2021年も残すところわずか。コロナ禍も2年目となり、出歩くのも白い目を向けられた冬から夏にかけて何があったかいまいち覚えておらず、夏に開催された東京オリンピック・パラリンピックはもう記憶の彼方です。というわけで、月末恒例バス雑誌の感想という名の、記憶能力低下中。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル189号』です。
特集と銘打ったものはない今号、巻頭は「登場!三菱ふそうローザ2021年モデル」と題した試乗レポート。ローザの2021年モデルを実際にハンドルを握ってのインプレッションと、変更点や新たに採用したところは写真を掲載して分かりやすくまとめています。ローザは2018年にヘッドライト周りを変更してからというもの、2019年に衝突軽減ブレーキなどの装備でマイナーチェンジ、そして今回の2021年モデルですから、もう少しまとめて出来なかったのかという感じです。
社番:F47.2021年1月に記録したものを再掲。
2019年モデルのローザの手持ち画像は無いので、2018年にヘッドライト周りを変更したバージョンの手持ち画像を参考までに。2021年モデルでは「ヘッドランプへのデータイムライニングライトの組み込み 」が行われているとのこと。ちなみに画像の車両は立川バスに在籍しており、昭島市コミュニティバス「Aバス」の予備車的な存在となっている路線バス仕様車です。
このほか、11月に開催した「第7回バステクin首都圏」について、出展企業の展示車両や商品を中心に紹介した記事も掲載しています。
レポート・トピックスでは、電気バスの話題や北海道北見バスが乗合車の塗装デザインを「ボデー全体を1枚のハッカの葉に見立て 」たというペパーミントグリーンに白のラインに一新したことなど、様々な話題を取り上げています。
事業者訪問はシリーズ初掲載となる「京福バス」。記事では京福バスの現況や近年の取り組みを中心にまとめています。結びで「
コロナ禍の影響は深刻で、高速、貸切ともに壊滅的でした 」という言葉があり、バス事業者が厳しい状況に置かれていることを改めて認識します。
というわけで、ここからは小生手持ちの京福バス車両画像を並べていきます。手持ち画像確保のため11月に福井へ出かけましたが、高速バスは名古屋からだけ、小松空港へのリムジンバスも運休中と、行くのに難儀しました。
福井200か638.PDG-KR234J2(11年車)。2021年11月記録。
京福バスは、国内ディーゼル4社にトヨタのハイエースと合計で167台を保有していますが、日野車が「乗合車の54%、高速車の71%、貸切車の77%、全体でも58% 」と半数以上を占めています。
京福バスは近年コンスタントに中型ノンステップ車を導入してきたことから、乗合車は「過半数を中型車が占める 」状況となっています。画像の1つ目ヘッドライトの日野KRノンステップ車は07年から12年にかけて導入しました。
福井200か1034.2KG-KR290J4(19年車)。2021年11月記録。
こちらはEDSSを装備した現行モデルの日野KR。中型車のモデルチェンジ後はしばらく日野車を導入していましたが、2021年はいすゞLRを導入しています。最新車も「
ウインカー作動時には車外にチャイム音が鳴り周囲に注意を呼びかける伝統の仕様 」を採用しています。
福井200か764.SKG-LR234J1(14年車)。2021年11月記録。
いすゞ車は2013年から導入を開始し、15年までの間にLRノンステップ車を計12台導入しました。
福井200か273.PB-RM360GAN(05年車)。2021年11月記録。
UD車は2000年から05年の短い期間に中型ノンステップ車を新車導入しました。画像の05年導入車は日野製エンジンを搭載したPB規制車で、日産シビリアンのテールライトを採用した初期モデルです。
行先表示はLED式を採用していますが、正面には系統幕も採用しています。これは福井駅を発着する路線を方面別に色分けしカラー方向幕の行先表示を採用した名残で、方面別カラー系統幕を2000年代後半導入車まで採用していました。カラー幕については記事で全く取り上げられていないことから、もう過去の装備ということをあらためて実感しました。
福井200か759.KL-UA452KAN改(03年車)。2021年11月記録。
新車と並行して移籍車も導入しています。画像のUAノンステップ車は東急バスからの移籍車で、「
福井県最大のショッピングセンターと謳うLpa(エルパ)の関連路線専用ラッピング車 」となっています。導入当初から全面ラッピング車にすることが決まっていたためか、塗装は東急バス時代の銀色地そのままとなっています。
福井200か857.KL-JP252LAN(02年車)。2021年11月記録。
「
中型車幅ロング車は大型車に分類されている 」京福バス。画像のJP短尺ワンステップ車は京浜急行バスからの移籍車。「
大型車は主に幹線と多客時間帯のダイヤを担当する 」とのこと。
福井200か772.KL-MP33JM(00年車)。2021年11月記録。
三菱ふそう車の乗合車は少なく、ほとんどが大型サイズの移籍車です。画像は、まとまった台数登場した神奈川中央交通からのMPツーステップ移籍車。前面運賃支払表示窓や側面の乗降幕は撤去せず活用しているため、神奈中時代の名残を色濃く残しています。
福井200か1043.KL-MP35JM(02年車)。2021年11月記録。
こちらは京阪バスから移籍した三菱ふそうMPワンステップ車。「
京福バスのMPシリーズは側窓仕様やシート配置などバリエーションが多彩 」です。
福井200か278.PB-RX6JFAA(05年車)。2021年11月記録。
中扉にリフトを装備した日野RXは「
コミュニティバスから一般路線まで幅広く活躍 」しています。
福井200か116.KK-HR1JEEE(01年車)。2021年11月記録。
中心市街地を東・西・南・北の4ルートで循環している「すまいる」。まちづくり福井株式会社が運営を担当するコミュニティバスとしてスタートし、十分に採算ラインにあうところまできたということで「2021年10月から京福バス路線 」となりました。画像は「南ルート」の
運行開始にあわせて導入したオプションの観光マスクな日野HR7mサイズ。「すまいる」専用車はポンチョへの車両代替を順々に進めており、この車両もそろそろ・・・という気がします。
福井200か384.PKG-RU1ESAA(07年車)。2021年11月記録。
都市間高速車は三菱ふそう車と日野車のハイデッカーを採用しています。「塗装は路線ごとの各一色に、地元出身の書家・吉川 壽一氏の筆による漢字一文字を大胆に描く 」デザインとなっています。画像の07年導入の日野セレガは黄色地に「光」の書の名古屋線用車両。後面は福井県をイメージした共通デザインです。
福井200か951.2TG-RU1ASDA(18年車)。2021年11月記録。
貸切車はハイデッカーを中心にラインナップ。グループ事業者との「
共同受注を行い、仕事の内容は配車場所などで対応している 」とのことで、塗装はグループ会社共通デザインを採用しています。画像は現行日野セレガで、京福バスでは「
2016年購入車から9ℓエンジンを搭載 」したモデルを愛用しています。
連載では、今号から短期連載として「低公害バスの系譜をたどる」がスタート。
この連載で扱う「低公害バス」とは、「
同時代の一般のディーゼルバスよりも低排出ガスの内燃機関バス 」とのことで、第1回では「ハイブリッドバスの2000年代初頭までの歩み」をまとめています。
国産ハイブリッドバスのルーツとして1972年に東京都交通局が導入した「ハイブリッド式電気バス」から取り上げているのはさすがバスラマです。もちろん記事の中心となっているのは、1990年代に各メーカーから市販されたハイブリッドバスです。今回取り上げている歴代ハイブリッドバスモデルは全て『年鑑バスラマ』で掲載済み!販売開始から終了までを見届けているだけあって、それぞれのモデルの販売実績や販売終了となった経緯などを記しています。資料的な価値が高い連載となりそうです。
群馬22あ3214.2011年2月記録。
掲載された歴代ハイブリッドバスモデルから、小生手持ちの画像をいくつか並べていきます。日野HIMRは「ディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステム 」を採用した「世界初の市販ハイブリッド車 」として登場しました。
画像は関越交通に1台だけ在籍したHIMR。HIMRでは第2世代にあたり、中型車用のエンジンを採用し小排気量を図りました。画像では分かりにくいですが運転席側の中央部の床下側板に放熱用のスリットが設けられています。
鹿児島200か937.2018年3月に記録したものを再掲。
三菱ふそうは「ディーゼルエンジンを蓄圧システムがアシストするハイブリッドシステム 」を採用したハイブリッドバスMBECSを開発。1995年から「「MBECS-Ⅱ」の名で市販化 」されました。画像の車両は東京都交通局が導入したMBECS-Ⅱで、のちに鹿児島交通に移籍しました。東京都交通局はこの頃廃車売却を解体に限定していましたが、NOx・PM法適合車ということから国内移籍したようです。
社番:762.2019年10月に記録したものを再掲。
ボディのフルモデルチェンジにあわせて、96年から「MBECS-Ⅲ」を販売開始。画像の車両は神奈川中央交通が導入したツーステップ仕様のMBECS-Ⅲで、のちに広島バスへ移籍しました。
蓄圧式ハイブリッドバスは三菱ふそうのほか、日産ディーゼルが「ERIP」、いすゞが「シャッセ」を開発しましたが、「床下のアキュムレーターの存在によりディーゼル車ほどには低床化できず 」CNGノンステップバスの登場により販売を終了しました。
同じく短期連載の「あの頃のバス 渡邊嘉也さんの写真帖から」は、奈良交通と伊那自動車のボンネットバス写真を掲載。もちろん「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事などの長期連載も掲載しています。
次号予告は、電気バス最新情報、レールも道路もDMV営業運行開始、第15回クラブバスラマ・バスツアー、短期連載:低公害バスの系譜をたどる② ほかとのこと。事業者訪問はヒミツですか・・・。
なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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