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バスラマ 194号

大激戦の末パシフィックリーグを優勝したオリックスバファローズ。日本シリーズは2年連続で東京ヤクルトスワローズとの対戦となりましたが、3試合終わって0勝2敗1分け・・・。そこから4連勝でシリーズ制覇したことは本当に驚きましたし、バファローズという名称のプロ野球チームが悲願の日本一になったことに感慨深いものがあります。
プロ野球が終わると、あっという間に冬がきて、あわただしい年末を迎えるという感じ。1年経つのが早い早い。ということで、バス雑誌の感想という名の、年賀状も買わないと。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル194号』です。

特集は、10月刊行号恒例の「最新バス機器・用品ガイド」。掲載商品はロングセラーのものから初登場のものと様々。十数年前の「最新バス機器・用品ガイド」を見ると、今では見なくなったようなモノ(&無くなった企業)が掲載されていたりするので、ある意味、バス業界のトレンドを知ることが出来る特集ともいえます。

レポートでは、旭川電気軌道が1年以上レストア作業を続けてきた3軸バスが完成し車検を取得したことを速報的に紹介しています。このほか、トピックスとあわせて、日本全国各地のバスに関するものから案件紹介的なものまで、様々な話題を取り上げています。


事業者訪問は前号で予告されていた「ジャムジャムエクスプレス」に加え、京浜急行バスグループの「東洋観光」の2事業者を掲載。

「ジャムジャムエクスプレス」は、いわゆる旅行代理店が主催する高速ツアーバス「ジャムジャムライナー」の運行事業者として2012年に誕生した事業者です。当初は一般貸切免許による運行でしたが、2013年の「新高速バス」移行にあわせ一般乗合旅客自動車免許を取得しています。記事では、ジャムジャムエクスプレスのこれまでのあゆみを紹介するとともに、コロナ禍でどのように営業してきたのかを中心にまとめています。

在籍車両は「車内仕様により多彩なバリエーションがあり 」、「乗合車・貸切車とも外装は仕様別のカラーリングを施している 」のが特長です。2020年に更新した「バスタ新宿周辺で見たバス」画像のよせ集めでジャムジャムエクスプレスの車両画像を並べましたが、色の違いの意味がイマイチ分かりませんでした。今号掲載の車両アルバムが非常に役に立ちそう、ということで再掲画像を3枚ほど。


足立200か3372.QRG-RU1ESBA(16年車)。2020年9月に記録したものを再掲。
グリーンのカラーは3列シート車で、独立3列シートの「プレミアム」と2+1の3列シートの「ニュープレミアム」の専用色となっています。画像の床下仮眠室を装備した日野セレガは、ハイデッカーで導入した「プレミアム」仕様車です。


宮城200か2851.QRG-RU1ESBA(17年車)。2020年8月に記録したものを再掲。
同じく日野セレガのハイデッカーですが、こちらは「茶系のメタリック 」カラーで「車内前半を3列、後半を4列とした2クラス車「プレミアムコンビ」 」仕様となっています。このような仕様の車両は、3列シート車・4列シート車「2台のバスを用意しても満席にはならない路線 」向けとのこと。


足立200か3725.QTG-MS96VP(17年車)。2020年7月に記録したものを再掲。
こちらはスーパーハイデッカーで乗客定員27人の「プレミアム+ワイド」仕様の三菱ふそうエアロクィーンです。

事業者訪問2事業者目は、「東洋観光」。東洋観光は京浜急行バスの子会社で、横須賀・横浜の2営業所体制で貸切・特定事業を展開しています。1953年に創業し、のちに京浜急行電鉄の資本参加を受け「京急グループの中でも主に三浦半島を地盤とする貸切事業者 」として成長してきました。1980年から特定事業に進出し、現在は「全保有台数81台のうち貸切車は24台で、残り約2/3は特定車 」となっています。記事では東洋観光の貸切バスと特定バスそれぞれの事業について詳しく紹介しています。貸切車を約12年で代替する一方で、特定車は現在の販売モデルでは運行に支障があるため結構な古参車が在籍していることなど、なかなか興味深い記述もあります。残念ながら直近で記録した東洋観光の手持ち画像が無いので、このへんで。

191号以来の掲載となった短期連載の「低公害バスの系譜をたどる」はハイブリッドバス(4)として、販売を終了した2000年代後半~2010年代の市販ハイブリッドバスから「日野セレガハイブリッド」と「いすゞエルガハイブリッド」の2車種を紹介。
日野セレガハイブリッドは、2002年にセレガRをベースにしたハイブリッドバス「セレガR HIMR」を2005年に改称したモデルとなります。2005年にセレガは大幅にモデルチェンジをしましたが、ハイブリッド車はしばらくセレガRベースで製造販売していました。2008年に「新型ハイデッカーボデーを持つセレガハイブリッド(BJG-RU1ASAR)が登場 」し、以降厳しくなる排ガス規制に適合すべく改良を続け2017年まで製造販売しました。


社番:04280.HM-RU2PPER改(04年車)。2018年6月に記録。
画像はアルピコ交通に在籍していた「セレガR HIMR」。アルピコ交通のハイブリッド車は上高地のシャトルバス向けに導入が続いていました。画像の車両は貸切車として導入した「セレガR HIMR」で、スイング扉や側面窓形状など乗合車と異なる仕様を採用していました。


社番:M11403.QQG-LV234L3(14年車)。2021年5月に記録
いすゞエルガハイブリッドは、2012年8月から販売を開始した「モーターがエンジンをアシストするパラレル式ハイブリッド車」モデルです。「バッテリーやインバーターを組み込んだユニットを車内最後部右側に搭載 」したのが特徴で、定員は減りましたが「屋根上にバッテリーなどを搭載する他車種に対しては運行環境を選ばない優位性が訴求 」されました。2015年にエルガのフルモデルチェンジ後も従前ボディで2017年まで製造販売が続けられました。
画像は当時の京王バス南に配置されたエルガハイブリッドですが、2022年に異例の速さで廃車となりました。おそらく機械的な不具合があったのでしょうが、それにしてもという感。

このほか「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事など、おなじみの長期連載も掲載しています。 

今号は、コロナ禍で大きな影響を受けたであろう新高速バス運行事業者と、貸切バス事業者を事業者訪問で取り上げて掘り下げていけるのは、さすがバスラマと思いました。ただ、186号の感想めいたものでも書きましたが、個人的になじみのない事業者ばかりの事業者訪問だと、バスラマの購入は正直キツイものがあります。

次号予告は、電気バス最新情報、第8回バステクin首都圏レポート、バス事業者訪問:新常磐交通 ほか とのこと。いわきに行く必要がありそうです。 

なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、画像の型式・年式は掲載の車両一覧や記事を参照しています。
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