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バスラマ 196号

先月中に片付けることが出来なかったバス雑誌の感想という名の、2月27日発刊を月内にまとめるのは困難でっせ。偶数月の刊行はバスラマこと、『バスラマインターナショナル196号』です。

今号は特集ではなく、小特集を掲載。「「あの頃」を探して」という記事ですが、内容はなんと表現したら良いのか・・・。つまんない年の年鑑バスラマに載ってそうだなと思った、と書いておきます。

小生が特に気になった掲載記事は、レポートの「都会の小規模需要路線 中野区“若宮大和町循環”実証実験の担当者に聞く」です。
東京都中野区が2022年10月から2023年3月まで実証実験運行している「若宮大和町循環」。路線「全体の半分以上の区間が住宅地の狭隘な道路を経由している点が特徴的で、車両はそれに応じてワンボックスタイプの小型バスを使用 」しています。運行事業者の関東バスは公募の結果決まったとのこと。


社番:7702.QDF-GDH223B(22年車)。2023年2月記録。
専用車として2台登場したトヨタハイエース。「定員10人ながら、次停名表示器、運賃機など大型バスと同等の装備に加え、外観も関東バスのカラーリングに仕上げられ 」ています。とにかく狭隘な住宅地の道路を走るので、所要時間は少々長めの1周約45分。この手の実証実験路線では珍しく、頻発といっていい20分間隔の運行でスタートしました。
実証実験は、半年間運行した後、本格的な事業として可能か否かの検証を行う予定 」ということですが、1月半ばの取材時点で「実際の利用状況は、我々の予想とかけ離れているのが現状 」。「運行開始した10月18日から12月17日までの2ヶ月間の実績は、乗車人数が平日1便あたり0.6人、土休日は同0.7人で、収支率は約7%にとどまっている 」とのこと。実証実験の段階でこの惨状とは。小生も実際に乗車し、運転手さんの華麗なハンドル捌きをしっかり堪能させていただきましたが、乗車便の利用者は物見遊山の小生のみ。自転車・徒歩で完結するエリアだけを運行する小型バスって必要なの?というのが正直な感想です。

なお、記事にはありませんでしたが、3月は運賃を半額の100円、40分間隔運行に変更。そして実証実験を「一旦休止」することが告知されています。

このほか、トピックスなどで各地に登場した電気バスをはじめとした様々なバスの話題を、また第26回バスラマ賞の発表記事も掲載しています。

事業者訪問は2009年刊行の113号以来、通算3度目の訪問となる「三重交通」。いちおうグループの三交伊勢志摩交通・三重急行自動車・八風バスもタイトルに名を連ねていますが、会社概要をごく簡単にまとめただけの紹介となっています。3度目の訪問ということもあり、記事は近年の施策や取り組みについてや、コロナ禍での営業などを中心にまとめています。前回2009年の訪問では、名古屋市交通局の営業所管理受託を始めたばかりで、ドライバーの採用や教育などを紹介していました。それが現在、3営業所を受託しており「名古屋市の受託事業も主要事業の一つに育っています 」とのこと。
車両アルバムでは三重交通の代表的な車両はもちろん、1台モノの特別装備車などを紹介。とはいえ、バラエティ豊富な在籍車両・車種、塗装のバリエーション違いなど全て紹介するにはページが足りなかったようです。また、取材日が大雪に見舞われたようで、とんでもない量の雪が降る中で撮影した写真もあります。

ということで、ここからは2月に記録した三重交通の手持ち画像を並べつつ、在籍車両を紹介していきます。本エントリ作成のためだけに、三重県へ久しぶりに出かけましたヨ。お金の無駄遣いしすぎです。伊勢神宮にも行きましたが、貸切バスが連なってやってくるところを見ると、コロナ禍の終わりも見えてきたような気がしました。


社番:1085.LKG-LV234N3(11年車)。2023年2月記録。
三重交通およびグループの事業者の在籍車両は2022年12月時点、「一般乗合+高速乗合が706台、貸切138台という陣容 」で、「車種別割合はいすゞ550台(65%)、日野175台(21%)、三菱ふそう103台(12%)、トヨタ13台、日産3台 」となっています。
まずは、「優に100台を超える一大勢力を擁する」先代エルガのノンステップ車。後面上部の広告看板は三重交通おなじみの装備です。


社番:1501.2TG-LV290Q2(19年車)。2023年2月記録。
モデルチェンジしたLVは「それまでの長尺車から短尺車の選択 」となりましたが、一部営業所には引き続き長尺車を導入し、「通勤ダイヤなどで輸送力を発揮 」しています。画像の車両は桑名営業所配置の長尺車です。


社番:3819.KL-LT233J2(01年車)。2023年2月記録。
三重交通といえば、忘れちゃいけない存在だったいすゞLT。「全長10m未満の大型車は、ショートホイールベースの機動性と大型車と同じ乗客の流動性、適度な収容力のバランスなど使い勝手が良く、三重交通では常に一定の台数が在籍 」していました。しかし、「メーカーの生産中止に伴い新車供給が途絶え、現在は31台まで台数を減らしている 」とのこと。画像の車両はゼクセル製クーラーを搭載した01年導入車です。


社番:3380.PDG-LR234J2(09年車)。2023年2月記録。
07年から11年にかけて導入したPDG規制車のいすゞLR。「1型式で73台の一大勢力を擁する一般路線用中型車で、ほぼすべての営業所に配属されている 」とのこと。PDG規制車のいすゞLRまではワンステップ車を多く導入していました。


社番:3045.SKG-LR290J1(13年車)。2023年2月記録。
中型乗合車はワンステップを多く導入してきた三重交通ですが、直4エンジンを搭載したモデルからノンステップ車のみの導入へスイッチ。SKG規制車のLRは33台在籍しています。


社番:2316.KC-MP317M(97年車)。2023年2月記録。
ツーステップ車は代替により台数を減らしています。今回記録出来たツーステップ車だったのが、画像の「三菱ふそうの最古参 」となる97年車でした。ちなみに三重交通で「三菱ふそうの一般路線用大型車は15台と少数派 」となっています。

 
社番:1000.QPG-LV234N3改(14年車)。2023年2月記録。
グループ全体でCO2排出削減を目指しており、2013年度を基準に2030年度には30%削減、2050年には排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラル達成を掲げて 」いる三重交通。目標達成に向け、「先進車両の積極的な導入 」も行っており、2014年3月に導入した電気バスもそんな1台。「子供たちに人気のポケットモンスターのキャラクターをラッピングした「ポケモン電気バス」ですが、当時はまだ量産型電気バスがなかったため、大型ディーゼル車を改造 」しました。ラッピングのデザインは導入当初の黄色ベースから、水色ベースに変わっています。
導入時点でバッテリーライフは8~10年と想定されており、8年が経過した現在は確かに満充電しても初期の航続距離には至りません。技術の改良が今後の課題 」とのことで、どうしていくのか気になるところです。


社番:1002.LX525Z1(20年車)。2023年2月記録。
2020年に2台導入し「伊勢神宮の外宮・内宮を結ぶ路線で輸送力を発揮 」している連節バスは、「輸送力の高さがもたらすCO2削減に向けた試みの一つ 」とのこと。
2台の連節バスのうち、画像の1台は2022年9月から「平日の通勤客輸送の混雑緩和を目的に四日市まで遠征 」し、平日朝夕のラッシュ時に近鉄四日市駅とキオクシア(大規模半導体工場)を結ぶ路線、土休日は伊勢神宮路線と有効活用しています。「四日市への連節バス投入は期待どおりの効果が得られていることから、2024年春を目標に四日市に連節バスを増備する方向で検討 」しているとのこと。


社番:1046.PJ-LV234L1(05年車)。2023年2月記録。
近年は東京都交通局からの移籍車も導入している三重交通。日野HRや三菱ふそうMPノンステップ車に続き、現在は画像のいすゞLVノンステップ車の移籍が続いています。

 
社番:5378.2TG-RU1ASDJ(19年車)。2023年2月記録。
高速車は「夜行長距離路線、三重県内各地-京都/大阪方面の昼行中距離高速、県内各地と名古屋を結ぶ近距離高速に分類され、外装、内装も異なる 」仕様を採用しています。
まずは近距離高速車となるいすゞガーラ、トイレ無しの折戸仕様です。


社番:5304.PKG-RU1ESAJ(07年車)。2023年2月記録。
夜行長距離路線や中長距離路線の高速車は黄色の入った塗装デザインを採用していました。後面側からの画像のみで失礼します。


社番:2921.2TG-MS06GP(19年車)。2023年2月記録。
こちらは「白地に青のアクセントの昼行用高速バス新デザイン 」となる三菱ふそうMS。やはり後面側からの画像のみで失礼します。

 
社番:5956.KL-LV781R2(05年車)。2023年2月記録。
高速車の塗装デザインは路線限定で採用したものもあり、バラエティに富んでいます。画像の旧ボディのいすゞガーラはもともと中部国際空港への路線向けに八風バスが導入した車両で、飛行機のイラストがポイントです。現在は三重交通にグループ間転籍し、この日は伊勢とVISON(ヴィソン)、中部空港アクセス港の「津なぎさまち」を結ぶ路線の運用に入っていました。


社番:5519.PKG-RU1ESAJ(10年車)。2023年2月記録。
貸切車は画像のいすゞガーラをはじめとした「大型12m車が中心 」という陣容。四角いモザイク模様の現行塗装デザインは2006年から採用しています。
2月に記録した三重交通の画像は、あらためてブログで更新していきます。
連載では、短期連載の「低公害バスの系譜をたどる」第6回CNGバス(2)。前回の(1)で紹介した日産ディーゼルのCNGバスに続く今回は、「それ以外のCNGバス各車種と輸入車・改造車について紹介 」しています。

いすゞ自動車が大型CNGバスの正式販売を開始したのは1996年からで、ルーフにボンベを搭載したノンステップ車は1999年に販売を開始しました。以後、エルガへモデルチェンジや強化される排気ガス規制への適合を行い、「2007年11月に新エンジン搭載の「CNG-MPI」が発売 」されました。結果的に、これが最後のCNG市販バスモデルとなりました。


車号:1-1755.LDG-LV234L3改(11年度)。2020年2月記録したものを再掲。
1990年代後半から、環境対策のもとCNGバスの導入を続けてきた 横浜市営バス。画像はCNGバス最終導入となる11年度導入車です。燃料ボンベの有効期限にまだ余裕がありましたが、経営方針の転換で「CNGバスは2021年度内で全車引退 」してしまいました。 

 
社番:C755.PA-LR234J1改(07年車)。2018年2月記録したものを再掲。
中型CNGバスは1998年から販売を開始。路線車ベースは一時期販売を中断したものの、ノンステップ化で2001年秋から販売を再開しました。画像は山梨交通に在籍したLRノンステップ車。「山梨交通は中型CNGノンステップバスを2001~2008年に採用し環境対策とバリアフリー化を推進 」しました。が、CNG車は燃料ボンベの使用期限の関係で概ね15年で引退。結果的に古参のディーゼル車が生き残ることになってしまいました。
CNGバスの販売は中止したいすゞ自動車ですが、エルフなどCNGトラックの製造・販売は継続しており「新車メーカーとして天然ガストラックの需要を一身に背負っている 」とのこと。

三菱ふそうのCNGバスは1998年から販売開始。


車番:57-1034.KL-MP37JK改(07年車)。2019年5月記録。
屋根に燃料ボンベを設置したノンステップ車は2000年から販売を開始し、「ボンベカバーは前後に2分割して大きく開き、点検整備が容易なことがアピールされた 」とのこと。言われてみれば、他メーカー車の屋根上ボンベカバーと造りがだいぶ違います。
画像は大阪シティバスに在籍した三菱ふそうMPのCNGノンステップバス。三菱ふそうのCNGバスモデルは「ノンステップバスが日産ディーゼルのOEMとなった2007年に販売を終えた 」ので、大阪シティバスに在籍した車両がほぼ最終期のモデルとなるようです。

日野自動車のCNGバスはごくわずか。「1990年代からハイブリッドバスに注力していたこともあり、市販CNGバスは大型ノンステップバスのみで 」、「一部の公営バスや、関西圏の民営事業者を中心に採用されたが、いすゞとのバス協業に伴う2005年のブルーリボンシティの中止とともに販売を終えた 」とのこと。このため、日野のCNGバスは市販モデルよりも改造車のほうが多い印象です。とくに「自治体主導で開設されるコミュニティバスを中心に、CNG改造された新車が乗合バスに採用されるケース 」が目立ちました。


堺200か250.2016年5月記録。
画像の南海バス在籍車両もそんな改造車の1台。日野KVノンステップ車をフラットフィールドでCNG改造したという代物。いすゞLVのCNGバスモデルではなく、わざわざ改造車を採用したことで話題となりました。

連載はおなじみの長期連載、「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事など掲載しています。 

次号予告は、2023春のオムニバス(電気バスをはじめ各地の新車・新サービスなどの話題)、日本バス協会・清水会長に聞く、バス事業者訪問、低公害バスの系譜(終) ほかとのこと。事業者訪問はヒミツですか。行けるところなら手持ち画像を確保したいので、公式ブログで早めに公表してほしいものです←わがまま
なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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こんばんは。夜遅くすみません。ブルーリボンⅡは屋根のガスボンベが後部に付いているんですね。いすずガーラは水色っぽい塗装ですね。

Re:

>ブルーリボンⅡは屋根のガスボンベが後部に付いているんですね。

屋根上クーラー機器が前方配置の標準市販車をCNG改造したので、ボンベ搭載可能なスペースが後方しか無かったのでしょう。改造にあたり、重量配分にも相当苦労したのではないかと思います。

  • Mrジョソ
  • 2023/03/14(Tue.)

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