前回に引き続き「吉川駅前で見たバス」画像のよせ集め。
今回のその2では、2000年代の規制緩和により路線バス事業を開始した、いわゆる新規参入事業者の記録できた車両画像を並べていきます。
<ジャパンタローズ>
春日部230あ127.PA-MK27FH(06年車)※1。
ジャパンタローズは「桃太郎便」の愛称で運送業を展開する丸和運輸機関グループのバス運行会社。もともとは吉川市北部から松伏町にかけて造成された工業団地「東埼玉テクノポリス」への企業送迎バスの運行を目的に設立し、規制緩和後に東埼玉テクノポリス周辺のバス路線空白地域と越谷・吉川方面を結ぶ路線バスを開業しました。在籍車両は日野車を中心に、三菱ふそう車も在籍しています。画像の三菱ふそうMKノンステップ車は越谷にある歯科医院のラッピング広告を施していますが、導入当初は「浦和レッズ」のキャラクターをデザインしたラッピング車となっていました。
<グローバル交通>
春日部230あ363.
三郷市をはじめ埼玉県南東部のエリアでは2000年代に自治体主導のバス交通政策を推進しました。新たに計画された路線に対し、地元の貸切バス事業者や運送業者などが新たに路線バスに参入しました。グローバル交通は2000年代に路線バスに参入した飯島興業の路線を引き継ぎ、その後独自に新規路線も開業するなど路線網を拡大してきました。しかし2010年代の末頃から運行本数を縮小していき、2019年末には三郷市内の路線と越谷市の蒲生線から撤退しました。
現在は吉川駅北口から近傍の工業団地や住宅地、病院を小型バスで運行する路線をメインにしています。まずはグローバル交通の主力車となっている日野ポンチョ。塗装は水色1色のデザインを標準採用していますが、ほとんどの車両がラッピング広告を施しています。画像の車両は沿線に工場があるテルミックのラッピング車となっていますが、なぜか前扉部だけラッピングが無く、衛星っぽい意匠の塗装デザインの一部があらわれています。
春日部200か951.
こちらは吉川市に本社のある「サンファミリー」ラッピングを施した日野ポンチョ。近年の導入車は希望番号をやめて、普通の払い出しナンバーとなっています。
春日部200あ204.
吉川美南駅を発着する路線は三菱ふそうローザの独壇場。わずかな本数ですが、吉川美南駅と吉川駅を結ぶ路線も運行しています。画像の三菱ふそうローザは「乗合」登録で正面にLED式行先表示を装備していますが、乗降口のスイング扉など仕様的に貸切・送迎がメインと思しき車両です。
<メートー観光>
春日部230あ11.KK-ME17DF(02年車)※2。
メートー観光は吉川で古くから不動産業などを営んできた事業者で、路線バスは規制緩和後の2002年に参入しました。吉川駅南口から、新三郷駅を結ぶ路線や、三郷インターチェンジ近傍のロードサイド型の大規模商業施設の「ピアラシティ」を結ぶ路線を運行しています。こちらも運行本数が近年減少傾向で、今後が気がかりなところです。
画像は路線バス参入時から主力車として活躍してきた三菱ふそうME。近年は代替により台数を減らしている状況です。車両の塗装は貸切バス含め、黄色メインのデザインを採用しています。
春日部200か944.
三菱ふそうMEの代替として近年導入した日野ポンチョの移籍車。正面は申し訳ない程度に黄色のラッピングを施していますが、メインは水色でしかも「サンファミリー」のラッピング。てっきり北口から発着するグローバル交通の車両だと間違えてしまいました。
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吉川駅で記録したバス画像ではありませんが、グローバル交通が2019年末をもって撤退した三郷市内路線を引き継いだ埼玉観光の車両もせっかくなので並べておきます。
<埼玉観光>
越谷210あ3310.2DG-HX9JLCE(19年車)※2。
グローバル交通が撤退した三郷市内の路線を引き継ぎ、2020年から運行を担当することになった埼玉観光。運行開始にあわせ、日野ポンチョを新車で導入しました。塗装は貸切車と同じ濃紺カラーのデザインを採用し、登録番号は三郷の語呂あわせ「3310」を希望番号で取得しています。
廃止代替バスという扱いなのか「貸切」登録となっており、日本バス協会「貸切バス事業者安全性評価認定制度」の星ステッカーが貼られています。
なお、型式・年式は下記を参照しました。
※1)「ジャパンタローズ所有車両19台全データ」『バスマガジン26号』(2007),三推社/講談社
※2)「ノンステップバス導入一覧表」『年鑑バスラマ』・『バスラマインターナショナル』各号,ぽると出版
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