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バスラマ 170号

月の終わりはバス雑誌の感想めいたもので〆。ブログを始めてから、長く続けているルーチンワークとなっています。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル170号』です。
 
今号の特集は、10月刊行号恒例となる「最新バス機器・用品ガイド」。事業者向け商材が数多く掲載されるところに、バスラマが他の趣味誌と異なる位置にあることを毎度実感します。
 
レポートは、早くも改良が加えられた新型トヨタコースターの開発者インタビュー、京都のプリンセスラインに在籍する中国製大型電気バスK9の3年間の運行実績について、そして各社で行われた安全運転コンテストを紹介した3つを掲載。
やはり小生的に気になるのは電気バスの運行実績です。京都急行バスからプリンセスラインに社名変更していたことを知らなかったということはさておき、プリンセスラインでは「電気バスの1日当たりの走行距離は約150km 」で「累計走行距離は80,200~95,000km、平均で87,000km 」とのこと。電池寿命や、電気料金を考慮した深夜電力の活用など「充電のタイミングを考慮しなければならない 」ことから、ディーゼルバスのほうが「圧倒的に扱いやすい 」という本音も出ていますが、「電気バスのランニングコストには相当なメリットがある 」とのこと。掲載されている電気バスとディーゼルバスの燃料対比実績表を見れば、納得の数値です。そんなメリットがあるとはいえ、「現状の車両価格では、導入に際して公的な補助金が得られないと一事業者としての導入は難しい 」というのが一番大きな課題かもしれません。
  
このほか、全国各地で開催されたバスの日関連イベントについてはトピックスで紹介しています。
事業者訪問は2005年の90号以来、2度目の登場となる「小田急バス・小田急シティバス」。事業者訪問としては13年ぶりとなりますが、小田急バスに関しては今年5月にBJハンドブックシリーズ、一昨年には今は無き「BUS Life」、複数の趣味誌で最近取り上げられたばかりという印象。
とはいえ、小田急バスを取り巻く現況・施策のほか、小田急グループマテリアルズを通じ車両をグループ一括購入するメリットについてなど、興味深いトピックを担当者へのインタビューに基づきまとめるところはさすがバスラマです。
小田急バスの近年の動きのなかでも一番大きなトピックといえるのが、一般路線バスの輸送人員増加で「2009年を底に持ち直し、(中略)昨年度は7600万人あまりと過去のピークに近づきつつあります 」とのこと。輸送人員の増加は、「新陳代謝が盛ん 」な沿線エリアの多さという要因が最も大きいのではないかと思いますが、明るい話題です。

ここからいつものように手持ちの小田急バス画像を並べていきますが、画像は違えど内容は5月に更新したBJハンドブックシリーズの感想めいたものを書いたエントリとほぼ同じになることをあらかじめお断りしておきます。  
 
 

社番:C9133.PJ-LV234L1(06年車)。2018年10月記録。
2018年10月現在、一般路線車551台 」を保有する小田急バス。うち「2005・2006年に一般路線に130台が採用され、1型式では最大所帯を誇るエルガの平成16年規制適合車 」というなんともアンバランスな構成となっているのが特徴。そして「武蔵境にうち60台が配置 」ということに、さらに驚きます。画像はそんな武蔵境営業所配置車両のうちの1台です。
  

  
社番:E9178.PJ-LV234L1(06年車)。2018年10月記録。   
同じく06年導入のいすゞLVですが、こちらは生田営業所から移転して誕生した登戸営業所配置車両。「山坂の多い町田および旧生田(現登戸)の各営業所には、2000年代前半までいすゞの高出力が採用」されてきましたが、現在は「車両の進化やAT化などで差異が少なくなり、地域を問わず同仕様を採用」しています。

 

社番:C9352.QKG-LV234L3(14年車)。2018年10月記録。
一般路線車は2011~2016年度の新車に、左後輪フェンダーカバーを装着 」。「首都圏では珍しい 」採用事例からマニア的に話題となりましたが、結局短い期間での採用にとどまりました。
 
 


社番:C9371.QDG-LV290N1(16年車)。2018年10月記録。
いすゞ大型乗合車は毎年まとまった台数を導入していますが、15年はモデルチェンジ前の駆け込み導入もせず導入無し。モデルチェンジしたエルガは16年から導入を開始し、あっという間に40台以上在籍しています。また、16年導入車の途中からカラーLEDの行先表示器を採用しています。
 
 

社番:A6035.PJ-MP37JK(05年車)。2018年10月記録。
三菱ふそうの大型車は、「吉祥寺・狛江・町田に配置 」。画像の車両はフロントガラス下正面に「ノンステップバス」表記が残る「エアロスターノンステップの初期スタイル車 」です。
 


社番:A6101.2PG-MP38FK(18年車)。2018年10月記録。

 

社番:A6106.2PG-MP38FK(18年車)。2018年10月記録。
2014年にモデルチェンジした現行スタイルのエアロスター 」では最新グループとなる18年導入の2PG規制車。18年導入車でも最近登場した車両は「角型ベンチレーターなどを採用 」しており、本格的に仕様変更となるのか気になるところです。

 

社番:2002.BKG-MS96JP(08年車)。2018年10月記録。
小田急バスの分離子会社として誕生した小田急シティバスは、都市間高速バスと貸切バスのほか若林営業所の運行委託先となっています。メインとなる都市間高速バスで急成長したのが、東京湾アクアライン経由で新宿と木更津を結ぶ「アクアライナー」。2008年に「平日14往復・土休日12往復 」で開業したのが、「今や1日44往復 」で「需要はなおも旺盛 」とのこと。 
画像の車両は「アクアライナー」運行開始時に登場した三菱ふそうMS。近年は高速車に日野車の導入が続いています。
なお、貸切バスをはじめ、リムジンバスやアクアライン高速バスの塗装は小田急グループ統一カラーを採用しており、小田急バスのシンボルといえる犬のレリーフを装着しています。
   
画像はありませんが、こけしカラーとも言われる塗装デザインを採用している夜行高速バスには新たに「パープル系 」色が登場していたとは知りませんでした。
  


社番:E173.SDG-RR7JJCA(16年車)。2018年10月記録。 
最後に「スクールバスが主体 」となっている特定車から、学校教職員向け送迎バスとして活躍している日野RR。 
 
連載は、「新 バスドライバーのひとりごと」と海外記事となっています。

次号予告は、バス事業者訪問が江ノ電バスグループ、日本バス協会中央技術委員会から、第4回バステクin首都圏開催、ほかとのこと。今年の事業者訪問は小田急グループが多い1年となりそうです。

なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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