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バスラマ 198号

先日とある女優さんとオーナーシェフがW不倫しているという週刊誌報道がありました。女優さんは当初否定したものの、結局謹慎したりなんだり。90年代半ばのポケットベルの広告で大人気となったそんなあの子も、大人になるんだなぁとしみじみ感じました。というわけで、月末恒例バス雑誌の感想という名の、あんなお手紙小生も貰いたい。偶数月はバスラマこと、『バスラマインターナショナル198号』です。

特集は「各地の電気バス ニューフェイス」。2023年3月から5月頃までに登場した各地の電気バスをまとめて紹介しています。今回取り上げられた電気バスは写真だけのものもあれば、運用や充電など詳細に紹介したものありと記述内容に少々バラツキがあります。また、日本進出を発表しているトルコの「カルサンe-JEST」についてもレポートというかたちでまとめています。


社番:3002.BYD K8(23年車)。2023年6月記録。
今回特集で取り上げられた電気バスのなかで手持ち画像があるのは、日立自動車交通が「晴海ライナー」向けに2台導入したBYD K8。「東京23区内では初の大型電気バス 」で、2台ともラッピング広告車となっています。日立自動車交通によれば「今後は自治体から運行受託するコミュニティバスにも小型電気バスを導入する予定 」とのこと。

5月に大阪・舞州で開催した「2023バステクフォーラム」についても特集しています。出典車両や当日の企業ブースのにぎわいのほか、特別ゲストとしてはるばる北海道旭川から出張してきた旭川電気軌道の3軸バス、MR430の往路の模様も紹介しています。バステク当日は大盛況だったようですが、大盛況すぎてイロイロとあったことも書かれています。

レポートでは、5月30日に発表された「日野と三菱ふそうが経営統合に関する基本合意書を締結した」ことを速報的に紹介しています。統合後のカタチなど分からないところがまだ多い状況ですが、今のところ言えるのは「短期間で日本の大型車メーカーが大きく2つに集約されることは驚きといえる 」という一文に集約されると思います。

このほかにも、レポート・トピックスで全国の様々なバスに関する話題を取り上げています。
事業者訪問は初登場となる「おんたけ交通」。長野県南西部のいわゆる木曽谷とよばれるエリアで事業展開しています。かつては名古屋鉄道グループに属していましたが、2006年に名古屋鉄道が所有する株式を沿線自治体に無償譲渡することで名鉄グループを離れ、地元資本による事業者となっています。
記事は、一般路線のほとんどを地元自治体へ移管し、おんたけ交通が運行を受託している現況を中心にまとめています。あわせて路線バスの事業主体となった地元自治体から代表して木曽町担当者へもインタビューし、地域の路線バスの状況・取り組みについても紹介しています。

在籍車両は三菱ふそう車を中心に、運用路線に合わせたマイクロバスやハイエースなどの小型車もそれなりの台数そろえています。また、今年4月から新たにBYD製小型電気バスJ6が加わっています。


松本230い306.2TG-MS06GP(17年車)。2020年11月に記録したものを再掲。
おんたけ交通の小生手持ち画像はバスタ新宿付近で記録した高速車両のみ。再掲になりますが、2台ほど。まずは、MS06エアロエース。MS06初期車のため従来マスクで、トランクは大・中・小の3本仕様となっています。おんたけ交通は中央高速バス「新宿~木曽福島線」を京王バス東と共同運行していますが、コロナ禍の運休・減便により「現在は土日休日のみ運行 」となっています。


松本230あ305.BKG-MS96JP(10年車)。2020年6月に記録したものを再掲。
もう1台もエアロエース。こちらは、エアロエースでも初期車となるBKG規制車。
現在は予備車とのこと。


ちなみに導入当初は「松本200か763」の払い出しナンバープレートをつけていました。画像は2010年11月に記録したもの。


松本200か304.2012年5月記録。
せっかくなので、当時在籍していた304号車の画像も並べておきます。おんたけ交通が中央高速バス運行開始時に導入したエアロバス。共同運行する京王バス運行車両と合わせたのか、前扉は折戸仕様採用しています。この車両と連番にするため、10年に導入したエアロエースは希望番号305を取得しました。

短期連載の「低公害バスの系譜をたどる」は今回で最終回。そのほかの低公害バスとして、「市販車や営業用の実績があるLPGバス、LPG併用ディーゼルバス、水素エンジンバス、水素燃料電池バス、電気バス、プラグインハイブリッドバス 」を紹介しています。

タクシーやトラックでは使用例も多いLPGですが、日本のバスで採用したのはごくわずか。記事では2004年に国内で実証実験を行った「次世代LPGエンジンを搭載したヒョンデ(現代)製大型バス 」についても取り上げています。水素燃料電池バスでは現在販売中のモデルの礎となった試作車や初期車からの流れをまとめています。
電気バスも1970年代に開発されたものから2010年代以降に登場した電気バス改造車、そして現在国内で販売中の中国製輸入電気バスのラインナップを紹介。本文中に取り上げられなかった電気バス車両も特筆すべきところがあるものは写真とキャプションで取り上げています。


社番:B21251.2012年4月記録。
今回掲載された車両の手持ち画像を2枚ほど。
2012年に限定発売したメーカー純正の電気バス・ポンチョEV 」。「外観はEV独自のフロントグリルが特徴 」で、「東京都墨田区、同羽村市、石川県小松市の各コミュニティバスで各1台が順次運行を開 」しました。「ベース車の車両重量を維持するため搭載電池の容量は限られ、一充電航続距離は一般的な使用条件で10km程度と短く、1運行ごとに急速充電する必要があった 」とのこと。運用にはかなり制約があった車両だったのは間違いなく、10年程度で姿を消しました。


車号:zero-02.2014年5月記録。
こちらは北九州市交通局が2014年春に2台導入した韓国HFG製の大型電気バス。同時期に鹿児島県の薩摩川内市にも1台登場しました。北九州市交通局の車両は平日の指定ダイヤの運行のみと、ずいぶん慎重な使い方をしていました。「両地域ともゼロエミッションなどへの期待を込めた導入だったが、トラブルの多発などにより、いずれも実稼動5年前後と早期に引退した 」とのこと。
今回の連載は華々しく登場した車両・モデルがその後どうなったのか・・・答えあわせを見るような内容で本当に読み応えがありました。何度も書いていますが、資料的な価値がある連載だったと思います。

連載では、「新 バスドライバーのひとりごと」や海外記事など、おなじみのものが掲載。創刊号から続く「日本の路線バス超長期実用テストレポート」に今号から京浜急行バスが導入したBYD製J6電気バスが新たに加わりました。実際のところ電気バスの使い勝手がどうなのか?データで分かるので楽しみです。

次号予告は、バス事業者訪問248:関東鉄道、西日本鉄道のレトロフィット電気バス ほか。 

なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧を参照しています。
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