バスに関する書籍を買ったら、感想めいたものをブログに書くシリーズ。バスラマ読者にとって2月は年鑑の発売月です。年末刊行から1~2月刊行に変わったのが2019年ですから、このスケジュールに体が慣れてきました。ということで、今回は2月5日刊行の『年鑑バスラマ 2023→2024』についてです。
構成は、巻頭言、巻頭カラー頁に国内バスハイライト、メインといえる「国内バスカタログ」、「海外バスカタログ」、歴史編、巻末の資料編というおなじみのラインナップです。
さて、本作の「国内バスカタログ」掲載モデルは「国産車5車種(15シリーズ)、輸入車8車種 」となっています。
昨年号は2022年3月に公表された日野自動車のエンジン認証不正問題による影響で、掲載モデルの一部が「販売中断中」と記載される異常事態となりました。販売を中断したモデルのうち、「
日野ポンチョは、エンジン改良と安全装備の拡充を図り 」販売を再開。トヨタコースターは、「
搭載していた日野製N04Cエンジンの排出ガス規制適合が不可能であることから、ハイエースなどに搭載する自社製1GDエンジンを採用 」し販売を再開しました。しかし日野セレガの「
E13Cエンジンを搭載するスーパーハイデッカーと高出力ハイデッカーは、型式指定の再取得・再販売の目途が立っていない 」状況となっています。
国内掲載モデルで変化したところはこのくらいで、外観的に大きく変わるようなモデルチェンジはありませんでした。
社番:M32303.2PG-MP38FK(23年車)。2023年10月記録。
ということで、手持ちの2023年製造・登録車の画像から、京王バス南大沢営業所配置の三菱ふそうMPノンステップ車。南大沢駅前で白色LED行先表示機を装備した京王バス車両を見かける機会が徐々に増えてきた、というのが小生的2023年の感想です。
輸入車では、新たなメーカーとしてトルコのカルサンが登場。小型電気バス「eーJEST」が新規掲載されました。
資料編では、今年も「ブランド別国内バス販売台数」のリストにご注目。本作では2022年と2023年のデータを掲載しています。コロナ禍前の販売台数には遠く及びませんが、回復基調であることは間違いありません。なかでも電気バスのBYDが大小あわせて53台、2022年と比べ2.5倍以上の伸び。電気バスは確実に普及していることを実感します。
「海外バスカタログ」は海外の最新鋭バスモデルの一部を国内バスカタログのフォーマットで紹介。今号では路線車8モデルと観光車1モデルを掲載しています。
露骨に手抜きと分かるような年もあれば、編集側の思い入れが強すぎる年もありと、振れ幅の大きいことでおなじみの『年鑑バスラマ』歴史編。今年も2本立てで、「1990~1994年 読者が見た全国のバス達」と「平和な時代の物見遊山」を掲載。
「1990~1994年 読者が見た全国のバス達」はバスラマ誌創刊まもない1990年から1994年までに「
読者の方々からお送りいただいた写真 」をカラーで紹介した創刊200号記念企画ともいえそうな内容です。掲載写真は当時の新車から古参車まで様々、チョイスが通好みというかスゴいラインナップなので必見です。
熊本22か2876.U-HU2MLAA改(94年車)。2021年5月記録(再掲)。
そんな掲載写真のなか、唯一手持ち画像があったのが画像の日野HU。もちろん90年代に撮影した写真ではなく、2021年に教習車となっていた姿ですが。
熊本市交通局は1994年に中扉部に車椅子対応のステップリフトを装備した日野HUを新車導入しました。登場したばかりの頃に撮影されたものと思われる掲載写真には熊本市営バス名物の正面動物看板(各社共通系統番号導入前の路線番号を表示した旧タイプ!)、赤帯の入った市営バス塗装も懐かしいです。
「平和な時代の物見遊山」は、太平洋戦争前の1937・1938年に発行された「遊覧バスのパンフレット」を紹介。日本だけでなく、「満州の観光バス案内」と題した貴重なパンフレットも掲載しています。
毎年書いていますが、年によって当たり・ハズレがあるように感じるのが『年鑑バスラマ』の醍醐味です。もちろんこれは私感ですのであしからず。
なお、本文中の「斜字 」部分は同誌からの引用部分、画像の型式は掲載の「国内バスカタログ」を参照しました。
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