デザインを採用しています。

短期連載「カタログで偲ぶ“平成初期”のバス達」は今回で最終回。第12回目は「三菱ふそうエアロミディMK」を取り上げています。掲載されたカタログは「1990年6月29日に発売された平成元年規制車 」のものとなります。平成元年規制車販売開始時点のMKは細かい改良はあったものの、ボディは1988年1月にフルモデルチェンジしたばかりとあって「スタイリングやホイールベースは観光・自家用系、路線系とも昭和58年規制車から継承 」しました。


宮崎22か956.2023年9月記録(再掲)。
今回掲載されたカタログで路線車は「1ページのみというシンプルさ 」とのこと。路線車のヘッドライトは丸目4灯が標準仕様となっていました。


沖縄200か531.2011年4月記録(再掲)。
オプションで角目も採用出来ましたが、事業者の好みに合わせた柔軟な仕様変更も当時は当たり前にありました。画像の沖縄バスに在籍していた前後扉仕様のMKは千葉の東洋バスからの移籍車。ヘッドライトは角目4灯、ウィンカーライトはヘッドライト横ではなく前面窓下に変更、色つきの側面窓ガラスなどオプションてんこもりです。
 

沖縄200か400.2015年5月記録(再掲)。
今回掲載ページから漏れてしまった「自家用デラックス」はヘッドライトを丸目4灯とした廉価グレードでした。画像の車両は沖縄バスに在籍していたMKで、西武バスグループの西武総合企画からの移籍車。西武総合企画では埼玉県内の学校送迎で使用していました。
このほか連載では、なかなか興味深いバス車両を所有している方を紹介した「私はバスのコレクター」このほか「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事など、おなじみの長期連載も掲載しています。 
次号予告は、Bus World&ZEB2025開催、第11回バステクin首都圏に見る新技術、改造小型電気バスによる自動運転実証走行、バス事業者訪問、私はバスのコレクター ほか とのこと。次号予告で事業者訪問がヒミツとなることが以前に比べ多くなったような気がします。

なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、画像の型式・年式は掲載の車両一覧や記事を参照しています。

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