BJハンドブックシリーズ X121

月末には何かしら感想めいたものを書いておきたい拙ブログ。バスに関する書籍を購入したら感想めいたものをわざわざブログに書いておくシリーズを更新です。
今回は2026年4月に刊行された『BJハンドブックシリーズX121 箱根登山バス 江ノ電バス』です。


社番:B295.2PG-MP35FM(24年車)。2026年4月記録。

社番:619.2PG-MP38FK(24年車)。2026年5月記録。

小田急グループの2事業者を取り上げた本作。表紙の写真は箱根登山バスの車両、バスの塗装を模したイラストは江ノ電バスという装丁です。

BJハンドブックシリーズで取り上げられるのは3作目となった箱根登山バス。前作は2016年に刊行した『BJハンドブックシリーズ S94 箱根登山バス 東海バス』で、前2作とも東海バスグループとセットでした。東海バスの在籍車両にそこまで大きな変化が無いと判断されたのか、今回はシリーズ初登場の江ノ電バスとセットとなりました。ちなみにハンドブックシリーズでは初登場の江ノ電バスですが、執筆をBJエディターズが担当している『バスマガジン』誌「事業者潜入レポート」では2022年116号で取り上げられています。江ノ電バスの現有車両紹介写真にバスマガジンで掲載されていたものが結構な枚数含まれています。

さて、本作の掲載事業者はタイトルの通り「箱根登山バス」と「江ノ電バス」の2事業者だけで、2025年11月30日現在の在籍車両をもとに編集しています。両事業者とも数年前まで事業分社や地域分社などがありましたが、統合・再編により一元化が図られました。

本作の構成はBJハンドブックシリーズ安定&おなじみの、車両編・歴史編・紀行編の3部構成です。

車両編は「現有車両のアルバム」・「現有車両一覧表」・「現有車両車種別解説」を掲載。
箱根登山バスの最古参となるのが1台残る2004年に導入した日野HRで、古参格といえるのが旧塗装で残る2006年導入車です。前作のハンドブックシリーズで掲載されていた比較的新しい車両が、本作では中堅~古参となっています。
いっぽう、江ノ電バスの最古参だったのが2003年に導入したKL規制車の三菱ふそうMPで、KL規制車の日産ディーゼル車も僅かですが残っています。ただ、どちらの事業者も2026年3月までに新車導入を行っているので、掲載された古参車は代替により姿を消した車両も少なくないと思われます。

前作の箱根登山バスの車両編掲載写真は、粗いものが多く全体的にカクカクしていて、晴天で撮影したと思われる写真は窓サッシ形状が真っ黒につぶれている残念なものでした。これらはフルカラー化でだいぶ改善しました。ただ、交通安全運動期間中に取材したようで、一部の掲載写真は神奈川県でおなじみ「交通安全小僧」のバスマスクを装着しています。今後はバスマスクが無い時期に取材を行ってほしいものです。
そして最も気になったのが、江ノ電バスに在籍している移籍車の扱い。これまでのBJハンドブックシリーズで移籍車は現有車両一覧表の年式に()が付記されていましたが、本作では特にありません。そもそも、車種別解説に移籍車であることすら書かれていません。本作では少なくとも、小田急箱根高速バスでホテル送迎専用車だった三菱ふそうMPと京浜急行バスからの日野HXの移籍車が掲載されていますが、何も書かないのは正直いかがなものかと思います。記述に説明不足なところもあり、本作はちょっと残念な1冊というのが小生の正直な感想です。

歴史編は、箱根登山バス・江ノ電バスとも9ページという分量です。箱根登山バスは前作から近年部分を中心に加筆・修正し、2020年に箱根登山観光バスを吸収合併したことや、2024年に箱根登山鉄道を含めた箱根エリアの小田急グループ事業者の大掛かりな再編で誕生した「小田急箱根」について追記しています。
江ノ電バスの歴史編は、先述した『バスマガジン』誌「事業者潜入レポート」掲載の歴史編が本作のレジュメといった感じに思える内容です。路線網を拡大した江ノ島鎌倉観光時代、利用者が減少していった江ノ島電鉄時代、コスト削減のため事業分社した江ノ電バス時代、それぞれの時代の施策などがまとめられています。ただ、京浜急行バスから大船駅発着路線を段階的に引き継いでいることが書かれていないのが残念でした。

紀行編のルポは「江ノ電バスと箱根登山バスで 神社めぐりと海ごはん山ごはん」。今回は久々に1泊2日で、1日目に江ノ電バスエリア、2日目に箱根登山バスエリアを乗り継いでいます。紀行編のルポはわりとマイナーと思われるスポットも訪れる印象ですが、今回は江ノ島や芦ノ湖などメジャーな観光スポットを楽しむ乗り歩きルポとなっています。
「終点の構図」は箱根登山バスから、神奈川県足柄下郡真鶴町の「石名坂」を取り上げています。

感想めいたものはこのくらいにして、ここからは小生手持ちの「箱根登山バス」と「江ノ電バス」の一般乗合車画像を並べていきます。

なお、本文中の「斜字 」部分は本作からの引用部分、型式・年式は掲載の「現有車両一覧表」を参照しました。 

<箱根登山バス>

社番:B295.2PG-MP35FM(23年車)。2026年4月記録。
2025年11月30日現在の車両数は乗合140台、貸切14台、特定2台、計156台 」が在籍する箱根登山バス。「メーカー別に見ると、三菱ふそう78台、いすゞ39台、日野37台、EVモーターズ・ジャパン2台 」で、「近年では、大型路線車は三菱製、中型路線車はいすゞ製、貸切車は日野製を中心に採用 」しています。
現在新製されている大型はワンステップバス、中小型はノンステップバスで、山岳路線への使用を考慮して座席定員を重視した仕様 」を採用しているのが特徴です。
画像は2023年に導入した三菱ふそうMPワンステップ車です。「箱根登山バスの社番は用途ごとに分けた3桁の通し番号で、路線車はB、貸切車はBH 」、「箱根登山観光バス引き継ぎ車はアルファベットがつかない独自の3桁の番号 」となっています。
路線バスの現行塗装は「2009年から小田急箱根環境デザインに関連した柿渋色とクリームのツートンカラー 」を採用しています。単純な塗り分けに見えますが、側面後部にちょっとしたデザインを施しているところや、フロントオーバーハングの下辺より下にあるボディ裾部だけ濃ブラウン色に塗っているのがポイントです。


社番:B212.QKG-MP35FK(13年車)。2026年4月記録。
現在の箱根登山バスで最も多く在籍する三菱ふそう車ですが、そのうち半数以上は大型路線車となっています。大型路線車は2017年頃まで短尺をメインに採用していました。画像はQKG規制車となった13年導入のMPワンステップ車。クーラーはデンソー製を搭載し、バンパーはガンメタリック色となっています。


社番:B233.QKG-MP35FK(15年車)。2016年4月記録。
2015年導入車からヘッドライト周りをモデルチェンジした現行マスクとなりましたが、バンパーとヘッドライト周りの塗装はいくつかのパターンがあります。画像の2015年導入車はヘッドライト周りをクリーム、バンパーは前後ともガンメタリックを採用しました。


社番:B258.QKG-MP35FK(17年車)。2026年4月記録。
2016年導入車はバンパーとヘッドライト周りどちらもガンメタリックを採用しましたが、どうもピンとこなかった模様。2017年導入車はバンパーとヘッドライト周りどちらもクリームを採用、これが正解だったようで2024年導入車までこの塗り分けが続きました。
ちなみにナンバープレートは2016年後期導入車から社番と同じ番号を希望番号で取得しています。


社番:B269.2PG-MP35FM(18年車)。2026年4月記録。
短尺メインだった大型路線車ですが、2017年から「一部を除いて中間尺 」に変更しました。また、画像の2018年導入車から行先表示に白色LED機を搭載するようになりました。


社番:B280.2PG-MP35FM(19年車)。2026年4月記録。
なぜか換気扇の装備が無かった三菱ふそう車ですが、2019年導入車から前後2ヶ所に搭載するようになりました。
画像はありませんが、2025年導入車はバンパーとヘッドライト周りどちらもガンメタリックに変更しました。仕様を決定する担当者が変わったのでしょうか。

社番:B287.2PG-MP35FK(20年車)。2026年4月記録。
今のところ、短尺のMPワンステップ車の導入は2020年まで。


社番:B126.PA-LR234J1(06年車)。2016年5月記録。
続いて、いすゞ車。いすゞの一般乗合車は現在中型車のみの在籍で、古参格となるのが旧塗装で残る2006年に導入したワンステップ車です。
画像の旧塗装は1980年から採用しました。過去のBJハンドブックシリーズによれば、「当時の貸切バスと共通の白地にブルー濃淡のラインが屈曲して入るデザイン 」ですが、「塗り分けが複雑なうえ特別色も混じるなど高コスト 」というのが欠点だったようです。


社番:B179.PDG-LR234J2(10年車)。
現行塗装で登場したLRノンステップ車。箱根登山バスの中型路線車はノンステップ車が主力となりました。


社番:B237.SDG-LR290J1(16年車)。
直4エンジン搭載モデルは2012年から導入を開始しました。ノンステップ車のみの導入。


社番:B278.2KG-LR290J3(15年車)。
現行ボディにモデルチェンジしたLRは2017年から導入を開始。運転席側の側面窓はメーカー標準の中央固定窓ではなく、すべて上部開閉仕様を採用しています。


社番:B128.PB-HR7JHAE(06年車)。2016年5月記録。
日野車の古参車となるのが旧塗装で残るPB規制車の日野HR9mサイズです。車両編に掲載された2004年導入車はコーナリングライトを装備し、ウィンカーを通常より上部に取り付けたオプション仕様ですが、画像の2006年導入車は標準的な外観となっています。
 

社番:B172.PDG-KR234J2(10年車)。2026年4月に記録。
KRは2008年から導入を開始していますが、初期導入車は既に箱根登山バスから姿を消しています。箱根登山バスは古い車両から順番に代替するわけではない模様。画像の車両は中型路線車で少数派となったワンステップ車です。

社番:B195.SDG-KR290J1(12年車)。2026年4月に記録。
こちらは直4エンジン搭載モデルとなった2012年導入のKRノンステップ車。


社番:B307.F8series2(25年車)。2026年4月に記録。
2025年にEVモーターズ・ジャパンが販売する大型電気バスを2台導入しました。塗装は「09年以前のカラーだった青色と赤帯にガンメタリックを配色 」したデザインを採用しました。EVモーターズ・ジャパンが販売した電気バスは様々な問題が発生し、悪い意味で話題となってしまいましたが、箱根登山バスはさらに増車しています。

<江ノ電バス>

社番:159.2KG-LV290N4(24年車)。2026年4月記録。
続いては江ノ電バスの画像を並べていきます。「2025年11月30日現在の車両数は乗合227台、貸切6台、特定18台、計251台 」が在籍する江ノ電バス。「メーカー別に見ると、三菱ふそう115台、日野53台、いすゞ39台、日産ディーゼル・UDトラックス39台、BYD4台、日産1台 」となっています。
00年代までの路線車は日産ディーゼル・三菱が大半を占め、富士ボディが好んで架装され  」ていました。大半を占めていた日産ディーゼル・UDトラックス車は台数を減らしており、かわって「日野・いすゞが増加しつつある 」状況です。
画像は2024年に導入したいすゞLVで、湘南営業所の配置車両です。
路線バスの塗装は「戦後まもないころから現行カラー 」を採用しており、現在の帯の塗りわけデザインは1960年代頃に確立したようです。


社番:613.PJ-MP37JM(06年車)。2026年5月記録。
江ノ電バスの社番は3桁の数字 」を採用しており、「路線車は湘南の中乗り仕様が100・500番台、前乗り仕様が600番台、鎌倉が200番台、横浜が300番台 」となっています。
一般路線車の主力である大型は、営業所により仕様が異なり 」、「湘南・横浜には中間尺ワンステップバスとノンステップバスが配置されて 」きました。画像の車両は湘南営業所配置のMP中間尺ノンステップ車で、クーラーは三菱重工製を搭載しています。


社番:327.QKG-MP38FK(16年車)。2026年5月記録。
近年は湘南・横浜に「短尺ノンステップバスが配置されるように 」なりました。画像の車両は横浜配置のMP短尺ノンステップ車。


社番:234.PKG-AA274PAN(08年車)。2026年5月記録。
大規模住宅や団地の輸送を担当する鎌倉では長尺ワンステップバスと長尺・中間尺ノンステップバスが活躍 」しています。ここから鎌倉配置の三菱ふそう車の画像を何枚か並べていきます。まずは2008・2009年に導入したエアロスターSことAA長尺ノンステップ車。フロントオーバーハングもそこそこあるので、本当に長いバスという感じです。クーラーはデンソー製を搭載しています。


社番:249.PKG-MP35UP(10年車)。2026年5月記録。
こちらは中扉4枚折戸仕様のMP長尺ワンステップ車。クーラーはデンソー製を搭載しています。


社番:238.QKG-MP35FP(14年車)。2026年5月記録。
ヘッドライト周りをモデルチェンジした現行マスクのMP長尺ワンステップ車も在籍しています。今のところ、長尺ワンステップ車は2016年を最後に導入がストップしています。

 
社番:230.2PG-MP38FM(20年車)。2026年5月記録。
MP長尺ワンステップ車にかわり、導入が続いているのがMP中間尺ノンステップ車です。湘南・横浜が短尺ノンステップバスとなる一方、鎌倉は引き続き長いバスを必要としていることが分かります。


社番:137.PKG-RA274KAN(09年車)。2026年5月記録。
江ノ電バスが長年愛用してきた日産ディーゼル車ですが、残り39台にまで減っています。とはいえ、藤沢駅発着路線には多数の車両が第一線で活躍しています。
画像は2009年にまとまった台数の大型ノンステップ車を導入したうちの1台となる短尺のRA。


社番:514.PKG-RA274MAN(09年車)。2026年5月記録。
こちらも2009年に導入したRAノンステップ車で、中間尺の車両。クーラーは短尺・中間尺どちらもデンソー製を搭載しています。


社番:121.PDG-JP820NAN(08年車)。2026年5月記録。
中型ロングタイプは現在湘南のみ在籍しています。画像の2008年に導入したJPは三菱ふそうのエンジンを搭載したモデルです。


社番:125.LKG-AP35FK(11年車)。2026年5月記録。
三菱ふそうMPのOEM車となるAPも少数ですが在籍しています。画像は湘南配置の短尺ワンステップ車。


社番:163.PKG-LV234N2(09年車)。2026年4月記録。
続いて、江ノ電バスでは少数派だった、いすゞ車。画像は2009年にまとまった台数導入したLV中間尺ノンステップ車のうちの1台。


社番:158.2KG-LV290N4(25年車)。2026年4月記録。
現行ボディにモデルチェンジしたLVは2017年から導入を開始しました。
2009年を除けば、いすゞ車は忘れた頃に2台くらい導入するという状況が続いてきましたが、2024年・2025年は5台以上を導入。いすゞ車が江ノ電バスで着実に台数を増やしています。


社番:133.QDG-KV290N1(17年車)。2026年5月記録。
台数的には、いすゞ車よりも多く在籍している日野車ですが、そのほとんどが小型路線車。大型車は今のところ2020年導入車でストップしています。画像は2017年に導入したKV。


社番:905.BDG-HX6JLAE(11年車)。2026年5月記録。
江ノ電バスの日野車といえば7mサイズの小型車。江ノ電は1990年代後半から「道路事情を考慮したミニバスによる新規路線 」の運行を開始し、「これまでなかった日野車が加わ 」ることになりました。現在はロングボディで2扉仕様のポンチョを各営業所に配置しており、湘南営業所配置の小型車の社番は900番台となっています。

 
社番:291.BDG-HX6JLAE(11年車)。2026年5月記録。
こちらは鎌倉営業所配置のポンチョ。


社番:353.2DG-HX9JLCE(23年車)。2025年5月記録。
近年導入している小型車は様々な塗装デザインで登場しています。画像の車両は江ノ電バス標準カラーのオレンジとベージュを直線的に塗り分けたデザインで、江ノ電公式キャラクター「えのんくん」を貼っています。


社番:917.2026年5月記録。
藤沢駅では2026年に導入した新車も見ることが出来ました。こちらのポンチョは江ノ電バス標準カラーで登場。どのデザインで導入するのかは気分次第?なんでしょうか。


社番:1003.K8。2026年5月記録。
江ノ電バスは電気バスを2024年から導入しています。今のところBYD車から、7mサイズのJ6と10.5mサイズのK8を採用しています。画像の車両は2026年に路線バス一般塗装デザインで登場した増備車です。

次回刊行は「鹿児島市交通局 佐賀市交通局 宇部市交通局」。九州地方と中国地方で市営バスを運行する3事業者をセットにした1冊となるようです。BJエディターズ公式HPでは当初宇部市交通局ではなく北九州市交通局とありましたが、急遽変更したようです。九州の3市営バスで1冊のほうが良さそうですが、いろいろ事情があったのでしょう。せっかく北九州市へ出かけたのに・・・。久々に宇部市にも出かけることになりました。

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