バスに関する書籍を買ったら、感想めいたものをブログに書くシリーズ。
今回は9月刊行の『BJハンドブックシリーズS99 小湊バス 九十九里バス』です。
千葉200か1617.PB-RM360GAN(06年車)。2018年7月記録。
深い資本関係を持つ小湊鐡道と九十九里鐡道の2事業者がセットでBJハンドブックシリーズに初登場した本作。バス趣味誌で深く取り上げられた機会は両事業者とも少ない印象です。直近では小生の覚えているところで、小湊鐡道が2014年刊行の『バスラマインターナショナル 144号』の事業者訪問、九十九里鐡道が編集をBJエディターズが担当した2009年刊行の『僕たちの大好きな鉄バスたち』あたりとなるのでしょうか。本作の掲載事業者はタイトル通り小湊鐡道のバスと九十九里鐡道のバスのみで、2018年6月1日現在の在籍車両をもとに編集しています。
内容は、車両編・歴史編・紀行編というおなじみの3部構成。「終点の構図」は九十九里鐡道の本須賀。紀行編は「初夏の房総 里歩き・街歩き」と題し、小湊鐡道エリアを2日間かけた乗り歩きルポとなっています。
車両編掲載の現有車両一覧表を見ると、サイクルに差があるとはいえ古参車代替は着実に進んでいます。小湊鐡道は高速車の代替を特に進めており、最古参でもKL規制車という状況。側面に「こみなと」の貼り文字がある高速車両も少なくなっています。さすがに一般乗合車の代替サイクルは高速車ほどではありませんが、新車導入→長南へ押し出しという形で低床化が進み、多数在籍していた富士重工ボディ車両も少なくなりました。九十九里鐡道も小湊鉄道からの移籍車両を中心に若返りを進め、一般乗合車では西武バスから大型ノンステップ移籍車を導入しています。他社からの移籍車導入が今後続くのか気になるところです。
歴史編は小湊鐡道の分量多目で掲載。小生は小湊鐡道のバス事業がどのように発展していったのか過程がよく分からなかったので、たいへん勉強になりました。
感想めいたものはこのくらいにして、小生手持ち画像を中心に並べていきます。なお、本文中の「
斜字 」部分は本作からの引用部分、型式・年式は掲載の現有車両一覧表を参照しました。
<小湊鐡道>
千葉200か1222.KK-LR233J1(04年車)。2018年7月記録。
まずは小湊鐡道の中型路線車画像から並べていきます。04年導入のいすゞLRノンステップ車。側面行先表示はこのあたりまで中扉の後に設置しています。小湊鐡道は「
ワンステップバスとノンステップバスを並行導入 」していますが、04年導入車は「
中型・大型とも全車ノンステップバス 」となっています。
千葉200か2034.PDG-LR234J2(08年車)。2018年9月記録。
08年導入のいすゞLRワンステップ車。側面行先表示は中扉より前に設置。
ちなみに一般乗合車・貸切車共通で「
オレンジとベージュのボディカラー」は、小湊鐡道が1947年に袖ヶ浦自動車合併により「
バス事業を開始した当初に採用した 」伝統あるデザインです。
千葉200か2596.SKG-KR290J1(14年車)。2018年9月記録。
SKG規制車の日野KRワンステップ車は14~16年にかけて、まとまった台数を導入しました。
千葉200か2758.SKG-KR290J1(15年車)。2018年9月記録。
同じく日野KRワンステップ車ですが、正面に社紋プレートを装備していない車両も。経費削減なのかわかりませんが、有るものが無いと寂しい感じ。とはいえ、自社企画観光ツアー「赤とんぼツアー」の涎掛けを装着して隠れていることが多いんですが。
千葉200か1616.KK-RM360GAN(06年車)。2018年7月記録。
UD車は10年まで導入。画像は06年にまとまった台数導入したRMワンステップ車。
千葉200か2333.LKG-LV234L3(11年車)。2018年7月記録。
続いて大型路線車から、いすゞLVノンステップ車。大型路線車は近年いすゞ車をメインに導入しています。
千葉200か1764.PJ-KV234L1(06年車)。2018年10月記録。
見た目まったく同じですが、こちらはPJ規制車の日野KVノンステップ車。06年はKVだけでなく、いすゞLV、三菱ふそうMPなど、まとまった台数の大型路線車を導入しました。
千葉200か2017.PKG-KV234L2(08年車)。2018年10月記録。
こちらは1つ目ヘッドライトとなった日野KVノンステップ車。画像の車両は全面ラッピングし「
帝京平成大学の通学輸送に使用 」しています。
千葉200か2470.QRG-RU1ASCJ(12年車)。2018年5月記録。
高速バスは東京湾アクアライン連絡道開業により大きく発展。「
高速車はすべてハイデッカーで、トイレなしの57~60人乗りが主力 」となっています。比較的短距離の路線が中心となっていますが、折戸ではなくスイング扉を採用しているところにこだわりを感じます。
千葉200か3001.QTG-RU1ASCJ(17年車)。2018年10月記録。
2016年12月に「
平成30年までに高速バス・観光バスの全車を衝突軽減安全ブレーキ付の新車に代替 」することなど、ソフト面・ハード面あわせた取り組み「セーフティファースト宣言」を発表した小湊鐡道。この宣言に基づき、高速車は17年以降まとまった台数の新車導入を行っています。QTG規制車のいすゞガーラ高速車は17年に7台導入していますが、画像の車両は唯一のトイレ付き。
袖ヶ浦200か1022.QRG-RU1ASCA(13年車)。2017年7月記録。
意外と少ない日野セレガの高速車。高速車大量導入の17年も導入したのは2台だけ。画像は13年導入のQRG規制車。
千葉200か1885.PJ-MS86JP(07年車)。2017年8月記録。
一般乗合車では少数派の三菱ふそう車ですが、高速車は近年まとまった台数を導入していることもあり見かける機会が増えました。まずは三菱ふそう高速車では古参格となるPJ規制車のMS。衝突軽減安全ブレーキを装備していないので、第一線からは外れているものと推測。
千葉200か2022.BKG-MS96JP(08年車)。2017年8月記録。
モデルチェンジしたMSは当初床下冷房+2本トランク仕様で導入。前面の帯部の塗りわけパターンはいくつかあり、画像の車両は直線的なデザイン。
なお、この車両は現在、九十九里鐡道へ移籍し、社番3002号車となっています。
千葉200か2953.QTG-MS96VP(17年車)。2018年5月記録。
こちらは高速車大量導入となった17年に登場したMS。正面帯の塗りわけはボディデザインに合わせた曲線パターン。
トイレを装備した画像の車両は2017年に開業した千葉と埼玉を結ぶ千葉~さいたま大宮線「ちばたまライナー」のPRをかね、チバテレ・テレ玉と期間限定のコラボレーションラッピングバスとなっています。「ちばたまライナー」路線専用車というわけではないようで、新宿でも見ることが出来ます。ちなみに「ちばたまライナー」は基本的にトイレ付き車両で運行しています。
千葉200か3053.2TG-MS06GP(18年車)。2018年8月記録。
モデルチェンジでATを本格採用したMS06は17年後半に登場。翌18年も、まとまった台数を導入しており、小湊鐡道の本気を感じます。
袖ヶ浦230あ3064.2TG-MS06GP(18年車)。2018年10月記録。
「
18年の木更津車庫の営業所昇格に伴い、所属車両が千葉から袖ヶ浦ナンバーに変更された際は、希望ナンバーを取得 」。画像の車両はそのうちの1台で、ごく最近に「intercity bus」のロゴがつきました。高速バスは今後「intercity bus」の愛称を全面に打ち出していくのでしょうか。
袖ヶ浦230あ5004.2018年8月記録。
編集時点の6月1日以降もMS06高速車の導入が続いています。木更津に配置されたと思しき袖ヶ浦ナンバーの車両は5000代の希望番号で登録。千葉ナンバーとの重複を避けるためでしょうか。
千葉200か2959.2DG-RD00(17年車)。2017年6月記録。
高速車を大量導入した17年には現代ユニバースも2台導入。昼行高速車として首都圏の事業者が導入したのは久々でしょうか。今年の導入があるのかどうか。
<九十九里鐡道>
社番:2901.QRG-RU1ASCJ(13年車)。2018年7月記録。
九十九里鐡道の画像は千葉駅と東金・九十九里町方面を結ぶ「レイクサイドライナー」と「九十九里ライナー」で運用中の特急バス車両1台だけ。
九十九里鐡道は「
新製・移籍年の和暦 」を表す社番を採用しており、画像の車両は平成29年に小湊鐡道から移籍したいすゞガーラの特急バス。
特急バスには数年前まで自社発注の西工E型・B型ボディのUD車を使用していましたが、小湊鐡道のハイデッカー車両に置き換えられたようです。一部の車両は小湊鐡道に移籍し、契約貸切車となっています。
※置き換えられる前の車両など、2015年に記録した画像よせ集めエントリは
こちら。
次回刊行は「北海道中央バス」。BJハンドブックシリーズでは久々の道内事業者となります。バスマガジンの潜入レポートが函館バスと予告されているので、セットで取材を行っているものと推測。小生も久々に北海道へ行こうと思っています。
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