バスマガジンの最新号で、のちのち調べるかもしれない事業者特集などを書き記しておく、それだけのために更新している小生的メモ帳更新。今回は1月29日に刊行された『バスマガジン 123号』です。
まずは、前号の予告をチェック。前号の予告では、「 おじゃまします!!バス会社潜入レポート 『立川バス』」、「帰ってきた!都道府県別地域別路線バス全方位レポート『沖縄県』」、「東京モビリティショーで華々しくデビュー いすゞエルガEVに試乗・・・させて下さい!!とお願いしてみた」、「広島で大ブレイク!![広島スカイレール]の代替バス発表・試乗!!」、「なんかいつのまに全国ですっごく走ってる!?ここでちょっと整理してみよう・・・「全国の連節バス一挙紹介!!」」、ほか となっていました。
今号掲載の事業者潜入レポートは立川バスでなく山梨交通・・・。予告詐欺はいつものことなバスマガジンですが、事業者潜入レポートの予告違いは重大インシデントです。ちなみに事業者潜入レポートの予告詐欺は2019年1月刊行の93号以来、このときは国際興業バスの予告に対して関東鉄道グループが掲載された事象でした。ほかにも前号で予告されていたいすゞエルガEVの試乗は断られたのか掲載無し。もちろん連節バスの一挙紹介も記事掲載はありません。2024年もこの感じで編集し販売していくのかと思うと、購入意欲がそがれます。
バス会社潜入レポートは2005年に刊行した5号以来、2度目の登場となる「山梨交通」。執筆はもちろんBJエディターズの加藤氏が担当しています。BJハンドブックシリーズの直近作は2010年の『BJハンドブックシリーズR70 国際興業・山梨交通』ですから、どちらも久々の登場となります。
ちなみに2005年時点で取り上げられた事業者は山梨交通に加え、山交タウンコーチや山梨交通観光バス、山梨貸切自動車もありました。これらグループ事業者は貸切バスのほか、廃止代替バスの運行や営業所の運行管理も委託していました。その後「事業の一元的管理と乗務員の運用効率化のため 」段階的に統合をすすめ、2018年山梨交通に一元化しました。
記事は、2023年10月31日現在の在籍車両をもとに編集し、沿線風景と車両紹介をカラー頁・白黒頁に営業所の外観写真と歴史編をまとめた、いつも通りの構成となっています。
「さらに知っておきたい山梨交通4つのポイント」という記事で、CNGバスを積極導入していたことがとりあげられています。
社番:C755.2018年2月記録(再掲)。
山梨交通は1998年にCNG中型バスの導入開始以降、増備を続け「
民間事業者では国内屈指のCNGバス保有数 」を誇るまでになりました。しかし燃料ボンベの使用年限の関係でディーゼル車よりもかなり早い15年未満で廃車せざるをえず、「
2022年までにすべての車両が引退した 」とのこと。参考までに手持ちの再掲画像から、2007年に導入したCNGのいすゞLRノンステップ車。
2020年以降に記録した山梨交通の手持ち画像は、バスタ新宿周辺で記録した高速車だけ。再掲画像も含め2台ほど並べていきます。
社番:C809.QPG-RU1ESBJ(12年車)。2020年8月記録(再掲)。
山梨交通は中央高速バスの共同運行事業者として、バスタ新宿と甲府を結ぶ中央道新宿線をはじめ多くの路線を担当しています。高速車の「自社発注車はいすゞガーラに統一 」しており、塗装デザインは「国際興業グループの貸切カラーを採用 」しています。
画像は正面行灯下にレーダー+衝突被害軽減ブレーキを装備したQPG規制車のガーラ。
社番:C924.QTG-RU1ASCJ(16年車)。2023年11月記録。
「
高速バスも中古購入が行われ、その多くが元淡路交通のガーラ 」となっています。画像のジェイバス製ボディのいすゞガーラも淡路交通からの移籍車で、「
自社発注車と仕様が異なり、エンジンはA09C型、後部トイレつき54人乗り 」です。
ちなみに山梨交通では「
多くの皆様にバスへの親しみを感じていただき、山梨にある様々な自然の美しさ、フルーツをはじめとする豊富な食材、磨き上げられた工芸や文化、それぞれの魅力・楽しさが多種多様にあることを、一文字ずつ色を変えることで表現したイメージワード「The Bus of YAMANASHI」※山梨交通公式HPお知らせ 2021年10月25日リリース分より引用」を2021年に制定しました。これにあわせ、バス側面のアルファベット標記も新規導入車や更新などの際に「Yamanashi Kotsu Bus」から変更しており、高速車・貸切車は従来の書体で「The Bus of Yamanashi」標記となっています。
「帰ってきた 路線バス全方位レポート」は「沖縄県」。前シリーズでは2013年9月刊行の61号の掲載でしたが、今シリーズでも2016年3月刊行の76号以来2度目の登場。帰ってきたシリーズもいつのまにか2周目に突入したようです。76号で取り上げられたのは沖縄本島の事業者のみで正直イマイチでしたが、今回は宮古島・石垣島の事業者の写真だけは掲載しています。とはいえ、日本最南端の有償路線バス運行で知られる西表島交通や、沖縄本島でも東京バス沖縄の掲載はありませんでした。執筆担当者がどんな資料を基に掲載事業者をリストアップしているのか謎は深まるばかりです。
注目事業者の車両一覧表は、「琉球バス交通」。2023年11月30日現在のおそらく乗合登録車のみを掲載しています。
沖縄200か1515.PJ-LV234L1。2023年4月記録(再掲)。
沖縄200か1521.PJ-KV234L1。2023年4月記録(再掲)。
一覧表のおかげで横浜市交通局から移籍したジェイ・バス製ボディのPJ規制車のメーカー判別ができるようになりました。
ただ掲載された一覧表に年式の項目は無く、あるのは「登録年月日」。どうやら琉球バス交通名義に登録した年月日となるようで、旧琉球バスから引き継いだ車両は平成18年9月7日付けということが分かる、ある意味貴重なデータです。とはいえ本当に知りたいデータは初度登録年です。また、一覧表の最後の4台、令和5年6月30日に登録された沖縄200あ253~256のメーカー名は文字化けしたのか意味不明、型式も不明で全く分かりません。執筆担当者も大概ですが、推敲すらせずそのまま掲載する編集もどうかしています。いまのバスマガジンのレベルを象徴する連載です。
「~各地へ旅立ったバスたち~移籍バスの行方を追跡」は第15回東武バス編(その1)北海道・北東北。「
KC-規制からは全国各地で移籍例が増えてきている 」東武バス移籍車から、今回は北海道、青森県、岩手県、秋田県の事業者に移籍した乗合車両を紹介しています。
再掲出来る手持ち画像から、道北バスに移籍した車両を2枚ほど。
旭川200か1119.KL-LV280L1(02年車)。2022年5月記録(再掲)。
東武バスから道北バスへ初の移籍車となったのが、富士新7Eボディを架装したいすゞLVノンステップ車。道北バスへは「同型は2台のみ移籍している 」とのこと。
旭川200か1183.KL-HR1JNEE(04年車)。
道北バスは「日野HRが比較的お気に入りの車種になったのか、この型は2003~04年式が10台移籍 」し、「市内各線の主力で活躍中 」です。
このHRの塗装は先ほど並べたLVと異なり、側面窓上にも緑色帯が延びるオリジナルのノンステップバス塗装となっています。
「鈴木文彦が斬る、バスのいま」は「思い切った施策で世間に本気で考えてもらうときが来た」。長電バスの長野市内路線日曜運休をはじめ「乗務員不足に起因するバスの縮小が際立つようになった 」事例が多くなってきたことをとりあげ、これまでと同じような対策だけではバス路線の維持すら出来なくなりつつあることがわかります。
そのほかの連載では、「終点の情景を求めて」が岩手県北自動車の「松川温泉」を訪ねています。冬季は松川温泉への末端区間を4WDボンネットバスで運行していることで知られていおり、小生も一度は乗っておきたい&見ておきたい気分になりました。あとは今後調べることが無さそうなものばかりなので省略します。
次号予告は、「 おじゃまします!!バス会社潜入レポート 『立川バス』」、「帰ってきた!都道府県別地域別路線バス全方位レポート『青森県』」、「今号こそ!!いすゞ様のご厚意によりいすゞエルガEVに試乗・・・どうやらいけそうだ!!」、「広島の新交通「広島スカイレール」が電気バスに代替される!?その現場で試乗してきた!!」、「トルコからの使者!!全長6mの小型電気バス カルサンeーJESTの試乗インプレッション!!」、ほかとなっています。
なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、掲載画像の型式・年式は掲載の車両一覧等を参照しました。
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